建設業

神奈川県の経審(経営事項審査)完全ガイド|最新の手引き(令和8年7月1日版)・流れ・必要書類

資料を指差す猫のマスコット。神奈川県の経審 完全ガイド 最新の手引き 令和8年7月1日版

執筆:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(神奈川県秦野市)|2026年9月28日時点の情報

「経審」と一言で言われても、神奈川県のホームページには手引きが2つのPDFに分かれて掲載されていて、あわせると全体で110ページほどになります。しかも令和8年(2026年)7月1日版と令和8年4月1日版が並んで掲載されていて、検索をすると令和7年版のPDFまで出てきます。「結局どれが最新なのか」「7月に何が変わったのか」「有効期間が切れて入札に出られなくなったらどうしよう」——このあたりで手が止まってしまう方が多いようです。

結論:最新は令和8年7月1日版です。神奈川県のページ「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」からダウンロードできます。

この記事は、秦野市の行政書士事務所が、神奈川県知事許可の建設業者向けに、経審(経営事項審査)を手引きの入手から入札参加資格の申請まで一望できる1ページとして整理したものです。各項目の細かい計算方法や加点の取り方は、それぞれの専門記事に譲り、ここでは「全体の順番」「最新の手引きの要点」「神奈川県の窓口の実務」を中心に扱います。本記事の内容は2026年9月時点のものです。制度・様式・手数料は改正されますので、実際の申請では必ず神奈川県のホームページ・窓口でご確認ください。

まず結論|神奈川県の経審 早見表

細かい話に入る前に、経審について知っておきたいことを1枚の表にまとめます。以下はすべて神奈川県知事許可の建設業者の場合です(国土交通大臣許可の場合は窓口が異なります。後述します)。

項目内容
最新の手引き令和8年7月1日版(4月1日版より新しい)。神奈川県のページ「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」からダウンロードできます。新旧の判断基準は申請日=受付日です
誰が受けるか神奈川県知事許可の建設業者で、公共工事(発注者から直接請け負う、工事1件500万円以上・建築一式工事は1,500万円以上)を目指す方
どこへ対面=神奈川県住宅供給公社ビル6階 経営事項審査室(横浜市中区日本大通33)。電子=建設業許可・経営事項審査電子申請システム
何を①経営状況分析(Y)を登録機関に申請→②県へ経営規模等評価・総合評定値請求(P)を申請
いつまでに有効期間が切れないよう、毎年決算後すみやかに。【期限つき】改正前の評価方法で受けた経審の再審査は令和8年10月28日まで・無料
いくら1業種11,000円、1業種増えるごとに+2,500円(総合評定値を希望しない場合は10,400円・+2,300円)
何日で申請の収受日から35日程度(不備があればこの限りではありません)
有効期間結果通知書を受け取った後、審査基準日(決算日)から1年7か月の間

(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』表紙〜p16の前半のPDF/神奈川県HP「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」/建設業法施行令第45条/建設業法施行規則第18条の2・第20条第2項)

決算書1枚で、経審P点の目安を無料診断します。「今の決算だと、いま何点くらいか知りたい」という段階からで大丈夫です。フォームで相談する、またはLINEで決算書を送る(電話 0463-57-8330・平日9:00〜18:00・面談中は折り返し)。

経審(経営事項審査)とは?受けなければならない会社

経審(経営事項審査)は、公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを、発注者から直接請け負おうとする建設業者が受けなければならない審査です(建設業法第27条の23第1項)。審査は「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項」を数値で評価して行われます(同条第2項)。

対象となる公共工事は、国・地方公共団体・法人税法別表第一の公共法人等が発注者で、工事1件の請負代金が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)のものです。堤防の欠壊などの応急工事等は対象から除かれます(建設業法施行令第45条)。

いくつか、混同しやすい点を整理しておきます。

  • 経審の対象は建設業の許可業者に限られます。申請したい業種の許可がなければ、その業種で経審を申請することはできません。
  • 経審を受けることと、入札に参加できることは別物です。入札に参加するには、経審に加えて各発注者の入札参加資格の認定を受ける必要があります。受付方法・時期は発注者ごとに違いますが、多くの発注者が総合評定値(P)を持っていることを資格審査の条件にしています。
  • 大臣許可の業者は、神奈川県ではなく関東地方整備局が窓口になります。本記事で扱う手引き・窓口の情報は、神奈川県知事許可の業者を対象としたものです。

神奈川県の経審の手引き|最新は令和8年7月1日版

神奈川県のホームページ「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」には、手引きが2つのPDFに分かれて掲載されています。表紙〜p16の前半のPDF(2,532KB)と、p17〜裏表紙の後半のPDF(7,523KB)です(目次上の最終ページはp110)。これが令和8年7月1日版で、令和8年4月1日版も同じページに掲載されています。7月1日版が、令和8年7月1日施行の改正を反映した現行版です。

県のページ自身も、次のように版を案内しています。

「令和8年7月1日からの申請は次の手引き」(7月1日版:表紙からp16まで2,532KB/p17から裏表紙まで7,523KB) 「令和8年6月30日までの申請は次の手引き」(4月1日版) ——神奈川県HP「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」

なお、検索をすると令和7年4月1日版の手引きPDFがまだ表示されることがあります(2026年9月28日時点のWeb検索で確認)。手引きは複数の版がネット上に残っているため、ダウンロードするたびに表紙の日付を確認することをおすすめします。

新基準・新様式が適用されるかどうかは、対面・電子申請を問わず「申請日(受付日)」で判断します。審査基準日ではありません。令和8年6月30日までの申請は改正前の様式、7月1日以降の申請は改正後の様式で審査されます。

手引きのどこに何が書いてあるか(令和8年7月1日版の目次より)

知りたいこと手引きのページどちらのPDF
7月1日版で何が変わったかp1(主な変更点)前半
申請の注意点・虚偽記載の罰則p2前半
審査項目と最高点・最低点p3前半
経審とは・受けなければならない会社・審査基準日・申請の手順・有効期間p4〜p7前半
申請のしかた・必要書類の一覧・手数料・結果通知p8〜p16前半
申請書・完成工事高・技術職員名簿・社会性等の書き方p17〜p43後半
工事経歴書の書き方・業種区分一覧表p44〜p57後半
確認書類①の各項目の注意点p58〜p103後半
業種追加などの特殊な経審p104〜p106後半
関係機関の連絡先p107〜後半

初めての方は、前半のPDF(p1〜p16)を通して読んでから、後半のPDFで自社に関係する項目だけを開くと迷いにくくなります。

令和8年7月1日版の主な変更点

手引きが挙げている変更点は、次の6つです。

令和8年7月1日版の経審の手引きの主な変更点6つ
変更点内容詳しい記事
① 審査項目の変更「雇用保険の加入状況」「健康保険の加入状況」「厚生年金保険の加入状況」の評価項目が削除。経審で社会保険は点数にならなくなりました(評価項目そのものがなくなりました)経審W点改正(2026年7月施行済み)の変更点と影響
② 様式第7号の追加「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」に関する誓約書が追加(項番52関係)職人いきいき宣言(自主宣言)で経審加点
③ 加点対象建設機械の拡大アスファルト・フィニッシャ、不整地運搬車を追加。建設機械の保有状況一覧表の様式も改正(項番62関係)経審W点改正(2026年7月施行済み)の変更点と影響
④ CCUSの配点見直し自主宣言の有無(W1-8)の追加にあわせ、就業履歴を蓄積するための措置(W1-7=CCUS)の配点が見直された経審のCCUS加点とは
⑤ W点・P点の最低点変更W点の最低点が-1,837→-788、P点の最低点が6→163に変更(令和8年7月1日以降の申請)経審W点の計算方法
⑥ 認定能力評価基準の項目追加認定能力評価基準と対応する建設業の項目が追加(技術職員の数え方=Z点側。手引き後半のPDF p74〜p75)CCUSレベルアップの条件(技術職員コード703・704)

(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』表紙〜p16の前半のPDF「主な変更点」)

①の社会保険については、経審の点数と、建設業許可を持ち続けるための要件としての社会保険加入(適用事業所に当たる場合の届出)は別の制度です。「社会保険に入ると経審で加点される」「未加入だと減点される」というのは、令和8年7月1日以降の申請では当てはまりません。なお、神奈川県の競争入札参加資格では、健康保険・厚生年金・雇用保険の届出が引き続き要件になっています。経審の点数から外れたからといって、加入が不要になったわけではありません。

なお、項番52の自主宣言は審査基準日において自主宣言を行っている場合に「1」となります。自主宣言・CCUS・建設機械の加点が具体的に何点になるかは、各論の記事で確認してください(本記事では点数の詳細には触れません)。

【10月28日まで】改正前に受けた経審の再審査(無料)

改正前の評価方法で経営規模等評価の結果通知を受けた業者は、令和8年7月1日から10月28日までの120日間に限り、許可行政庁に再審査を申し立てることができます(建設業法施行規則第20条第2項)。2026年9月28日時点で、残りは約1か月です。

対象となる項目は、次の3つに限られます。

  1. 自主宣言の有無(項番52。あわせて、CCUS=項番51の加点配分も見直されました)
  2. 新たに評価対象となった建設機械(項番62。アスファルト・フィニッシャ、不整地運搬車)
  3. 技術職員コード「703」「704」で加点対象となる業種の追加(レベル3・4技能者)

再審査を受けなくても、改正前の経審は有効です。上の3つ以外の項目を変更することはできません。対象は、令和8年7月1日までに改正前の評価方法で受審した業者で、申立ての時点で審査基準日から1年7か月以内のものに限られます。対面・電子申請とも可能ですが、郵送は不可で、手数料は無料です。詳しくは経審はやり直しできる?でも整理しています。

神奈川県の経審の全体の流れ|決算から入札参加まで

経審は、大きく分けて「経営状況分析(Y)」と「経営規模等評価・総合評定値請求(P)」の2段階です。Yは国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が行い(建設業法第27条の24第1項)、経営規模等評価(X・Z・W)と総合評定値(P)の通知は、許可をした許可行政庁(知事許可の場合は知事)が行います。Pは申請者の請求により通知されます(同法第27条の26・第27条の27・第27条の29)。

全体の流れを5ステップにまとめると、次のようになります。

経審の流れ:決算変更届から入札参加資格の申請まで
ステップ内容
① 決算変更届決算後、経営状況分析(Y)の申請前・遅くとも経審の申請までに提出(税抜きで作成。免税事業者は税込)
② 経営状況分析(Y)の申請登録経営状況分析機関に申請し、Y結果通知書を受領。Pを請求するなら必ず先にYを受け、結果通知書を受け取っておく必要があります
③ 経営規模等評価・総合評定値請求(P)の申請神奈川県へ申請。Y結果通知書の原本を添付します(対面の場合。電子申請は認証キー16桁の入力で不要)
④ 結果通知収受日から35日程度で、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書が届く(不備があればこの限りではありません)
⑤ 入札参加資格の申請経審とは別の手続き。発注者ごとに受付方法・時期が異なります

(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』表紙〜p16の前半のPDF/電子申請の扱い=神奈川県HP「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」の「電子申請の必要書類について」)

登録経営状況分析機関の一覧は、国土交通省のページ(登録経営状況分析機関一覧)で確認できます。より詳しい流れは、経審を初めて受ける流れ5ステップや経審のやり方を最初から全部(一気通貫ロードマップ)でも解説しています。

審査基準日と「1年7か月」の数え方(決算日から。受領日からではない)

審査基準日とは、原則として申請日直前の事業年度の終了日(決算日)のことです。たとえば、9月30日決算の法人が令和8年12月に申請する場合、審査基準日は令和8年9月30日になります。

公共工事の請負契約ができるのは、経審の結果通知書を受け取った後、その経審の審査基準日から1年7か月の間です(建設業法施行規則第18条の2)。条文の原文(抜粋)は次のとおりです。

「請負契約を締結する日の一年七月前の日の直後の事業年度終了の日以降に経営事項審査を受けていなければならない」(建設業法施行規則第18条の2・抜粋)

つまり、契約日から1年7か月さかのぼった日の後に来る決算日を審査基準日とする経審が必要、という意味です。手引きはこれを「審査基準日から1年7か月」と説明しています。ここで最も誤解されやすいのが、「結果通知書を受け取ってから1年7か月」ではないという点です。あくまで審査基準日(決算日)が起点で、そのうえで結果通知書を受け取っていることが前提になります。

流れを図にすると、次のようになります。

経審の有効期間1年7か月は決算日から数える
順番内容
① 決算日(審査基準日)例:令和8年9月30日
② 経審の申請Y(経営状況分析)→県へ経営規模等評価・総合評定値請求
③ 結果通知書を受領ここまで終えて、はじめて公共工事の契約に使えます
④ 契約できる期間③の後、審査基準日から1年7か月の間=この例ではおおむね令和10年4月まで
⑤ 次の準備④の期限までに、次の決算(例:令和9年9月30日)の経審の結果通知書を受け取っておく必要があります

※末日の具体的な日付は数え方によって1日ずれることがあるため、窓口で確認してください。

毎年公共工事を請けるつもりなら、有効期間が切れ目なく続くように毎年、決算後すみやかに経審を受ける必要があります。申請が遅れると前年の有効期間が切れ、その間は公共工事の契約ができなくなります。

毎年いつ動けばいいか(決算→決算変更届→Y→県→結果)

毎年のサイクルは「決算→決算変更届→経営状況分析(Y)→県への申請(P)→結果通知」の繰り返しです。このサイクルが1年途切れると、有効期間の切れ目が生まれてしまいます。

神奈川県の競争入札参加資格は有効期間が2年で、2年に1度、定期申請の受付があります。令和9・10年度の定期申請は、令和8年10月1日(木)から11月30日(月)まで受け付けられます(令和7・8年度の資格は令和9年3月31日で失効します)。

さらに、令和9・10年度の等級(ランク)の認定には、令和9年2月中旬ごろまでに入札システムに登録された最新の経審結果が使われます。そのため県は、1月中旬ごろまでに経審の結果通知を受け取れるよう、早めに経審を受けるよう案内しています。等級の考え方は入札参加資格の等級(ランク)とは?をご覧ください。これに先立つ経審は余裕をもって申請するよう、神奈川県のページでも呼びかけられています。定期申請の詳細は指名願いとは?神奈川の入札参加資格認定申請(令和8年10/1〜11/30)にまとめています。

(出典:定期申請の受付日・等級認定に使う経審結果の時期=かながわ電子入札共同システム「令和9・10年度定期申請」・神奈川県「競争入札参加資格認定申請」。経審を余裕をもって申請するようにという呼びかけ=神奈川県HP「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」)

経審の必要書類|神奈川県は「4つの束」で出す

神奈川県への提出書類は、大きく4つの束に分けて整理すると分かりやすくなります。

経審の必要書類は4つの束
束内容の概要部数
(1) 提出書類8点(内容は下の箇条書きを参照)正本・副本各1部
(2) 確認書類①25項目の写し(代表例は下の箇条書きを参照)正本1部
(3) 確認書類②5点(内容は下の箇条書きを参照)正本1部
(4) 提出前確認票・連絡票提出前確認票、経営事項審査に係る連絡票各1部

(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』表紙〜p16の前半のPDF)

(1) 提出書類(正本・副本各1部)8点

  1. 経営規模等評価申請書・再審査申立書・総合評定値請求書(手引きでは「20001帳票」と表示)
  2. 工事種類別完成工事高・元請完成工事高(20002帳票。税抜き・千円単位。免税事業者は税込。完成工事高の積み上げ計算をする場合は付表も)
  3. 技術職員名簿(20005帳票)
  4. その他の審査項目=社会性等(20004帳票)
  5. 建設機械の保有状況一覧表(項番62が1台以上の場合のみ)
  6. 経営状況分析結果通知書の原本(Pを請求する場合のみ。対面申請の場合。電子申請では認証キー=半角数字16桁の入力で不要です)
  7. 審査手数料貼付書(電子申請の場合は不要=ペイジー払いのため)
  8. 委任状(代理申請の場合のみ)

(2) 確認書類①(写し・正本1部)=25項目

先頭の①許可通知書から、最後の㉕「資本性借入金」該当証明書まで、写しを25項目そろえます。代表的なものを挙げると、次のとおりです。

  • ①許可通知書
  • ②工事請負契約書等(審査対象業種ごとに、工事経歴書に記載した請負金額の大きい順で上位3件。3件に満たない場合はすべて)
  • ③消費税納税証明書(原則、免税事業者も必要)
  • ④常勤確認書類
  • ⑤技術職員の資格確認書類
  • ⑦建設業退職金共済(建退共)の加入・履行証明書
  • …㉕「資本性借入金」該当証明書(25項目目)

一覧は前半のPDF(表紙〜p16)のp10、各項目の注意点は後半のPDF(p17〜裏表紙)のp58〜p103でご確認ください。

(3) 確認書類②(写し・正本1部)=5点

  1. 建設業許可申請書の写し(収受印のある第一面)
  2. 商号・所在地・代表者・資本金等の変更届・廃業届の写し
  3. 審査対象事業年度の決算変更届の写し
  4. 前回の経審申請書の写し(新規・前年未受審を除く)
  5. 消費税の確定申告書の写し(第一表。免税事業者は不要)

(4) 提出前確認票・経営事項審査に係る連絡票(各1部)

確認書類は返却されませんので、写しを提出します。確認書類②の①〜④について、「収受印のあるページ」は、元の許可申請・届出を電子申請で出していた場合は収受印は不要です(経審そのものを電子で申請するかどうかとは別の話です)。

申請書類は、神奈川県のホームページ(申請書ダウンロード)からダウンロードできます。

経審の点数(P点)のしくみ|X1・X2・Y・Z・W

経審の総合評定値(P点)は、次の式で算出されます。

P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W

各項目の最高点・最低点・ウェイトは、次のとおりです。

項目内容最高点最低点ウェイト
X1完成工事高(許可業種別)2,3093970.25
X2自己資本額・利払前税引前償却前利益2,2804540.15
Y経営状況(負債抵抗力・収益性効率性・財務健全性・絶対的力量)1,59500.20
Z元請完成工事高・技術職員数(許可業種別)2,4414560.25
W社会性等2,073-788(令和8年7月1日以降の申請)0.15
P(総合評定値)—2,159163(同上)—

(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』表紙〜p16の前半のPDF)

X1とZは許可業種別に審査され、業種ごとにP点が出ます。Wの中身は、①担い手の育成・確保②営業継続③防災活動への貢献④法令遵守⑤経理の状況⑥研究開発⑦建設機械の保有⑧規格の認証・登録の8分野です。

完成工事高は、2年平均と3年平均のどちらかを選べます。消費税納税証明書(その1)は、審査基準日を含む事業年度分が基本ですが、初めて経審を申請する場合、または前事業年度の経審を受けていない場合に限り、前事業年度分(3年平均を選ぶなら前々事業年度分も)が必要です。技術職員は、審査基準日以前に資格を持っていることが必要です。試験日が審査基準日以前というだけでは足りません(後述「つまずきやすいポイント」にも挙げています)。

点数の細かい計算方法や上げ方については、各論の記事にまとめています。

神奈川県での申請のしかた|窓口(火曜・金曜)と電子申請

神奈川県への申請方法は、対面と電子申請の2つです。郵送申請は令和6年7月31日収受分で廃止されており、現在は利用できません。

対面窓口は、神奈川県住宅供給公社ビル6階 経営事項審査室(横浜市中区日本大通33)です。受付日は、県の「令和8年度 経営事項審査対面受付 受付日(予定)」で網掛けになっている日だけです。曜日でいうと、金曜日が申請者代理人(行政書士)の受付日で、本人が申請するときは火曜日に行きます(すべての火曜・金曜が受付日というわけではありません)。受付時間は次のとおりです。

区分火曜日金曜日
午前審査分の受付8:45〜11:008:45〜10:30
午後審査分の受付11:00〜16:0010:30〜15:00
審査開始午前9:00・午後13:15午前9:00・午後13:15

受付は先着順・番号札によります。番号札は1社1枚です(金曜日は1事務所につき5社分=5枚までまとめて取れます)。

まもなく令和8年10月1日から、窓口での審査の前に行政書士証票(又はデジタル資格者証)・補助者証を確認するようになります。個人事業主本人や、法人の役員・従業員が自社の申請をする場合は対象外です(必要に応じて本人確認が行われます)。

電子申請は、令和5年1月10日から「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」で利用できます。必要書類は紙の申請と原則同じですが、一部扱いが異なります(前述のとおり、経営状況分析結果通知書の原本添付や審査手数料貼付書が不要になるなどの違いがあります)。

なお、結果通知の催促・進捗の問い合わせには応じてもらえません(審査遅延の原因になるため)。特殊な経審の場合は事前に連絡が必要です。

手数料(1業種11,000円・追加1業種ごと2,500円)と払い方

神奈川県の審査手数料(知事許可)は、1業種11,000円、1業種増えるごとに+2,500円です(総合評定値を希望しない場合は10,400円・+2,300円)。

対面申請の場合、窓口での形式審査が終わった後に、同じビルの5階閲覧所で払います(原則キャッシュレス決済・現金不可)。電子申請の場合はペイジーで払います(審査手数料貼付書は不要です)。収入証紙は令和8年4月1日以降使えません。

結果通知は35日程度・結果の確認(CIIC)・通知の再審査(30日以内)

結果通知書(経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書)は、申請の収受日から35日程度で県から送付されます。不備があればこの限りではなく、期間短縮にも応じてもらえません。

結果が申請内容と違う場合は、受領から30日以内に再審査を申し立てることができます。再審査の対象は、県が行う経営規模等評価(X・Z・W)の結果です(建設業法第27条の28・同法施行規則第20条第1項)。経営状況分析(Y)の結果は、県への再審査の対象ではありません。ただし、記入ミス・資料不足など申請者の責任による誤りは対象外です。結果通知書は再発行されません(紛失した場合は有料の証明書を取得します)。

経審の結果は、(一財)建設業情報管理センター(CIIC)のサイトで閲覧できます。「結果が検索に出てこない」というお悩みについては、「経審 出てこない」3つの原因と確認手順で詳しく整理しています。

経審でつまずきやすい6つのポイント

手引きと県のページが自ら注意を呼びかけている点を、6つにまとめました。

  1. 申請書を受理した後は、申請内容の変更も追加資料の提出もできません。提出前に確認票で入念にチェックすることが重要です。
  2. 審査の過程で決算変更届の修正が必要になるケースが多数発生しています。決算変更届を出す前によく確認してください。関連は決算変更届は自分でできる?、決算変更届を5年分ためるとどうなる?。
  3. 実務経験で技術職員名簿に載せる場合、同じ期間を複数業種で重複して数えることはできません。
  4. 常勤確認資料として、紙の健康保険被保険者証は使えません。令和7年12月2日以降の申請では、常勤性等の確認資料として認められなくなっています。
  5. 技術職員は、審査基準日以前に資格を持っていることが必要です。試験日が審査基準日以前というだけでは足りません。
  6. 虚偽記載には罰則があります。虚偽記載で経審を受け、その結果で入札参加資格を申請すると、監督処分(営業停止・指示処分)を受けることになり、発注機関ごとの指名停止を受けることもあります。虚偽記載の提出自体も6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(建設業法第50条)が定められており、刑に処せられると許可取消し・5年間は許可を受けられなくなります。

また、前事業年度の経審を受けていない・初めての場合は、消費税納税証明書・消費税確定申告書を前期分(3年平均を選ぶ場合は前々期分も)提出する必要があります。

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経審は、書類の様式が定型化されているため、決算変更届が毎年きちんと出せていて、業種構成もシンプルな会社であれば、自分で申請することも可能です。一方で、確認書類①の25項目をそろえる作業や、複数業種にわたるX1・Z点の集計、Y点の分析機関への申請といった工程が重なると、時間がかかりやすいのも事実です。「自分でやるか、頼むか」の判断材料は、経審は自分でできる?に整理しています。行政書士に依頼する場合の料金は建設業許可の料金表に掲載していますので、そちらをご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 神奈川県の経審の手引きはどこで手に入りますか? A. 神奈川県のホームページ「経営事項審査(経営規模等評価・総合評定値請求)」に、2つのPDF(表紙〜p16の前半・p17〜裏表紙の後半)で掲載されています。申請書類も同じページ(申請書ダウンロード)からダウンロードできます。

Q. 最新の手引きはどれですか? A. 令和8年7月1日版が最新です。県HPには令和8年4月1日版も掲載されており、検索では令和7年版のPDFも表示されることがあるため、ダウンロードするたびに表紙の日付を確認することをおすすめします。新旧の適用は申請日(受付日)で判断され、審査基準日ではありません。

Q. 経審は何日で結果が出ますか? A. 申請の収受日から35日程度です。不備があればこの限りではなく、期間短縮にも応じてもらえません。

Q. 経審の手数料はいくらですか? A. 神奈川県知事許可の場合、1業種11,000円、1業種増えるごとに+2,500円です(総合評定値を希望しない場合は10,400円・+2,300円)。経営状況分析(Y)の手数料は登録経営状況分析機関ごとに異なります。

Q. 経審の有効期間はどのくらいですか? A. 公共工事の請負契約ができるのは、経審の結果通知書を受け取った後、その審査基準日(決算日)から1年7か月の間です。審査基準日が起点であり、結果通知書を受け取った日を起点に数えるのではありません。有効期間を切れ目なく続けるには、毎年決算後すみやかに経審を受ける必要があります。

Q. 郵送で申請できますか? A. できません。郵送申請は令和6年7月31日収受分で廃止されており、対面または電子申請のみとなっています。

Q. 電子申請はできますか? A. できます。令和5年1月10日から「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」で申請できます。必要書類は紙の申請と原則同じです。

Q. 本人は何曜日に申請しますか? A. 対面窓口の受付日は、県の「令和8年度 経営事項審査対面受付 受付日(予定)」で網掛けになっている日だけです。曜日でいうと、金曜日は申請者代理人(行政書士)の受付日なので、本人が申請するときは火曜日に行きます。受付時間・審査開始時間は曜日によって異なります。

Q. 社会保険は経審の点数に関係ありますか? A. 令和8年7月1日以降の申請では関係しません。「雇用保険の加入状況」「健康保険の加入状況」「厚生年金保険の加入状況」の評価項目が削除されたためです。健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用事業所に当たる場合、その届出は建設業許可を持ち続けるための要件でもあります(建設業法施行規則第7条第2号)が、これは経審の点数とは別の制度です。

Q. 7月の改正前に受けた経審はやり直せますか? A. 令和8年7月1日から10月28日までの120日間に限り、無料で再審査を申し立てられます。対象は次の3つに限られます:①自主宣言の有無(あわせてCCUSの加点配分も見直し)②新たに評価対象となった建設機械(アスファルト・フィニッシャ、不整地運搬車)③技術職員コード「703」「704」で加点対象となる業種の追加。2026年9月28日時点で残りは約1か月です。

Q. 決算変更届と経審は同時に出せますか? A. 決算変更届は、原則として経営状況分析(Y)の申請前、遅くとも経審の申請時までに出しておく必要があります。経審の申請では、その決算変更届の写し(収受印のある表紙など)を確認書類②として提出します。

Q. 経審の点数はどこで確認できますか? A. (一財)建設業情報管理センター(CIIC)のサイトで閲覧できます。

Q. 経審の結果に納得できない場合はどうすればよいですか? A. 県が行う経営規模等評価(X・Z・W)の結果が申請内容と違う場合は、受領から30日以内に再審査を申し立てることができます(経営状況分析〈Y〉の結果は対象外)。ただし、記入ミス・資料不足など申請者の責任による誤りは対象になりません。

Q. 国土交通大臣許可の場合も神奈川県で経審を受けますか? A. いいえ。大臣許可の業者は、神奈川県ではなく関東地方整備局が窓口になります。本記事は神奈川県知事許可の業者を対象としています。

まとめ

  • 神奈川県の経審の手引きは令和8年7月1日版が最新。神奈川県のページからダウンロードでき、新旧の判断は申請日(受付日)で行います(審査基準日ではありません)。
  • 7月1日版の変更点は6つ。もっとも影響が大きいのは、社会保険3項目の評価削除(経審の点数と、許可要件としての加入は別の話です)。
  • 改正前に受けた経審の再審査は、令和8年10月28日まで・無料。対象は3つ=自主宣言の有無(CCUSの配点見直しを含む)・新たに対象となった建設機械・技術職員コード703・704の業種追加、に限られます。
  • 経審の流れは「決算変更届→経営状況分析(Y)→経営規模等評価・総合評定値請求(P)→結果通知(35日程度)→入札参加資格の申請」の5ステップ。
  • 有効期間は、結果通知書を受け取った後、審査基準日(決算日)から1年7か月。結果通知書の受領日そのものが起点ではありません。
  • 提出書類は「提出書類8点/確認書類①25項目/確認書類②5点/提出前確認票・連絡票」の4つの束。
  • 点数はP=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15Wの式で算出。W・Pの最低点は改正で変わりました。
  • 神奈川県の対面窓口は、県の受付日予定表で網掛けになった日だけ。曜日でいうと火曜=本人/金曜=代理人(行政書士)。手数料は窓口での形式審査後にキャッシュレス払い(電子申請はペイジー)。郵送不可。
  • まもなく令和8年10月1日から、窓口で行政書士証票の確認が始まります。

参考にした資料

※この記事は、神奈川県の手引き・県公表資料および建設業法・同施行令・同施行規則の条文(2026年9月時点で確認)に基づいて作成しています。制度・様式・手数料は改正されることがありますので、実際の申請にあたっては、申請時点の手引き・神奈川県ホームページ・窓口で必ずご確認ください。個別の事情によって取扱いが異なる場合があります。

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執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)

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神奈川県央エリア(秦野市を中心に)で、建設業許可・経営事項審査(経審)を専門に取り扱っています。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。