まとめ

決算変更届を出し忘れるとどうなる?3つの結末と挽回方法【建設業】

決算変更届の提出期限7月末を知らせる猫のイラスト

執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(神奈川県行政書士会所属/神奈川県秦野市)

「決算変更届? そういえば最近出した記憶がない……」

建設業許可をお持ちの社長とお話ししていると、実はこの状態の会社さんが少なくありません。日々の現場が忙しければ、書類のことは後回しになって当然です。

ただ、この届出は放置した分だけ、あとで確実に効いてくるタイプの手続きです。この記事では、出し忘れると何が起きるのか、そして今からどう挽回できるのかを、やさしく整理します。

結論:放置すると「更新できない・経審を受けられない・公共工事に入れない」

先に結論です。決算変更届を出していないと、次の3つの場面で行き止まりになります。

  • 5年に1度の許可更新が受け付けてもらえない
  • 経審(経営事項審査)が受けられない=公共工事に参加できない
  • 未提出のまま放置すると罰則や行政指導の対象になり得る

「いま困っていない」のは、たまたまこの3つの場面がまだ来ていないだけ、というケースがほとんどです。

決算変更届とは?毎年・決算後4ヶ月以内の提出義務

決算変更届(正式には「事業年度終了届」「決算報告」とも呼ばれます)は、建設業許可を持つすべての事業者が、毎年、決算が終わるたびに許可行政庁へ提出する義務のある書類です(建設業法第11条第2項)。神奈川県知事許可なら提出先は神奈川県です。

期限は「事業年度終了後4ヶ月以内」。決算期ごとの期限はこうなります。

決算月 提出期限
3月決算 7月末
6月決算 10月末
9月決算 1月末
12月決算 4月末

3月決算の会社さんは、ちょうど今が準備の時期です。税理士さんの決算・申告が終わって決算書が手元に届いたら、そこからが本番です。

出し忘れの3つの結末

決算変更届を放置した場合の3つの結末(許可更新の停止・経審不可・罰則リスク)の図解
放置の3つの結末:①更新できない ②公共工事の門が閉じる ③罰則のリスク

結末①:許可の更新が止まる

建設業許可は5年ごとに更新が必要ですが、更新申請の前提として過去5年分の決算変更届がすべて提出済みであることが求められます。つまり3年分溜めていれば、更新の前にまず3年分の届出を作るところから始まります。更新期限が迫った状態でこれをやるのは、時間との勝負になりがちです。

結末②:経審が受けられない=公共工事の入口が閉じる

公共工事に参加するために必要な経審(経営事項審査)は、直近の決算変更届が提出されていることが前提です。「元請さんから経審を取ってほしいと言われた」「市の入札に入りたい」となったとき、未提出分があるとそこで止まります。

結末③:罰則・行政指導の対象になり得る

届出義務を怠った場合、建設業法には罰則の規定もあります。実際にいきなり処分されるケースはまれですが、未提出が累積している状態は許可行政庁への心証もよくありません。「出せば済むうちに出しておく」のが一番安上がりです。

「自分でやればタダ」——でも意外と重い3つの理由

決算変更届は、ご自身で作成・提出することもできます。ただ、実際にやってみた社長さんがよくつまずくのが次の3点です。

① 税理士さんの決算書は、そのままでは使えない

提出する財務諸表は、税務署に出した決算書そのままではなく、建設業法のルールに沿った「建設業財務諸表」に組み替える必要があります。勘定科目の振り分け方が独特で、ここが最初のつまずきポイントです。

② 添付書類が意外と多い

財務諸表のほかに、工事経歴書、直前3年の施工金額、事業報告書(株式会社の場合)、納税証明書などが必要です。工事経歴書は記載ルール(元請・下請の別、配置技術者など)が細かく、毎年ここで手が止まる方が多い書類です。

③ 科目の振り分けミスは経審の点数に響く

建設業財務諸表の組み替え方は、経審を受ける場合、そのまま評点(P点)の計算根拠になります。本来「完成工事高」に入るべきものが漏れていたり、兼業売上と混ざっていたりすると、点数が実力より低く出てしまうことがあります。つまりこの書類は「出せばいい書類」ではなく「会社の成績表の元データ」です。

出し忘れに気づいたら:今からの挽回方法

溜めてしまった場合でも、過去分をまとめて提出することで解消できます。ポイントは2つです。

  • 更新期限から逆算する:許可の有効期限が近い方は、更新申請の30日前までに全期分を整える必要があるため、早めの着手が安全です。
  • 古い年度から順に作る:工事経歴書や財務諸表は年度ごとのつながりがあるため、古い順に整理するとスムーズです。

なお、令和7年2月1日施行の建設業法施行令の改正で、特定建設業の許可が必要となる下請代金の下限(建築一式工事以外)が4,500万円から5,000万円に、主任技術者・監理技術者の専任が必要となる請負代金の下限(同)が4,000万円から4,500万円に引き上げられました(出典:国土交通省 報道発表)。決算変更届のタイミングは、ご自身の許可区分や技術者配置が今の工事規模に合っているかを見直すよい機会でもあります。

神奈川の建設業者様へ|決算書を送るだけで、あとはお任せいただけます

決算書を送るだけで建設業財務諸表への組み替えから提出まで代行する流れの図解
おまかせの流れ:1. 決算書を送る → 2. 当事務所が組み替え・作成 → 3. 提出完了

やさしい行政書士事務所(神奈川県秦野市)では、決算変更届の作成・提出を代行しています。

  • ご用意いただくのは決算書一式だけ。建設業財務諸表への組み替え、工事経歴書の作成、提出まで対応します。
  • 提出状況の確認は無料です。「何年分出ていないか分からない」という状態からで構いません。
  • 過去分のまとめ提出、許可更新・経審までの段取りもあわせてご案内できます。

秦野・平塚・厚木・伊勢原をはじめ神奈川県内の建設業者様を中心にサポートしています。
お電話(0463-57-8330)またはお問い合わせフォームからどうぞ。料金は料金表をご覧ください。

よくある質問

Q1. 何年分も出していません。今からまとめて出せますか?

A. 出せます。過去の年度分をさかのぼって順に提出する形になります。許可更新の期限が近い場合は時間の余裕が必要なので、お早めにご相談ください。

Q2. 税理士に決算をお願いしています。それでも別の書類が必要ですか?

A. はい。税理士さんが作る決算書(税務用)とは別に、建設業法の様式に組み替えた財務諸表と、工事経歴書などの添付書類が必要です。決算書をお預かりできれば、組み替えはこちらで行います。

Q3. 自分で作ることもできますか?

A. 可能です。神奈川県の手引きに沿って作成すれば、ご自身での提出もできます。ただし建設業財務諸表への組み替えと工事経歴書で手が止まる方が多く、「時間をかけたくない」という方は丸投げいただくのが早いと思います。

Q4. 費用はどのくらいですか?

A. 事務所の料金表をご覧ください。提出状況の確認・お見積りは無料です。

※本記事は掲載時点の法令・運用に基づいています。個別の事情によって取り扱いが異なる場合がありますので、具体的な手続きはご相談ください。

ABOUT ME
やさしい行政書士事務所のマスコット猫
宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも神奈川県の建設業者の許認可を得意としています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内の事業者をサポートしています。