建設業

優良産廃処理業者の認定制度、費用はいくら?神奈川県の手数料と実費

優良産廃処理業者認定制度の費用はいくらか、神奈川県の手数料と実費を解説

執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介

「優良産廃処理業者認定制度を取得すると、更新の許可が7年に延びるらしい。でも費用は結局いくらかかるの?」

神奈川県で産業廃棄物収集運搬業の許可をお持ちで、次の更新(5年ごと)が近づいている建設業の方なら、一度は気になるポイントではないでしょうか。当事務所でも、産業廃棄物収集運搬業の許可申請をお受けしています。

県のホームページを見ても、更新の手数料は書いてあります。でも、優良認定そのものの値段はどこにも見当たりません。「タダで7年に延びるなら受けない理由がない」と思う一方、「本当に無料のはずがない」という不安も残るはずです。

結論から言うと、優良認定の費用は県に払うお金だけでは測れません。費用を次の3層に分けて、神奈川県の公式資料に基づいて整理します。2026年8月時点の情報です。

  1. 第1層:神奈川県に納める手数料
  2. 第2層:5つの基準を満たすための実費(ここが本丸です。継続的にかかります)
  3. 第3層:行政書士に依頼する場合の報酬

金額は変わることがあるため、申請前に最新情報をご確認ください。

なお、本記事は神奈川県知事許可の産業廃棄物「収集運搬業」を前提にしています。 処分業(中間処理・最終処分業)の手数料や優良認定の取扱いは異なりますので、該当する方は別途ご確認ください。

優良認定ってそもそも何?一言でいうと

💡 補足
優良認定(優良基準適合認定)とは、国の基準を満たした産廃業者だと、県からお墨付きをもらう制度です。廃棄物処理法第14条第2項・第7項ほかに基づき、平成23年4月から神奈川県で運用されています。

優良認定を受けると、次の更新許可の有効期間が5年ではなく7年になります。これがこの制度の一番のメリットです。

いつ・誰が申請できるのか

優良認定には、申請できる条件があります。誰でも今すぐ申請できるわけではありません。

  • 許可を受けてから5年以上経っていること
  • 同じ区分の更新許可申請とあわせて行うこと(新規許可や変更許可のタイミングでは申請できません)
  • 更新期限の到来を待たずに申請することも可能です。ただし最初の許可から5年に満たない場合は申請できません

(出典:神奈川県「優良産廃処理業者認定制度の手引き」令和8年1月 p.2)

つまり、許可を取ってまだ日が浅い方は、現時点では対象外です。まずは通常の許可を維持し、5年経過後の更新のタイミングで検討することになります。

準備のスケジュールも確認しておきましょう。起算点(何を基準に数えるか)を間違えると、情報公開の期間が足りなくなるので注意してください。

いつ(起算点)やること
有効期限の9か月前ごろ(=更新“申請”の6か月以上前)事業の透明性(情報公開)の準備を開始(初めて申請する場合)
有効期限の3か月前更新許可申請の受付開始
申請時優良基準(5つ)を満たしているか確認し、必要書類を提出
優良認定の申請準備スケジュールを逆算で示すタイムライン図

(出典:神奈川県「更新・変更許可申請の手引き」/「優良産廃処理業者認定制度の手引き」令和8年1月)

⚠️ 注意:情報公開の基準は「更新期限」ではなく「更新“申請”」の6か月前です。 更新許可申請の受付は有効期限の3か月前から始まるため、受付開始と同時に申請したい場合は、有効期限の9か月前を目安に情報公開を始めておくと安全です。初めて優良認定を申請する場合、この起算点を勘違いすると「そろそろ更新だな」と思ってからでは間に合わない可能性が高くなります。なお、優良認定をあわせて申請する場合は事前に電話予約が必要です(窓口:資源循環推進課または所管の地域県政総合センター)。

費用は「3層」で考えるとスッキリわかる

優良認定の費用がわかりにくいのは、県の手数料・自分で用意する実費・専門家への報酬がごちゃまぜに語られるからです。3つに分けると、驚くほどシンプルになります。

内容金額の目安
第1層県に納める手数料更新許可73,000円(優良認定自体の別枠手数料は手引きに記載なし)
第2層5つの基準を満たす実費数万円〜十数万円程度(業種・規模で変動。更新のたびに継続発生)
第3層行政書士への報酬収集運搬許可119,800円(税抜)/優良認定は個別見積り
優良認定の費用を3層(県手数料・実費・行政書士報酬)に分けて整理した図解

次の章から、それぞれ詳しく見ていきます。

第1層:神奈川県に納める手数料

収集運搬業の許可手数料一覧

まず、神奈川県知事許可の産業廃棄物収集運搬業にかかる申請手数料そのものを確認します。

区分産業廃棄物特別管理産業廃棄物
新規許可81,000円未確認(注2)
更新許可73,000円74,000円
変更許可71,000円72,000円
産業廃棄物収集運搬業の新規・更新・変更許可の手数料一覧表

(注1)更新・変更の金額の出典:神奈川県「産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)収集運搬業 更新・変更許可申請の手引き」令和8年1月版 p.4。新規の金額の出典:神奈川県「新規許可申請の手引き」p.4。
(注2)特別管理産業廃棄物の新規許可手数料は、県公式PDFの数値部分が判読できず確認できませんでした。窓口でご確認ください。

一度納めた手数料は還付されません。

この金額は神奈川県知事許可の場合です。政令市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市)は各市にご確認ください。

優良認定そのものに県の手数料はある?

神奈川県「優良産廃処理業者認定制度の手引き」(令和8年1月版)を確認したところ、優良認定の申請そのものに対する追加の手数料は、手引き上に記載が見当たりませんでした。

優良認定は更新許可の申請と同時に行うものです。そのため、県に納める手数料は基本的に更新許可の手数料(73,000円)のみと考えられます。

⚠️ 要確認
ただし「手引きに記載がない」ことは確認できましたが、「絶対に無料」と断定できる一次資料までは確認できていません。念のため、申請前に資源循環推進課または所管の地域県政総合センターの窓口でご確認ください。

第2層:5つの基準を満たすための実費(ここが本丸です)

優良認定を受けるには、次の5つの基準をすべて満たす必要があります。

  • 遵法性……従前の許可の有効期間(優良認定業者は7年、それ以外は5年)に、特定不利益処分(改善命令・措置命令・事業停止命令等)を受けていないこと
  • 事業の透明性……会社情報や処理状況をインターネットで一定期間継続して公開していること
  • 環境配慮の取組……ISO14001やエコアクション21等の認証を取得していること
  • 電子マニフェスト……JWNET(電子マニフェストの全国システム)に加入していること
  • 財務体質の健全性……自己資本比率など、複数の財務基準を満たすこと
優良認定の5つの基準(遵法性・透明性・環境配慮・電子マニフェスト・財務体質)を示す図

(出典:神奈川県「優良産廃処理業者認定制度の手引き」令和8年1月 p.2-3)

ポイント
このうち、実際にお金がかかるのは主に②③④です。 ①遵法性と⑤財務体質の健全性は、お金を払って解決できるものではありません(後ほど説明します)。

環境配慮の取組=エコアクション21などの認証費用

エコアクション21とは、中小企業でも取り組みやすい環境マネジメントの認証制度です。ISO14001との費用の比較は、審査機関によって異なるためここでは触れません。ここでは従業員10人以下の建設業を想定して、費用を確認します。

項目金額(税別)備考
審査費用50,000円/人日標準は2人日程度
認証・登録料(2年分)50,000円従業員10人以下の場合
初回取得の合計目安約165,000円(税込概算)審査100,000円+登録50,000円+消費税
更新の合計目安(2年ごと)約165,000円(税込概算)ほぼ同額が2年ごとにかかり続ける

(出典:エコアクション21中央事務局公式サイト)審査の人数・日数は事業所の規模で変わります。

なお、建設業のお客様は解体工事に伴う廃棄物の扱いで建設リサイクル法の届出も関わってくることが多く、あわせて確認しておくと安心です。

建設リサイクル法 届出の書き方

電子マニフェスト=JWNETの年会費

電子マニフェストとは、産業廃棄物の流れをインターネット上で記録・管理する仕組みです。優良認定には、JWNETというシステムへの加入が必須です。

項目金額(税込)備考
基本料(年額)13,200円収集運搬業者は区分なしの固定額
使用料11〜22円/件料金区分により1件あたり11円または22円。自社がどの区分になるかはJWNETにご確認ください
加入料(初期費用)未確認(実質無料の可能性)公式ページに別建ての記載なし

(出典:JWNET公式「利用料金」ページ)

すでに加入済みなら、優良認定のために新たに支払う初期費用はありません(年会費13,200円は引き続き発生します)。未加入の場合は、年会費と使用料が新規コストになります。なお、JWNETは2027年4月1日に料金改定の予定があるとの情報があります(原文未確認・要確認)。

事業の透明性=情報公開のコストと証明書

事業の透明性は、会社情報や処理状況をインターネットで公開する基準です。多くの業者は「産廃情報ネット(さんぱいくん)」を使って公開します。

ポイント
情報の掲載・更新そのものは無料です。 これは公式Q&Aで確認できています(出典:産廃情報ネット公式Q&A Q2-1-10)。

ただし、神奈川県の申請では情報公開をしていることの証明書の添付が求められます。産廃情報ネットには「履歴証明サービス」(3万円)・「適合証明サービス」(3万円)という有料サービスがあります(出典:産廃情報ネット公式Q&A Q4-2-3)。申請にどちらが必要になるかはケースによって異なるため、証明書の発行に3万円前後の手数料がかかる場合があります(要確認)。「情報公開が無料だから追加費用ゼロ」とは言い切れません。窓口や産廃情報ネットに直接ご確認ください。

準備を始めるタイミングは前章のスケジュール表のとおりです。初めて申請する場合は更新“申請”の6か月前から情報公開を始める必要があります。

遵法性・財務体質の健全性=お金では買えない基準

①遵法性(特定不利益処分を受けていないこと)と⑤財務体質の健全性(自己資本比率などの基準)は、申請費用を払って解決できるものではありません。 日頃の法令遵守と決算内容そのものが問われます。

💡 補足
制度上、判断が分かれやすい論点でもあります。たとえば「軽微な行政指導を受けたことがあるが、これは①の特定不利益処分に当たるのか」という点です。改善命令・措置命令・事業停止命令などの正式な処分と、口頭・書面の行政指導とでは扱いが異なります。判断に迷う場合は、早めのご相談をおすすめします。

建設業の許可も5年ごとの更新が必要で、経審の点数や入札参加資格の等級も定期的な管理が要ります。「取って終わり」ではなく「維持し続ける」という点は、産廃の許可も建設業の許可も同じです。

入札参加資格の等級と経審

第3層:行政書士に依頼する場合の報酬

書類作成や県とのやり取りを行政書士に依頼する場合の費用です。当事務所(やさしい行政書士事務所)の産業廃棄物収集運搬許可の報酬は、119,800円(税抜)/131,780円(税込)です。

優良認定の申請は、通常の許可申請より確認・準備する項目が多くなります。事業者ごとに状況が大きく異なるため、現時点で料金表に固定の金額を設けていません。 優良認定の報酬については、個別のお見積りとなります。まずはご相談ください。

産業廃棄物収集運搬許可そのものの手続き(必要書類・期間・費用)は、こちらのページで詳しくご案内しています。

手数料は安くなる? 費用対効果の考え方

真っ先に気になるのは「結局、得なのか」だと思います。正直にお伝えします。手数料の節約だけで見ると、必ずしも得とは言い切れません。

有効期間が5年から7年に延びる分、更新の手数料と手間は減ります。35年間で単純に比べてみます。

  • 通常(5年ごと更新):7回更新 × 73,000円 = 511,000円
  • 優良認定を維持(7年ごと更新):5回更新 × 73,000円 = 365,000円
  • 手数料の差:146,000円

一方で、優良認定を維持するための実費(第2層)は、更新のたびに継続してかかります。

  • エコアクション21だけで2年ごとに約165,000円。35年間なら17回前後で、合計280万円台になります。
  • JWNETの年会費13,200円も、35年間で46万2,000円です。
  • 手数料の節約分(146,000円)は、これらの維持コストに届きません。

つまり「手数料が浮くから得」という単純な計算は、成り立たないのが正直なところです。

では何のために検討する価値があるのでしょうか。判断のポイントは、お金の計算ではなく次の3つだと考えます。

  1. もともとJWNETやISO14001・エコアクション21に取り組んでいる(または取り組む予定がある)場合……優良認定のための「追加コスト」はぐっと小さくなります。すでに電子マニフェストを使っている事業者、元請けの要請でISO14001を取得済みの事業者は、この基準を実質クリアしています。
  2. 更新の事務負担が減ること……7年に一度で済むため、書類収集・準備の手間そのものが減ります。
  3. お金に換算しにくい信用・優遇……許可証を使ったPR、自治体の判断による添付書類の一部省略、財政投融資における優遇、環境配慮契約法に基づく国等の契約での有利な取扱いです(出典:環境省)。

「今すでにJWNETやISO14001・エコアクション21に取り組んでいるかどうか」で、優良認定の実質コストは大きく変わります。ご自身の状況でどうなるかは、無料相談で整理することをおすすめします。

費用の全体像(まとめ表)

項目金額の目安備考
更新許可手数料(県)73,000円一度納付すると還付なし
優良認定自体の県手数料手引きに記載なし(要確認)窓口での確認を推奨
エコアクション21(初回・更新とも)約165,000円(税込概算)従業員10人以下・建設業想定、2年ごとに継続発生
JWNET年会費(収集運搬業者)13,200円/年(税込)+使用料11〜22円/件(料金区分による)、2027年4月改定予定の情報あり(要確認)
産廃情報ネットの情報公開0円証明書発行(履歴証明・適合証明とも3万円)は要確認
行政書士報酬(収集運搬許可)119,800円(税抜)/131,780円(税込)優良認定は個別見積り

※ 政令市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市)は手数料が異なる場合があります。各市にご確認ください。
※ 新規許可手数料の出典は「新規許可申請の手引き」、更新・変更は「更新・変更許可申請の手引き」(いずれも神奈川県 令和8年1月版)です。
※ 本記事は神奈川県知事許可の産業廃棄物「収集運搬業」を対象とした金額です。処分業(中間処理・最終処分業)は対象外です。

解体工事も請け負っている方へ

建設業のお客様は、産業廃棄物のほかに解体工事に関する手続きが必要になるケースが多くあります。あわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 優良認定を取ると、更新の手数料は安くなりますか?

優良認定業者向けに別の手数料額を定めた記載は、神奈川県の「優良産廃処理業者認定制度の手引き」には見当たりません。手数料そのものが安くなるというより、更新の間隔が5年から7年に延びることで、更新そのものの回数が減る、という理解が正確です。金額の取扱いは念のため窓口でご確認ください。

Q. 環境配慮の取組は、エコアクション21でないとダメですか?ISO14001でもいいですか?

エコアクション21に限りません。神奈川県の手引きでは、ISO14001・エコアクション21等の認証取得で基準を満たせるとされています(出典:神奈川県「優良産廃処理業者認定制度の手引き」令和8年1月)。

Q. 許可を取ってまだ2〜3年ですが、申請できますか?

申請できません。優良認定は、許可を受けてから5年以上経っていることが条件です(出典:同手引き p.2)。まずは通常の更新を重ね、5年経過後の更新のタイミングであらためてご検討ください。

まとめ:まずは無料相談で確認を

優良産廃処理業者認定制度の費用は、県の手数料だけでは語れません。

  • 第1層:県の手数料(更新許可73,000円、優良認定自体の別枠手数料は記載なし)
  • 第2層:5つの基準を満たす実費(エコアクション21・JWNETなどで数万〜十数万円、更新のたびに継続発生)
  • 第3層:行政書士報酬(収集運搬許可119,800円税抜、優良認定は個別見積り)

そして、申請できるのは許可から5年以上経ってからで、情報公開の準備は更新“申請”の6か月前からという時間軸も忘れてはいけません。「そろそろ更新だな」と思ったタイミングでは、間に合わない可能性があります。

「うちは優良認定を取れる状態なのか」「実際いくらかかりそうか」は、事業者ごとの状況で大きく変わります。まずは無料相談で、現状を整理するところから始めませんか。「取れる状態かどうかの確認だけ」でも構いません。 秦野市を中心に、神奈川県内の建設業のお客様からのご相談を承っています。

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本記事は2026年8月時点の情報です。最新の要件は管轄の行政庁にご確認ください。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。