建設業

経審 公表サイトで他社のP点を調べる方法|CIICの検索4ステップと、入札・営業に活かす5つの使い方

ライバルのP点、見えてます|経審 公表サイトの調べ方と活かし方

「あの会社の経審(=経営事項審査)の点数はどれくらいだろう?」
「入札でライバルになる会社の強みを知りたい」

公共工事の入札に参加するうえで、他社の状況は気になるものです。
経審 公表サイト(CIICの「経営事項審査結果の公表」)を使えば、誰でも他社の点数(P点など)を調べることができます。

この記事では、経審の公表サイトを使った調べ方の4ステップと、結果の読み方をお伝えします。
さらに、調べた数字を入札や営業に活かす5つの使い方と、やってはいけない注意点もやさしく解説します。

この記事を書いた人:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介
神奈川県(秦野市を拠点に)で、建設業許可・決算変更届・経営事項審査(経審)を中心に、建設業者さまの手続きをお手伝いしています。(執筆・監修者について)

目次

経審の公表とは?

経審を受けた会社の結果は、誰でもインターネットで見られるようになっています。
まずは、誰がどのような目的で公表しているのかを整理しましょう。

誰が・なぜ公表しているのか

結果の公表は、国土交通省および都道府県の委託を受けて「一般財団法人 建設業情報管理センター(CIIC)」が行っています。
CIICのホームページでの公表は平成10年12月から続いていて、データは毎日更新されています。

公表の目的は、入札に参加する会社を選ぶ手続きの透明性を高めて、公正さを確保するためです。
また、会社の情報を公開してお互いにチェックできる状態にすることで、うその申請を防ぐねらいもあります。

公表されるのはどの結果か

公表されるのは、経審の結果通知を受けた会社の結果です。結果通知書と同じように、総合評定値(P点)や完成工事高などの審査項目ごとの数値・評点が載ります。P点(総合評定値)は、経営規模等評価の申請をした会社のうち、総合評定値を請求した会社に通知されるものです(建設業法第27条の29第1項)。
建設業許可を持っているだけでは公表されません。なお、経営状況分析をCIIC以外の分析機関で受けた会社も公表の対象です。

📋 公表の対象になる条件

  • 有効期間内(審査基準日から1年7ヶ月)であること
  • 有効期間内に2回受けている場合は、直近の結果
  • 行政庁の最終審査のための一定期間(約1ヶ月)が過ぎていること

そのため、公表サイトで会社が出てこなくても、「経審を受けていない」とは限りません。受審中や公表保留期間中のこともあれば、有効期間が過ぎていることもあります。
※最新の要件は管轄の行政庁にご確認ください。

他社の経審結果を調べる4ステップ

経審の公表結果を調べる4ステップ(許可番号か商号を用意→CIICの公表サイト→検索→詳細でPDF)

他社の点数を調べる方法は、とてもシンプルです。
次の4つのステップで進めてみましょう。

ステップ1:許可番号か商号を用意する

検索に必要な情報は、「建設業の許可番号」または「商号(会社名)」です。
どちらか一方が分かれば調べられます。許可番号が分かれば、似た名前の会社と取り違えずに探せます。

ステップ2:CIIC「経営事項審査結果の公表」を開く

建設業情報管理センター(CIIC)の「経営事項審査結果の公表」のページを開きます。
ここから「許可番号検索」か「商号名称検索」の画面へ進みます。
※CIICは、このサービスが Microsoft Edge で正しく動作することを確認しているとしています。ほかのブラウザでは、印刷できないことや画面が表示されないことがあります。

ステップ3:許可番号検索か商号名称検索で探す

検索方法は「許可番号検索」と「商号名称検索」の2つだけです。
点数の高い順などのランキング形式で一覧表示することはできません。

💡 検索のコツ

  • 許可番号検索:大臣知事コード(半角2桁)と許可番号(半角6桁)を入力します(例:国土交通大臣=00、神奈川県知事=14)。最大10件まで同時に検索できます。
  • 商号名称検索:全角のカナか漢字で商号を入れ、大臣知事区分を選びます(分からなければ「全て」を選べます)。カナ検索では「カブ」や「ユウ」は入れません。漢字検索で(株)などを入れるときは、カッコも全角にします。(株)が商号の前に付くか後ろに付くかも区別されます。

ステップ4:「詳細」で通知書(PDF)を開く

検索結果に会社が表示されたら、「詳細」ボタンを押します。
画像認証(画面に出る文字を入力する確認)が出た場合は、指示に従って入力してください。

詳細はPDF形式で表示され、P点や審査項目ごとの数値・評点を見ることができます(CIICの案内では、表示には Adobe Reader が必要とされています)。
PDFとして保存したり、印刷したりすることもできます。

公表結果の読み方|P点と5つの点

公表されたPDFを開くと、たくさんの数字が並んでいます。
どこを見ればよいのか、基本的な読み方を知っておきましょう。

P点は5つの点を決まった割合で足したもの

経審には、会社全体をひとつの点数で評価する項目はありません。業種ごとの最終的な評価が、総合評定値(P点)です。
P点は、次の5つの点を決まった割合で足し合わせて計算します。式にすると「P = 0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W」です。

項目内容かける割合
X1完成工事高(許可業種別)0.25
X2自己資本額・利払前税引前償却前利益0.15
Y経営状況(負債抵抗力/収益性・効率性/財務健全性/絶対的力量)0.20
Z元請完成工事高・技術職員数(業種別)0.25
W社会性等(担い手の育成・営業の継続・防災・法令遵守・経理・研究開発・建設機械の保有・規格の認証など)0.15
P点=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×Wの内訳

それぞれの点の求め方は「経審の点数の計算方法(全体像)」で解説しています。

通知書で見ておきたい場所

まず見るのは、調べたい業種の「P点」です。
P点の平均は700点前後になるように制度が設計されています(CIIC自身は平均点を出していません)。
なお、令和8年7月1日以降の申請では、P点の最高は2,159点、最低は163点です。

X1とZは、審査を受ける業種ごとに数字が違います。そのため、P点も業種ごとに違います。
他社と比べるときは、同じ業種どうしの数字を並べてください。

数字は「決算日までの過去の姿」

公表されている数字は、あくまで「審査基準日(原則として申請日の直前の決算日。合併などの場合は例外があります)」時点で審査したものです。完成工事高や元請完成工事高は2年か3年の平均、利益額は2期の平均を使うなど、審査基準日までの数年分の数字から出す項目もあります。結果通知書を受け取ってから約1ヶ月の公表保留期間などがあるため、公表されるのは、決算日の半年後くらいからが目安です(申請の時期などで変わります)。

そのため、今現在の会社の状況と完全に一致しているとは限りません。
「少し前の成績表」として見るのが正しい読み方です。

入札・営業に活かす5つの使い方

他社の点数を調べたら、そのまま終わらせず事業に役立てましょう。
ここでは、入札や営業に活かす具体的な使い方を5つ紹介します。

使い方1:同じ業種・同じ規模の会社と並べて自社の位置を知る

ライバルになる会社をいくつか検索し、自社のP点と比べてみましょう。
同じ地域で、同じような工事をしている会社の点数を知ることで、自社の立ち位置が客観的にわかります。

使い方2:差が出ている「点」を分ける

P点の差がどこから来ているのか、X・Y・Z・Wの項目ごとに分解して比べてみます。
例えば、次の表を見てみましょう(会社も数字も、説明のための架空のものです)。

会社名(架空)X1X2YZWP点
A社800600700800400690
B社800600700800600720

この2社は、X1・X2・Y・Zの点数は同じで、W(社会性等)だけに200点の差があります。
Wにかける割合は0.15なので、「200点 × 0.15 = 30点」となり、これがそのままP点の差(720-690=30点)になっています。
このように5つの点に分けてみると、差がどこから来ているのかが見えてきます。

点ごとの上げ方は「経審の点数の上げ方|P点が低い原因と加点策」で、Wの改正点は「経審W点改正の変更点と影響」で解説しています。
「うちの通知書も5つの点に分けて、どこに差があるのか知りたい」という方は、お気軽に当所へご相談ください(連絡先はこの記事の最後にあります)。

使い方3:「新旧区分」をそろえて比べる

新旧区分がそろった通知書どうしで比べる

経審のルールは、時代に合わせて何度も改正されています。
検索結果には「新旧区分」が表示され、審査基準の改正前の基準か、改正後の基準かを判断できます。

他社と自社を正しく比べるなら、この「新旧区分」が同じもの同士を見比べるのがポイントです。
基準が違う結果どうしを比べても、実力の差なのか制度の違いなのかが分かりにくくなってしまいます。

最近では、令和8年7月1日以降の申請(受付)からWの審査項目が見直されました(「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の新設、CCUSの就業履歴の措置の配点の見直し、加点対象の建設機械の拡大など)。
くわしくは「職人いきいき宣言(自主宣言)と経審の加点」「経審のCCUS加点とは」をご覧ください。

使い方4:入札の等級と照らして目標のP点を決める

経審の結果通知書をもらうだけでは、入札には参加できません。入札に参加したい役所や団体へ「入札参加登録」(入札参加資格審査申請)をする必要があります。
入札参加登録の審査は、大きく分けて、経審の点数をそのまま使うことがほとんどの「客観的審査」と、役所や団体が独自に決める「主観的審査」の2つです。

等級は、経審のP点(客観点)に発注者ごとの主観点を加えた総合点数などで決まります。
何点で何等級かは発注者・年度で違います。例えば神奈川県は、令和9・10年度の資格認定から等級別の基準点数を見直しています。狙いたい発注者の等級の基準を確かめたうえで、公表サイトで調べた他社のP点も参考にしながら、次の経審での目標のP点を決めましょう。
等級と経審の点数の関係は「入札参加資格の等級(ランク)とは?経審点数との関係」で解説しています。

使い方5:元請・協力会社の規模感を確かめる

これから初めて取引をする相手(元請や協力会社)の規模感を確かめるのにも使えます。
完成工事高(X1)や、技術職員数・元請完成工事高(Z)を見ると、どれくらいの規模で工事をしている会社なのか、ある程度の目安になります。

使うときの注意点4つ

便利な公表サイトですが、使うときには気をつけるべきルールがあります。
トラブルにならないよう、次の4つの注意点を守りましょう。

注意1:配り方に気をつける(二次配布・商用利用はしない)

CIICの公表サイトの注意事項には、「ご遠慮ください」とされている行為が書かれています。
調べた結果を商用利用したり、不特定または多数に配ったり(二次配布)するのはやめましょう。他社の点数を集めて一覧にし、配ったり売ったりする使い方もしないでください。
この記事で紹介した使い方は、自社の判断の参考にするためのものです。どこからが「商用利用」にあたるかは注意事項に具体的な説明がないため、迷う使い方はCIICに確認しましょう。

⚠️ ご遠慮くださいとされている行為

  • 商用利用、出版、不特定または多数に対する二次配布
  • 加工・変更して商用利用、出版、不特定または多数に配布する行為

注意2:数字だけで相手を決めつけない

P点が高いからといって、すべての仕事がうまくいく完璧な会社とは限りません。
逆に点数が少し低くても、特定の工事に特化した技術を持っている会社もあります。

経審の数字は、あくまで審査基準日での一面を評価したものです。
数字だけで相手の実力を決めつけず、参考の一つとして扱いましょう。

注意3:自社の結果も見られている

他社の点数を調べられるということは、自社の点数もライバルや発注者から見られているということです。
点数が大きく下がれば、取引先や発注者がそれに気づくこともあります。

日頃から点数を維持・向上させるための準備をしておくことが大切です。
毎年の決算変更届から経審までの流れは「経審のやり方を最初から全部|決算変更届から入札参加まで」で解説しています。

注意4:公表の数字に誤りを見つけたら審査行政庁へ

公表されている内容は、各審査行政庁が入力したデータをそのまま表示しています。審査行政庁とは、建設業許可を受けている行政庁のことです(知事許可なら都道府県庁、大臣許可なら国土交通省の地方整備局など)。
自社の結果に誤りや疑問点を見つけたときは、CIICではなく、結果通知書を発行した審査行政庁へ問い合わせましょう。

よくある質問(FAQ)

調べたい会社が出てきません。なぜですか?

入力が適切でない、経審を受けていない、受審中、公表保留期間中、有効期間(審査基準日から1年7ヶ月)が過ぎている、などの理由が考えられます。商号名称検索なら、カッコの全角や(株)の位置も確かめてください。自社の結果が出てこないときの確かめ方は「経審 出てこない|3つの原因と確認手順」で整理しています。

経審を受けてから、いつ公表されますか?

結果通知書を受け取ってから約1ヶ月は、審査行政庁が最終確認をするための公表保留期間です。それが過ぎると公表されます。決算日から見ると、半年後くらいからが目安です(申請の時期などで変わります)。

点数の高い順の一覧(ランキング)は見られますか?

CIICの公表サイトでは見られません。検索は「許可番号検索」と「商号名称検索」だけで、調べたい会社を指定して探す仕組みです(許可番号検索は最大10件まで同時に検索できます)。なお、ほかのサイトに載っている売上高や評点のランキングなどに、CIICはデータを提供していないとしています。

自社の点数が低いと分かりました。どうすればいいですか?

まず、X1・X2・Y・Z・Wのどの点で差がついているのかを確かめましょう。W(社会性等)のように、社内の制度や取り組みで動かせる点もあります。改正後に何から手を付けるかは「経審改正の対策チェックリスト|中小企業は何から?」にまとめています。通知書を見ながら一緒に整理したい方は、当所へご相談ください。

まとめ

経審の結果は、CIICのサイトで誰でも調べることができます。
他社の点数を分解して自社と比べることで、次に向けてどこを改善すべきかがはっきりと見えてきます。
大きな工事を受けられるようになるためにも、公表されているデータを上手に活用してみましょう。

経審の全体像は「神奈川県の経審(経営事項審査)完全ガイド」、はじめて受ける方は「経審を初めて受ける流れ」もあわせてご覧ください。

※本記事は法令解説を目的としており、個別の事案への適用を保証するものではありません。具体的な手続きや最新の要件については、管轄の行政庁にご確認いただくか、専門家にご相談ください。

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経審の通知書は数字が多く、どこを直せばP点が動くのかは、5つの点に分けてみないと分かりません。同業の会社と比べたときに、自社に足りない点がどこかも人によって違います。

お手元の結果通知書(公表のPDFでもかまいません)をお見せいただければ、X1・X2・Y・Z・Wのどこに差があり、次の決算までに何から手を打つかを一緒に整理し、決算変更届から経審の申請までお手伝いします。

ご相談は無料です。まずは「経審の公表結果のことで」とだけお伝えください。😊

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。