「監理技術者資格者証」で検索して、この記事にたどり着いた方は、おそらく次のどれかで困っているはずです。
初めて資格者証を取りたいけれど、書類の準備で手が止まっている。更新の時期が近づいているのに、いつまでに何をすればいいのか分からない。転職や引っ越しで、届出が必要な気がするけれど確信が持てない。あるいは、資格者証をなくしてしまって青ざめている。
この記事は、そのどの悩みにも答えられるように作りました。
結論から先に言うと、監理技術者資格者証とは、現場に立つ監理技術者が「間違いなくその資格を持っている」ことを国が証明するカードです。交付するのは、国土交通大臣から指定を受けた一般財団法人 建設業技術者センター(以下「センター」)。有効期間は5年、手数料は7,600円(非課税)です。
法律上、資格者証が必須なのは「専任」で置かれる監理技術者(条件を満たせば2現場まで兼任できる「専任特例」を含む)などの場合です(詳しくは後述)。そして一番注意してほしいのが、有効期限を1日でも過ぎると「更新」はできず、「新規申請」からやり直しになるということ。
この記事では、初めて取るときの新規申請(2区分)と、交付後に必要になる7つの手続き(センターの区分どおり)を、早見表でまとめました。読み終える頃には、あなたが今どの手続きをすればいいか判断できるはずです。
この記事の執筆・監修:やさしい行政書士事務所(代表行政書士 宮本 雄介/登録番号 第12082434号/神奈川県秦野市)。建設業法・同施行規則の条文と、指定資格者証交付機関である一般財団法人 建設業技術者センターの公式案内にもとづいて構成しています(2026年9月時点の法令によります)。
この記事でわかること
- 資格者証とは何か・法律上必要になる場面
- 資格者証と監理技術者講習の違い(2つの期限)
- はじめて資格者証を取るときの申請方法(2つの区分)
- 交付後の7つの手続きの早見表
- 更新はいつから、いつまでにすればいいか
- 転職・引っ越し・氏名変更のときの届出
- なくした・壊れたときの再発行・再交付
- 建設業許可の申請や経審での資格者証の使い道
目次
監理技術者資格者証とは?誰に・なぜ必要なのか
監理技術者資格者証は、国土交通大臣が、監理技術者資格を持つ人の申請によって交付する証明書です。申請しなければ交付されません。
実際の交付・更新の窓口は、国土交通大臣から指定を受けた「指定資格者証交付機関」である一般財団法人 建設業技術者センターです(建設業法27条の19第1項)。問い合わせ先は、本部:03-3514-4711、神奈川県支部:045-641-4766です。
資格者証には、本人の顔写真とともに、次の事項が記載されます。
- 氏名・生年月日・住所
- 最初の交付年月日
- 今持っている資格者証の交付年月日
- 保有する監理技術者資格
- 建設業の種類
- 交付番号
- 有効期間の満了日
- 勤務先の建設業者名・許可番号(所属がある場合)
- 講習を修了した場合はその旨
2つ以上の監理技術者資格を持つ人には、まとめて1枚が交付されます。
法律上、資格者証が必須になる場面
資格者証の交付を受けていることが、建設業法で明確に必要とされているのは次の2つの場面です。
- 「専任」で置かれる監理技術者(専任特例を含む)は、資格者証の交付を受けていて、かつ登録講習を受講した人の中から選ばなければなりません(建設業法26条5項)。専任=勤務中はその現場の仕事だけを担当し、他の現場を掛け持ちしないことです(常にその場にいる「常駐」までは必ずしも求められません。専任特例の条件を満たせば2現場まで兼任できます)。
- 特定建設業の許可を受けた会社の営業所には、常勤して契約や工事の技術面を管理する特定営業所技術者が置かれます(一般建設業の営業所に置くのは「営業所技術者」です)。この特定営業所技術者が監理技術者の職務を兼ねる場合(建設業法26条の5の特例)も、資格者証と講習の両方が必要です。
いずれの場合も、その技術者は、発注者から請求があったときは資格者証を提示しなければなりません(同26条6項・26条の5第4項)。ここでいう「その技術者」とは、専任の監理技術者、または監理技術者を兼ねる特定営業所技術者のことです。専任の監理技術者は、職務についている間、資格者証を常時携帯しておく必要があります(国土交通省『監理技術者制度運用マニュアル』による)。
専任が必要になるのは、国や自治体が発注する工事、鉄道・道路・橋・ダム・上下水道・電力(発電所・変電所など)・ガスなどのインフラ・エネルギー施設の工事、学校・病院・事務所・共同住宅・工場・倉庫など多くの人が利用する施設の工事です(個人の戸建て住宅は対象外)。請負代金が1件4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)のものが対象です(建設業法施行令27条1項)。この判定基準の詳しい内容は、別記事「監理技術者の専任はどこから?2現場を兼任できる2つのルート」にまとめました。専任の監理技術者に監理技術者補佐をつけて2現場まで兼任できる特例も、同じ記事で解説しています。専任特例で置く監理技術者補佐については「監理技術者補佐になれるのは誰?」もあわせてご覧ください。
💡 紛らわしい数字の整理 – 専任が要るか=1件4,500万円(建築一式9,000万円)以上 – 監理技術者を置くか=元請として(発注者から直接請け負って)下請に出す総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上
この2つは別の制度・別の金額です。主任技術者(工事を請け負った建設業者が、金額を問わず原則すべての現場に置く技術者)との違いは「主任技術者とは?」をご覧ください。下請金額の基準の改正経緯は「建設業法改正|下請5,000万円で特定許可・専任4,500万円に」で整理しています。
資格者証を取れる人(監理技術者資格)
監理技術者資格は、次の3つのどれかに当てはまる人が持てます。
- (1) 1級の国家資格等(1級施工管理技士、技術士〔建設部門等〕など)
- (2) 主任技術者の要件を満たし、元請として2年以上の「指導監督的実務経験」(=元請の工事で、工事現場主任者や工事現場監督者のような立場で、工事の技術面を総合的に指導・監督した経験)がある人(実務経験ルート)
- (3) 国土交通大臣の個別認定を受けた人
ただし、土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の指定建設業7業種は、(1)の国家資格者か、(1)と同等以上の能力があると国土交通大臣が認定した人(大臣特別認定者)に限られます。(2)の実務経験ルートでは、この7業種の監理技術者にはなれません。他の22業種では実務経験ルートも使えます。
資格者証と監理技術者講習は別物です【2つの期限を比較】
ここが一番誤解されやすいポイントです。資格者証と監理技術者講習は、別々の制度で、別々の期限を持っています。
- 平成16年3月1日以降、講習の受講は資格者証を交付してもらうための条件ではなくなりました。つまり、講習を受けていなくても資格者証そのものは取得できます。
- ただし、現場で「専任」の監理技術者になるには、資格者証と講習修了の両方が有効な状態である必要があります。
- センター自身は講習を実施していません。講習は国土交通大臣の登録を受けた講習実施機関(国交省の一覧で確認できます)が行います。
- 講習を受けただけでは資格者証は届きません。別途、交付の申請が必要です。講習会場でもらえるのは「修了履歴ラベル」であって、資格者証そのものではありません。
- 専任の監理技術者として置かれている間は、講習を受けた年の翌年1月1日から数えて5年を経過していないことが必要です(建設業法施行規則17条の21)。つまり、講習の有効期限は修了した年の5年後の12月31日です。講習は修了した日から有効です。例:2026年6月に修了した場合は、2031年12月31日まで有効です。
- 講習修了は、資格者証(まだ持っていない人はラベル)に記載されます。ラベルは資格者証の裏面に貼る運用です。
- 氏名が変わったときは、センターへの手続きとは別に、講習を受けた実施機関にも氏名変更を申し出る必要があります(センターと講習機関の間で情報は連携していません)。

| 監理技術者資格者証 | 監理技術者講習 | |
|---|---|---|
| 発行・実施する機関 | 一般財団法人 建設業技術者センター | 国土交通大臣の登録講習実施機関 |
| 有効期間の数え方 | 交付日から5年(更新なら今の有効期限から5年) | 修了日から、修了した年の5年後の12月31日まで(専任の監理技術者の場合) |
| 更新・再受講 | 満了日の30日前までに更新申請(後述) | 有効期限内に、あらためて講習を受け直す(専任の監理技術者の場合) |
| 法律上必須な場面 | 専任の監理技術者・監理技術者を兼ねる特定営業所技術者 | 専任の監理技術者・監理技術者を兼ねる特定営業所技術者 |
| 主な根拠 | 交付を受けていることが必要な人=建設業法26条5項・26条の5第3項/交付・有効期間5年・更新=同27条の18 | 受講が必要な人=建設業法26条5項・26条の5第3項/5年の期間=建設業法施行規則17条の21(専任の監理技術者) |
専任の監理技術者は、資格者証と講習修了履歴のどちらも有効にしておく必要があります。どちらの手続きを先に済ませても構いません。
申請時に、講習を受けてから2か月を経過していない人は、修了履歴ラベル等をあわせて提出します(2か月を経過していれば、この添付は不要です)。
はじめて取る人へ:新規申請の2区分と必要書類・日数・手数料
新規申請の対象になるのは、初めて資格者証を取る場合、または有効期限が切れて再度取る場合です。新規申請には2つの区分があります。
| 新規申請(一級国家資格等) | 新規申請(実務経験) | |
|---|---|---|
| 対象になる人 | 1級の施工管理技士・技術士等の国家資格を持つ人 | 主任技術者の要件+元請として2年以上の指導監督的実務経験がある人 |
| 交付までの目安 | インターネット10日程度/書面20日程度 | インターネット・書面とも30日程度(支部受付後に本部で最終審査) |
| 注意点 | 指定建設業7業種もこちらの区分で申請可能 | 指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)では使えない。本部の最終審査の結果、交付に至らない場合もあります |
※交付までの日数はあくまで目安です。第二次検定の合格発表と有効期限の更新が重なる2〜5月は繁忙期にあたり、遅れることがあります。
指導監督的実務経験として認められる金額は、元請として請負代金4,500万円以上の工事です。なお、昭和59年10月1日より前の工事は1,500万円以上、平成6年12月28日より前の工事は3,000万円以上の基準が適用されます。
共通の必要書類
- カラー写真(申請前6か月以内に撮影した、無帽・正面・上三分身〔=胸から上〕・無背景の縦3.0cm×横2.4cm。裏面に氏名と撮影年月日を記入)
- 本人を確認できる書類
- 雇用証明(確認)書(建設業者に所属している人。センター所定の様式)
- 所属建設業者の許可通知(証明)書(同上。許可の更新中や社名変更後は追加書類が必要な場合があります)
- 講習修了履歴ラベル等(講習を受けてから2か月以内の人のみ)
- 登録解体工事講習修了証(平成27年度以前の1級土木・建築施工管理技士、または技術士〔建設部門等〕の資格で解体工事を希望する人のみ)
- 実務経験関係書類(実務経験ルートで申請する人のみ)
申請方法と手数料
申請方法は2通りです。インターネット申込みは、画像データを送信し、手数料をクレジットカード等で支払います。書面申請は、最寄りの支部・事務所へ郵送〔簡易書留〕または持参します。インターネット申込みは、書類を電子ファイルで用意できない人は利用できません。
手数料は7,600円(非課税)。書面申請の場合は専用の振込用紙でゆうちょ銀行等の窓口から払い込みます(支部窓口での現金払い・ATMは不可)。会社が手数料を負担しても構いませんが、払込票には申請者本人の氏名も必ず記入してください。
ワンポイント
- 国内に住民登録がないと申請できません(住基ネット〔住民票の情報を照会する仕組み〕で本人を確認するため)。海外赴任中に有効期限が切れた場合は、帰国後に新規申請することになります。
- 1級の第二次検定に合格した人は、合格証明書が届く前でも、合格発表日からおよそ半年間は「合格通知書(受験番号)」で交付申請できます。
交付後に起こる7つの手続き早見表
資格者証は「取ったら終わり」ではありません。交付を受けたあとの手続きは、センターの区分で次の7種類です。まず自分がどれに当てはまるか、この表で確認してください。

| こんなとき | 手続き名 | 手数料 | 新しい有効期限 | 期限の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 有効期限が近づいてきた(そのまま更新したい) | 更新申請 | 7,600円 | 今の有効期限から5年後 | 満了日の30日前まで(規則上)/センター受付は6か月前から |
| 1級の国家資格等を新たに取り、資格者証に加えたい | 追加申請(一級国家資格等) | 7,600円 | 交付日から5年 | 随時 |
| 実務経験による別の監理技術者資格を加えたい | 追加申請(実務経験) | 7,600円 | 交付日から5年 | 随時 |
| 転職・社名変更・引っ越し等で記載事項が変わった(今のカードのままでよい) | 変更届出 | 無料※ | 変わらない(元の期限のまま) | 変更から30日以内 |
| 転職・社名変更・引っ越し等で記載事項が変わった(新しいカードが欲しい) | 書換申請 | 7,600円 | 交付日から5年 | 変更から30日以内 |
| なくした・壊れた(有効期限を交付日から5年にしたい) | 再発行申請 | 7,600円 | 交付日から5年 | 随時 |
| なくした・壊れた(今の有効期限のままでよい) | 再交付申請 | 7,600円 | なくす前の資格者証の有効期限を引き継ぐ | 随時 |
※ 変更届出の「無料」は、支部窓口で届け出た場合は資格者証の裏面に記載され、送料もかかりません。インターネット・郵送で届け出た場合は、変更シールを送る送料460円が必要です。
⚠️ 有効期限を1日でも過ぎると、「更新」ではなく「新規申請」になります(手数料7,600円・有効期限は交付日から5年)。専任の監理技術者は、有効な資格者証がないと現場に置けません。早めの行動が一番の対策です。
💡 更新時期(有効期限6か月以内)にちょうど資格を追加したいときは、「更新」ではなく「追加」で申請すれば、それだけで有効期限が交付日から5年に切り替わります。更新申請を別に出す必要はありません。
💡 追加・更新・再発行の申請をするときに、あわせて住所や所属先も変わっていれば、変更後の内容で申請すれば足ります。別途の変更届出は不要です(追加・更新・再発行申請は、変更届出を兼ねます)。
くわしい手続きは、次の見出しから状況別に解説します。
更新はいつから、いつまで?期限切れは「新規申請」に

規則上、更新の申請は有効期間の満了日の30日前までに、新たな資格者証の交付を申請して行うものとされています(建設業法施行規則17条の40第1項)。
センター自体は有効期限の6か月前から更新の受付を始めています。更新の案内は、有効期限の5〜6か月前の下旬に、資格者証に記載された住所へ郵送されます。住所の変更届出をしていないと、案内が届かないことがあります。
早く更新しても損はしません。 更新後の有効期限は「今の有効期限から5年後」です。早めに動いて減る分はありません。
注意したいのは、規則上の期限(満了日の30日前まで)とは別に、センターのインターネット手続きには独自の制限があることです。インターネットでの更新は、有効期限の直前5日以内になると利用できなくなります(年末年始など連休前後はこの期間が長くなることもあります)。ぎりぎりの郵送も、事故や遅延のリスクがあるため避けたほうが安全です。期限が迫って困ったときは、最寄りの支部・事務所の窓口へ直接持参して相談してください(新規申請としての受付になる場合があります)。
具体例で確認:2つの期限をカレンダーに置くと
たとえば、資格者証の有効期限満了日が2027年6月30日の技術者Aさんで考えてみます。
- 2026年12月末ごろ:センターの更新受付が始まる(満了日の6か月前から)
- 2027年5月末ごろまで:規則上の更新申請の期限(満了日の30日前まで。建設業法施行規則17条の40第1項)。日数の数え方で前後しないよう、余裕をもって申請しましょう
- 2027年6月25日ごろ以降:インターネットでの更新ができなくなる(有効期限の直前5日以内)
- 2027年6月30日:資格者証の有効期限満了日
もしAさんが2023年6月15日に監理技術者講習を修了していたとすると、講習の有効期限は2028年12月31日です。2023年の5年後の12月31日にあたります(専任の監理技術者の場合。建設業法施行規則17条の21)。資格者証の期限(2027年6月30日)とは別の日付なので、2つとも別々にカレンダーで管理しましょう。
有効期限を過ぎてしまったら、更新ではなく新規申請になります。 手続きの流れ自体は更新とほぼ同じです。
更新の必要書類は、カラー写真・雇用証明(確認)書・所属建設業者の許可通知(証明)書(所属している人)です。講習修了の証明は、更新の要件ではありません。 講習を受けてから2か月以内の人だけ、修了履歴ラベル等を追加で提出しますが、それ以外の人は講習修了の書類を出す必要はありません。
新しい資格者証が届いたら、それまでの資格者証は本部か支部へ返却してください。
なお、紛失していても有効期限まで6か月以内であれば、再交付ではなく「更新」で申請します。有効期限のある大臣認定資格を持つ人は、更新後の有効期限が5年にならない場合があります。
転職・社名変更・引っ越しは30日以内に届出を
次のどれかに当てはまったら、30日以内に手続きが必要です。届け出て資格者証に変更の記載を受けるか、新たな資格者証の交付を申請します(建設業法施行規則17条の38第1項)。
- 氏名・住所の変更
- 記載されている監理技術者資格を有しなくなったとき
- 勤務先の建設業者の商号・名称・許可番号の変更(転職・社名変更など)
所属先の変更を届け出るときは「建設業者の業務に従事している旨を証する書面」を添付します。
届出には2つの方法があり、どちらを選ぶかは状況次第です。
| 変更届出 | 書換申請 | |
|---|---|---|
| 出すもの | 変更届出書+確認書類 | 交付申請書+確認書類 |
| 受け取るもの | 今の資格者証に記載/変更シールを貼付 | 新しい資格者証 |
| 有効期限 | 変わらない(元のまま) | 交付日から5年 |
| 手数料 | 無料(インターネット・郵送で届け出た場合は、変更シールを送る送料460円が必要。支部窓口なら資格者証の裏面に記載) | 7,600円 |
| 今の資格者証 | そのまま使い続ける | 交付後に返納 |
| 手続き方法 | 電子申請・郵送・支部窓口(郵送は本部宛て) | 電子申請・郵送・支部窓口 |
急いでカードを新しくする必要がなければ、無料の「変更届出」で足ります。有効期限を交付日からのフルの5年間に伸ばしたい場合は「書換申請」を選びます。
なお、本籍地の変更は令和5年7月から届出が不要になりました。市町村合併などによる住居表示の変更も、義務としての届出は不要です。
なくした・壊れたときは「再発行」と「再交付」のどちらか
資格者証をなくした(紛失した)、汚した、壊したときは、「再交付」または「新たな資格者証の交付(再発行)」を申請できます(建設業法施行規則17条の39第1項)。この2つは有効期限の扱いが違うので、取り違えないようにしてください。
- 再発行申請:新しい資格者証が交付されます。有効期限は交付日から5年にリセットされます。
- 再交付申請:有効期限はなくす前の資格者証の有効期限を引き継ぎます(延びません)。
手数料はどちらも7,600円で同じですが、必要な書類が違います。再交付申請はカラー写真だけで済みます(講習を受けて2か月以内の人はラベル等も必要)。再発行申請は、建設業者に所属している人なら雇用証明(確認)書と所属建設業許可通知(証明)書も必要です。書類を集める手間は再交付のほうが少なくて済みます。
紛失した資格者証があとから見つかったときは、遅滞なく返納してください。交付番号や有効期限が分からなくなってしまったときは、本部に問い合わせできます(原則として本人からの問い合わせにのみ回答してもらえます)。
なお、なくしたタイミングが有効期限まで6か月以内であれば、再交付ではなく前述の「更新」で申請することになります。
建設会社の総務が押さえたい3つのポイント(許可申請・経審・社内管理)
資格者証は、現場の監理技術者本人だけでなく、会社の総務・許可担当の方にも関わりの深い書類です。

1. 建設業許可の申請での使い道
営業所技術者等とは、営業所に常勤して契約や工事の技術面を管理する技術者です(旧称「専任技術者」)。神奈川県の許可申請では、資格者証の写しをこの人の資格の確認資料に使えます。実務経験証明書などを新たに集め直さずに済むケースがあるということです。ただし、資格者証に記載された有資格区分の範囲でのみ有効で、常勤であることの確認資料は別に必要になります。神奈川県の許可申請に必要な書類の全体像は「神奈川県の建設業許可|窓口・手引き・必要書類・更新の受付期間まで」で整理しています。
資格者証の写しで要件を証明できるか確かめたい方は、無料相談へお気軽にどうぞ。
2. 経営事項審査(経審)での使い道
経審は、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受ける審査で、会社の経営規模・経営状況・技術力・社会性などを点数で評価します。技術職員の評価では、1級技術者で「資格者証を保有」かつ「講習を修了」している人が6点、それ以外の1級技術者は5点として数えます。期限の条件は2つです。審査基準日(=経審で基準にする日。原則として申請直前の決算日)の時点で、資格者証が有効期限内であること。そして、講習の修了日から、修了した年の5年後の12月31日までの間に、審査基準日が入っていることです。例:令和3年2月28日修了の場合、有効期間は令和3年2月28日〜令和8年12月31日です。監理技術者資格が「実務経験」による人は、この加点の対象にはなりません。資格者証が使えるのは、「建設業の種類」欄で「1」と記載された業種の範囲だけです(許可申請の確認資料・経審の6点とも)。
この6点・5点は評点を算定するための基礎の数値であり、これだけでP点(=経審の総合評定値。会社の総合点)が直接何点上がるというものではありません。6点の条件の詳しい見方は「監理技術者の専任はどこから?2現場を兼任できる2つのルート」の経審の節をご覧ください。点数全体の上げ方は「経審の点数の上げ方|P点が低い原因と加点策」で解説しています。
3. 雇用関係と2つの期限の社内管理
監理技術者等は、所属する建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係(=自社が直接雇い、継続して働いている関係)にある必要があります。派遣社員は、直接的な雇用関係とは認められません。在籍出向者(=元の会社に籍を置いたまま別の会社で働く人)も原則として認められませんが、企業集団内の出向など、国土交通省の通知による特例があります。公共工事で元請の専任監理技術者等になる場合は、入札の申込日以前に3か月以上の雇用関係が必要です(例外あり)。
社内での期限管理は、1人につき「資格者証」と「講習」の2つの期限を追いかける必要があるということを意識してください。更新の案内は本人の住所に届くため、住所変更の届出漏れがあると、更新の案内が届かず、期限切れに気づくのが遅れるおそれがあります。氏名が変わったときは、センターだけでなく講習実施機関にも連絡が必要な点もあわせて社内ルール化しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
より詳しい内容は、センターの申請手続き・よくある質問(Q&A)もあわせてご確認ください。
講習を受ければ、資格者証は自動的に届きますか?
いいえ。講習の受講と資格者証の交付は別の手続きです。講習会場でもらえるのは「修了履歴ラベル」であり、資格者証そのものではありません。資格者証を持っていない人は、別途センターへ交付の申請が必要です。
更新を早めにすると、その分損をしますか?
いいえ、損はしません。更新後の有効期限は「更新前の有効期限から5年後」で計算されます。案内が届いたら、早めに手続きして構いません。
有効期限まであと数日しかありません。今からでも間に合いますか?
インターネットでの更新は、有効期限の直前5日以内になると利用できなくなります。急いでいる場合は、最寄りの支部・事務所の窓口へ直接持参して早めに相談してください。くわしくは「更新はいつから、いつまで?」の見出しをご覧ください。
顔写真の規格を教えてください。
申請前6か月以内に撮った、無帽・正面・上三分身・無背景の縦3.0cm×横2.4cmの写真です。くわしい条件は「はじめて取る人へ」の見出しをご覧ください。
手数料は会社が払ってもいいですか?
はい、会社負担で構いません。ただし、払込票には申請者本人の氏名も必ず記入してください(センターのQ&Aによる)。
会社に所属していなくても、資格者証は取れますか?
取れます。資格者証は、まず個人が監理技術者の要件を満たす資格を持っていることを証明するものだからです。申請書の所属建設業者の欄は空欄にし、雇用証明(確認)書と建設業許可通知書のコピーは出さなくて構いません(センターのQ&Aによる)。
名前が変わったとき、何をすればいいですか?
30日以内に、センターへ変更届出または書換申請を行います。あわせて、講習を受けた実施機関にも氏名変更を申し出て、修了履歴シールの再発行を依頼してください。センターと講習機関の間で情報は連携していません。
海外赴任中に有効期限が来たらどうなりますか?
資格者証の申請には国内の住民登録が必要です(住基ネットで確認するため)。海外赴任中で住民登録がなければ申請できません。有効期限が切れた場合は、帰国後に新規申請します。
資格者証がなくても監理技術者になれますか?
専任が必要な現場では、なれません。専任の監理技術者は、資格者証の交付を受けていて、講習も受講した人の中から選ぶ決まりです(建設業法26条5項)。監理技術者の職務を兼ねる特定営業所技術者も同じです(同26条の5第3項)。専任が必要になるのは、国や自治体の工事、鉄道・道路・上下水道・電力・ガスなどのインフラ・エネルギー施設の工事、学校・病院・事務所・共同住宅・工場など多くの人が利用する施設の工事(個人の戸建て住宅は対象外)で、1件4,500万円以上(建築一式9,000万円以上)のものです。自社の現場が当てはまるかは、前述の別記事「監理技術者の専任はどこから?」で確認できます。
まとめ:まず自分がどの手続きか、早見表で確認を
- 資格者証は「持ったら終わり」ではなく、5年ごとの更新と、変わるたびの届出が必要な書類です。
- 講習とは別物です。有効期限も別々に管理してください。
- 迷ったら、この記事の「交付後に起こる7つの手続き早見表」に戻って、自分の状況に当てはまる行を確認してください。
やさしい行政書士事務所では、次のようなご相談を承っています。
- この現場に「専任」が必要かどうかの判断
- 営業所技術者等の要件の整理(資格者証を確認資料として使えるかどうか)
- 経営事項審査(経審)での技術職員の整理
- 建設業許可の新規・更新・業種追加の申請
「うちの技術者の体制、このままで大丈夫か不安」という段階でも構いません。神奈川県秦野市・県央エリアの建設業者様を中心にサポートしております。まずはお気軽にお電話ください。
建設業許可・経審まで含めた手続き全般のサポート内容は、料金ページでもご案内しています。
出典(根拠条文・資料)
本記事の記載は、以下の条文・資料にもとづいています(2026年9月26日、e-Gov法令検索で現行条文を取得して確認)。
- 建設業法(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
- 建設業法施行令(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000273
- 建設業法施行規則(e-Gov法令検索・令和8年7月1日施行の改正後)https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014
- 国土交通省『監理技術者制度運用マニュアル』(最終改正 令和7年1月28日 国不建技第147号)https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001859191.pdf
- 一般財団法人 建設業技術者センター「申請手続き」https://www.cezaidan.or.jp/managing/procedure/・「よくある質問(Q&A)」https://www.cezaidan.or.jp/managing/qa/index.html(2026年9月26日閲覧)
- 神奈川県『建設業許可申請の手引き』(令和8年度版)・『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』
法令・手数料・申請方法は変わることがあります。実際の手続きにあたっては、建設業技術者センターの最新の案内と現行の条文をあわせてご確認ください。
執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)
〒257-0003 神奈川県秦野市南矢名2123-1 オレンジハイツ今井2E 電話:0463-57-8330
神奈川県央エリア(秦野市を中心に)で、建設業許可・経営事項審査(経審)を専門に取り扱っています。