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入札参加資格の等級(ランク)とは?経審点数との関係と上げ方を行政書士が解説【神奈川】

入札参加資格の等級(ランク)と経審P点の関係、A〜Dの上げ方を解説する記事のアイキャッチ画像

「経審(経営事項審査)の点数は上げたのに、狙っていた金額の公共工事に入札できなかった」
「うちの会社のランク(等級)って、結局どこで・何で決まっているの?」

建設業の社長さんから、こうしたご相談をよくいただきます。神奈川県・秦野の当事務所でも、公共工事に参入したい・CランクからBランクへ上げたい、という建設業者さまが増えています。

結論から言うと、入札の「等級(ランク)」は、経審のP点(客観点)だけでは決まりません。そこに発注者ごとの「主観点」が足され、その合計(総合点数)でクラス分けされます。ここを知らないと、「P点を上げたのにランクが変わらない」という遠回りをしてしまいます。

📢 この記事でわかること

  • 入札の「等級(ランク)」とは何か(公共工事の”出場クラス”)
  • 等級は「経審P点(客観点)+主観点」で決まる仕組み
  • 【神奈川県・令和9・10年度】業種別の格付け点数と発注基準額(令和7・8年度からの変更点つき)
  • 県の主観点(工事成績・社会的責任など)の中身
  • 経審の結果通知書から自社ランクを読む「見方」
  • A〜Dの等級を上げる2つの王道と、よくある落とし穴

📅 神奈川県の定期申請(令和9・10年度)は令和8年10月1日〜11月30日です
かながわ電子入札共同システムの定期申請は令和8年10月1日(木)〜11月30日(月)の受付です(紙で出す書類は12月1日消印有効)。
認定された資格は令和9年4月1日〜令和11年3月31日の2年間使えます。いまお持ちの令和7・8年度の資格は、令和9年3月31日で切れます。
定期申請をしなかった場合、随時申請での認定日は最短で令和9年5月1日(予定)です。
申請の流れと必要書類は 指名願いとは?神奈川の入札参加資格認定申請 で解説しています。
等級の格付けは令和9年2月中旬ごろに行われます。
県は、経審の結果通知を1月中旬ごろまでに受け取れるように経審を申請するよう案内しています(出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.14・p.36、かながわ電子入札共同システム「お知らせ」2026年6月17日)。

入札参加資格の「等級(ランク)」とは?公共工事の”出場クラス”

公共工事の入札では、発注者(国・県・市町村)が、申請してきた建設業者を会社の規模や実力ごとにクラス分けしています。これが「等級(ランク・格付け)」です。多くの発注者で A・B・C・D のように分けられます。

等級が大切なのは、クラスごとに参加できる工事の金額帯が決まっている(国では「発注標準」、神奈川県では「等級別発注基準額」と呼びます)からです。上位等級(A)ほど大きな金額の工事に入札でき、下位等級(C・D)は規模の小さい工事が中心になります。

つまり「狙う工事の規模」と「自社の等級」がかみ合っていないと、そもそも入札の土俵に上がれません。

入札参加資格の等級A〜Dは公共工事の出場クラス。上位等級ほど大きな工事に入札できることを示す図

神奈川県(県の発注工事)の場合、令和9・10年度の資格からは、建設工事のうち 土木・建築・舗装・水道施設の4業種がA〜Dの4段階、電気・管・造園の3業種がA〜Cの3段階で格付けされます。

令和7・8年度は電気・管もA〜Dの4段階でしたが、今回の定期申請から電気・管のD等級が廃止されました(出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.15・p.23)。

まずは「公共工事に出るには、許可だけでなく経審と入札参加資格の登録が要る」という全体像から押さえましょう。はじめての方は 経審を初めて受ける流れ5ステップ もあわせてご覧ください。

神奈川県での経審の受け方(必要書類・申請のしかた・手数料)は 神奈川県の経審(経営事項審査)完全ガイド にまとめています。

等級は「経審P点(客観点)+主観点」で決まる ― P点だけでは決まらない

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい核心です。入札の等級は、次の2つの点数を足した「総合点数」で決まります。

点数の種類 中身 特徴
客観点数 経審の総合評定値(P点)をそのまま使う 全国共通のものさし。どの発注者でも同じP点
主観点数 発注者独自の評価(工事成績・地域貢献・災害協定など) 発注者ごとに基準が違う。無い発注者もある

神奈川県の令和9・10年度の手引きには、たとえば土木工事で「客観点925+主観点10=総合935点」でA等級、という例が示されています(出典:同手引き 第1編 p.23「等級区分変更の申出」)。

この会社は、主観点を除いた客観点925点だけなら土木のA等級ライン(930点)に届かず、B等級です。

経審のP点(客観点)に、県が独自に評価する主観点を足して、最終的なランクが決まるわけです。

客観点(経審P点)+主観点(発注者独自の評価)=総合点数で等級が決まる仕組みの図。神奈川県・令和9・10年度の土木の例 客観925+主観10=935でA等級

参考に、国土交通省の資料(「公共工事入札参加資格制度」平成27年1月21日)では、地方整備局の一般土木工事の例として「経営事項評価点数」と「技術評価点数」を5:5とする考え方が示されています。

主観点をどう評価するかは発注者ごとにまったく違うため、「同じP点でも、発注者が違えばランクや順位は変わりうる」という点を押さえておきましょう。

⚠️ つまずきポイント
「経審のP点を上げればランクが上がる」は半分だけ正解です。P点(客観点)は等級の土台ですが、主観点(工事成績などの実績)も合わさって総合点になります。P点対策だけでなく、狙う等級の「総合点のボーダー」を意識することが大切です。

【神奈川県・令和9・10年度】業種別の等級ライン(格付け点数)

では、神奈川県(県の発注工事)で各等級に入るには、総合点数が何点必要なのでしょうか。令和9・10年度の「等級別基準点数」をまとめました。総合点数(客観点+主観点)がこのライン以上なら、その等級です。

神奈川県・令和9・10年度の建設工事 等級別基準点数(土木・建築・電気・管・舗装・水道施設・造園のA〜D等級)の一覧図
業種A等級B等級C等級D等級
土木930以上750以上620以上620未満
建築940以上820以上650以上650未満
電気860以上710以上710未満なし(3等級)
管820以上700以上700未満なし(3等級)
舗装930以上710以上630以上630未満
水道施設890以上760以上600以上600未満
造園790以上620以上620未満なし(3等級)

同じ「A等級」でも、業種によって必要な点数が違うのがポイントです(土木は930点、建築は940点、管は820点)。

令和7・8年度から何が変わった?

県は「近年の物価上昇を踏まえ」て等級別基準点数を見直しました。令和7・8年度と比べると、変わったのは次の2点です。

  • 各等級のラインが、7業種すべてで10点ずつ上がった(例:土木のA等級は920点以上→930点以上。電気・管のCとDの境目〔540点・530点〕は、D等級の廃止でなくなった)
  • 電気・管のD等級がなくなり、A〜Cの3等級になった(造園はもともと3等級)

ラインが10点上がったので、前回ぎりぎりでその等級に入っていた会社は、同じ点数だとひとつ下になることがあります。

たとえば令和7・8年度に総合点数925点で土木A等級だった会社は、令和9・10年度のライン(930点)には届きません。

ただし、令和8年7月の経審の改正で点数そのものも動くため、実際の等級は新しい経審の結果で計算し直してください。

等級ごとに指名される工事の金額(等級別発注基準額)

県の指名競争入札では、自社が属する等級の金額帯(等級別発注基準額・税抜き)の工事にしか参加できません(競争入札の参加者の資格に関する規則 第3条第2項・別表第2。金額は消費税を含まない工事価格=等級区分に関する要領 第10条)。

この金額も見直され、令和9年4月1日以後に公告する指名競争入札から次の金額になります。

業種A等級B等級C等級D等級
土木7,000万円以上3,000万円以上
1億8,000万円未満
600万円以上
7,000万円未満
3,000万円未満
建築3億2,000万円以上1億6,000万円以上
4億4,000万円未満
3,500万円以上
2億4,000万円未満
9,000万円未満
電気・管6,500万円以上1,500万円以上
9,000万円未満
3,500万円未満なし
舗装4,500万円以上2,000万円以上
1億3,000万円未満
600万円以上
4,500万円未満
2,000万円未満
水道施設6,500万円以上3,000万円以上
1億8,000万円未満
6,500万円未満3,000万円未満
造園2,500万円以上5,500万円未満2,500万円未満なし

出典:神奈川県「競争入札の参加者の資格に関する規則」第3条・別表第2(令和8年3月31日規則第32号による改正後)。

この金額表(規則第3条第2項・別表第2)でいう電気工事は、発電所・変電所・7,000ボルトを超える送配電設備の工事を除きます。水道施設工事は、送配水管布設工事に限ります(同項かっこ書き。資格の区分を定める別表第1には、この限定はかかりません)。

災害復旧などで急いで完成させる工事や、特定の機械・技術が必要な工事などには、この金額の制限は適用されません(同条第4項)。一般競争入札の参加条件は、工事ごとの公告で決まります。

建築・電気・管・水道施設には、A以外の等級で知事が特に認める場合の別の金額(別表第3)もあります。

⚠️ この点数は「令和9・10年度」の資格の格付けに使われます

いま使われている令和7・8年度の資格(令和9年3月31日まで)の等級は、旧ラインで決まったもので、有効期間中に新しいラインで格付けし直されることはありません(工事の請負に係る競争入札参加資格者の等級区分に関する要領 附則第1項ただし書・第8条。自分から下位に変える等級変更申出〔同要領第6条〕は別)。

電気・管のD等級も、令和9年3月31日までの資格では従来どおり残ります(競争入札の参加者の資格に関する規則 附則第2項〔令和8年3月31日規則第32号〕)。

基準点数は定期申請のたびに見直されることがあるため、申請時は必ず最新の「申請の手引き」でご確認ください(出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.15・p.23)。

定期申請で使われる経審の結果はどれ?(審査基準日の期間)

県の定期申請では、等級の「客観点」に使う経審の結果は、次のように決まります。

  • 申請日(申請書データの送信日)現在で有効な経審(総合評定値)の結果が必要です。申請日から遡って「1年7か月以内」の日が審査基準日であることが条件です。
  • 評点の算出には、原則として、審査基準日(決算日)が令和7年5月1日〜令和8年12月1日の間にある最新の経審の結果が使われます。格付けは令和9年2月中旬ごろに、前日までに入札システムに登録のある最新の審査結果を見て行われます。経審の結果通知から入札システムへの反映までに「最長14日程度」かかる場合があります(結果通知を1月中旬ごろまでに受け取るよう県が案内していることは、冒頭の囲みのとおりです)。

(出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.6・p.14)。

自社のランクの「見方」― 経審の結果通知書から等級を読む

「自社のランクはどこを見れば分かりますか?」というご質問も多いです。順番に見ていきましょう。

経審の総合評定値通知書でP点(客観点)を確認し、主観点を足した総合点数を発注機関の等級区分表に当てはめ、資格者名簿(格付け)で確認する4ステップの図

① 経審の「総合評定値通知書」でP点を確認する

経審を受けると、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が交付されます。ここに、許可業種ごとの総合評定値(P点)と、その内訳である5つの評点(X1・X2・Y・Z・W)が記載されています。これが、自社の客観点を知る一次資料です。

P点は、5つの評点を次の式で合計したものです。

P=0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W

X1=完成工事高/X2=自己資本額・利益/Y=経営状況/Z=技術力(元請完工高・技術職員)/W=社会性等

このうち、X1とZは業種ごとに評価が変わり、X2・Y・Wは会社全体で共通です。だから「同じ会社でも、業種によってP点が違う」ということが起こります。P点の中身と上げ方は 経審の点数の上げ方|P点が低い原因と加点策 でくわしく解説しています。

② P点に主観点を足し、狙う発注機関の「等級区分表」に当てはめる

次に、通知書のP点(客観点)に、発注機関が独自に評価する主観点を足した総合点数を、自社が入札したい発注機関(神奈川県・市など)の等級区分表に当てはめます。総合点数が、先ほどの基準点数のどこに入るかで等級が決まります。最終的な等級は、発注者が作る資格者名簿(格付け)で確認します。

注意:等級の基準は「発注機関ごと・年度ごと」に違う

ここはとても誤解が多いところです。「P点が◯◯点ならAランク」という全国共通の早見表はありません。等級のボーダーラインも、参加できる工事の金額帯も、発注機関・年度・業種ごとにバラバラだからです。

たとえば、土木工事のA等級の総合点ラインを比べると――

発注機関(年度) 土木のA等級ライン(総合点)
神奈川県(令和9・10年度)930点以上
国土交通省 関東地方整備局・一般土木(令和7・8年度)3,040点以上

同じ「土木のAランク」でも、点数の桁が違いますよね。これは、足し合わせる主観点の仕組みが発注機関ごとにまったく別物だからです。必ず「どの発注機関の・いつの年度の基準か」をセットで見るようにしてください。

⚠️ 「神奈川県でA」でも「横浜市でA」とは限りません
横浜市・川崎市は、県とは別の制度・別の申請です。等級の記号・対象になる工種・参加できる金額帯・有効期間が、県とは別に定められています。
一方、相模原市・秦野市など県内31市町村と県内広域水道企業団は、かながわ電子入札共同システムに参加しているので、県と1回の申請でまとめて申請できます(認定番号・有効期間も共通)。ただし、等級(格付け)は各団体がそれぞれ審査して付けます。
そのため、同じ会社でも県ではA・市ではB、ということが起こり得ます(出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.1・p.34・p.36)。

なお、国の「全省庁統一資格」は物品・役務の調達向けの制度で、建設工事とは別物です。建設工事の国の等級は、地方整備局などの競争参加資格審査で付与されます。混同しないようご注意ください。

📖 あわせて読みたい:東京都も、神奈川県とはまったく別の申請です。しかも定期受付を逃しても随時受付で申請でき、毎月20日締切→翌月1日から資格が使えます。詳しくは 入札参加資格 東京都は今も申請できる|毎月20日締切と5ステップ をご覧ください。

📖 あわせて読みたい:事業継続力強化計画の認定を、入札参加資格の加点対象にしている発注者もあります(例:北海道)。神奈川県の主観点(後述の6項目)には入っていません。くわしくは 事業継続力強化計画のメリット|経審加点の誤解と建設業での使い道 をご覧ください。

等級(ランク)を上げる2つの王道

ランクを上げるには、総合点数を上げる必要があります。アプローチは大きく2つ。「短期で効くもの」と「時間がかかるもの」を分けて考えるのがコツです。

等級を上げる2つの王道。短期=客観点(経審P点)を上げる、中長期=主観点(工事成績など)を積み上げる、の2つを並べた図

① 客観点(経審P点)を上げる ― 短期で効く

経審の点数は、書類の整え方や制度の活用で年度内に動かせる部分があります。代表的なのが社会性等(W点)の加点項目です。ただし、W点の加点は審査基準日(決算日)時点の状態などで判定され、すでに認定を受けている業種の等級は、認定期間の途中では変わりません(等級区分に関する要領 第8条)。上がった点数が等級に反映されるのは、その経審の結果を使う次の定期申請のとき(新しく資格を申請する場合や業種を追加する場合は、随時申請の認定のとき=同要領 第7条)です。ここでいう「短期」は、工事成績の積み上げより早く点数に表れる、という意味です。

たとえば、建設キャリアアップシステム(CCUS)の加点、ISO(9001・14001)やエコアクション21などの認証、ワーク・ライフ・バランスの取組、若年技術者の育成などです。

なお、令和8年7月1日以降の申請からは、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入状況の評価項目がW点から削除され、代わりに「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無(W1-8)が加わりました(出典:神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』第1分冊「主な変更点」)。

社会性等(W点)の計算は 経審W点の計算方法 でくわしく扱っています。

こうした客観点の対策は、行政書士がお手伝いしやすい領域です。「どの加点を取れば、P点が何点上がるか」を逆算してご提案できます。

② 主観点を上げる ― 中長期でじっくり

主観点の中心は工事成績(実際の公共工事の出来ばえの評価)の積み上げです。発注者によっては、災害協定の締結や地域貢献なども評価されます。こちらは数年単位の実績づくりが必要で、すぐには動きません。

神奈川県の主観点は、次の6項目で合計118点が上限です。

工事成績・表彰歴・県への貢献度は申請の必要がありませんが、建設機械・優秀な技能者・社会的責任は、申請データに必要事項を入力し、提出書類を共同受付窓口へ送る必要があります(申請の手引き 第1編 p.18)。

項目配点(上限)中身
工事成績評価75点〜-40点令和3〜7年度の1件500万円以上(税込)の県発注工事の工事成績評定点(申請業種ごと)
優良工事等表彰歴10点まで知事表彰10点/局長表彰・災害復旧表彰5点(重ねて足さない)
県への貢献度10点まで県と協定等を結び、災害応急工事などに24時間体制で備えている業者(公共建築物の地震時点検の協定は5点)
建設機械保有状況5点まで県への貢献度の加点業者のうち、機械・運搬具と工具器具・備品の帳簿価格の合計が1,000万円以上
優秀な技能者5点まで表彰を受けた技能者1人につき1点
社会的責任13点まで建災防加入3点・障害者雇用2点・子育て支援1〜2点・協力雇用主2点・消防団協力事業所2点・かながわ脱炭素チャレンジ認証2点

出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』第1編 p.15〜18「主観点数の配点概要」。

工事成績は80点以上なら一律75点、50点以下なら一律-40点と、マイナスにもなります。

なお、ISO9001・14001、エコアクション21、えるぼし認定は、経審との整合を図るため、県の主観点では配点されません。

だからこそ、「狙う等級 → 必要な総合点 → 必要なP点」を逆算して、短期はP点(経審)対策、中長期は工事成績の積み上げ、という二段構えで計画するのが現実的です。

🚨 落とし穴:等級は「下げる」ことはできても、元に戻せません
神奈川県には、主観点をゼロとして客観点だけで下位の等級に変更する「等級変更申出」という制度があります。ただし一度下げた等級を、再び元の等級へ戻すことはできません。発注基準額も下がり、経常JV(共同企業体)の構成にも影響します。安易な等級変更は慎重にご検討ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 経審を受ければ、自動でランクがつきますか?

いいえ。そもそも国・地方公共団体などが発注する公共工事のうち、1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)以上の工事を元請として直接請け負うには、経審を受けることが法律で義務づけられています(建設業法第27条の23第1項・同法施行令第45条。災害時の応急工事などは除かれます)。経審(P点の取得)に加えて、入札したい発注機関ごとに「入札参加資格審査申請」を別途行う必要があります。その登録の中で等級(格付け)が付きます。流れは「建設業許可 → 経審 → 入札参加資格の申請 → 等級登録」です。

Q. 神奈川県でAランクなら、横浜市でもAですか?

必ずしも同じにはなりません。横浜市は県とは別の制度・別の申請で、等級の基準も別です。また、県と一緒に申請できる相模原市・秦野市などの市町村も、等級(格付け)はそれぞれの団体が審査して付けます。同じ会社でも、発注機関が変われば等級が変わることがあります。

Q. ランクはすぐに上がりますか?

すぐには上がりません。すでに認定を受けている業種の等級は、認定期間の途中では変わりません(等級区分に関する要領 第8条)。そのうえで、客観点(経審P点)の対策は、審査基準日(決算日)までに整えればその決算の経審の点数に表れますが、主観点(工事成績)は数年単位です。「短期で効く対策」と「時間がかかる対策」を分けて計画するのがおすすめです。

Q. いくつも業種で経審を受けると、業種ごとにランクが違うのはなぜ?

P点の内訳のうち、完成工事高(X1)と技術力(Z)は業種ごとに評価が変わるためです。そのため、土木はB・舗装はC、のように業種ごとに等級が異なることがあります。

まとめ:等級は「P点+主観点」。狙う等級から逆算しよう

  • 入札の等級(ランク)は、公共工事の”出場クラス”。上位ほど大きな工事に入札できる。
  • 等級は「客観点(経審P点)+主観点(発注者独自の評価)=総合点数」で決まる。P点だけでは決まらない。
  • 神奈川県(令和9・10年度)は土木・建築・舗装・水道施設がA〜D、電気・管・造園がA〜C。ラインは前回より10点上がった(土木A=930点 など)。定期申請は令和8年10月1日〜11月30日。
  • 基準は発注機関ごと・年度ごとに違う。「神奈川県でA」が「横浜市でA」とは限らない。
  • ランクアップは、短期=P点対策、中長期=工事成績、の二段構えで逆算するのが王道。

「自社が狙う工事だと、何等級が必要?」「今のP点だと、あと何点でB等級?」――こうした逆算のご相談こそ、建設業の許認可を中心に扱う行政書士の出番です。決算前から関わることで、無理なく等級アップを狙える場合もあります。会社設立や許可の段階からの設計は 会社設立の流れ|許認可から逆算する設計 もご参考に。

等級アップに向けた申請費用の目安は、建設業許可の料金表でご確認いただけます。

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やさしい行政書士事務所では、神奈川県・秦野を中心に、建設業許可・経営事項審査・入札参加資格の申請を一気通貫でサポートしています。「うちは今どの等級?」「狙う工事に必要な点数は?」のP点・等級診断は無料です。まずはお気軽にどうぞ。

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監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(神奈川県行政書士会所属/登録番号 第12082434号)

神奈川県秦野市を拠点に、建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を中心に、補助金・在留資格・相続まで対応。建設業の「公共工事参入」を、決算・経審の段階から伴走支援しています。

※本記事は2026年9月28日時点の情報をもとに、一般的な制度の解説としてまとめたものです。神奈川県の等級別基準点数(令和9・10年度)など具体的な数値・要件は、発注機関や年度によって異なり、改定される場合があります。実際の申請にあたっては、各発注機関の最新の「申請の手引き」や公表資料をご確認いただくか、当事務所までご相談ください。
主な出典:神奈川県『令和9・10年度 競争入札参加資格 定期申請の手引き』(かながわ電子入札共同システム https://nyusatsu.e-kanagawa.lg.jp/html/teiki_download.html )/神奈川県「競争入札参加資格認定申請」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u2h/cnt/f531856/p870535.html /神奈川県「競争入札の参加者の資格に関する規則」新旧対照表/神奈川県『経営事項審査の手引き 令和8年7月1日版』/国土交通省「公共工事入札参加資格制度」(平成27年1月21日)/国土交通省 関東地方整備局「令和7・8年度関東地方整備局一般競争(指名競争)参加資格における等級区分別総合点数」 https://www.ktr.mlit.go.jp/nyuusatu/nyuusatu00001384.html (いずれも2026年9月28日確認)。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。