「解体工事の契約が決まったのに、聞いたことのない『建設リサイクル法の届出』が必要と言われた」
そんな状態で、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
建設リサイクル法の届出は、工事に着手する日の7日前までに終わらせないといけません。
出し忘れると、着工が遅れます。最悪の場合、工期全体がずれ込みます。
- 誰が・いつまでに・どこに出すのか
- 届出書(様式第一号)と別表1〜3の書き方、間違えやすいポイント
- 提出先(秦野市などの市か、県の土木事務所か)と、使う様式
神奈川県央・秦野市を拠点に建設業のお客様を支援する行政書士が、法令の条文にあたりながら整理しました。
専門用語はできるだけ一言で言い換えます。😊
目次
建設リサイクル法の届出とは? 一言でいうと
正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」です。
一言でいうと、「一定規模以上の解体・新築工事をするなら、コンクリートや木材をきちんと分別して再利用してください」と都道府県や市に約束する手続きです。
届出先は国ではなく、工事場所を管轄する都道府県知事です。ただし、建築主事を置く市町村の区域では、その市町村長が届出を受け付けます(法第46条・施行令第9条第1項)。なお、限られた建築物だけを扱う建築主事を置く市町村では、建築物の種類によって知事が受け付ける工事もあります(同条第2項)。
対象になる工事の発注者(施主)または自主施工者(=業者に頼まず自分で工事をする人)は、工事に着手する日の7日前までに、「分別解体等の計画」などを届け出る義務があります(法第10条第1項)。
建設業許可のように、営業のために一度取って更新していく許可ではありません。工事1件ごとに、その都度出す届出です。ここが建設業許可との大きな違いです。
届出が必要な工事の規模(対象建設工事)
すべての工事に届出が必要なわけではありません。次の規模以上の工事が対象です。
| 工事の種類 | 対象になる規模 | 対応する別表 |
|---|---|---|
| 建築物の解体工事 | 床面積の合計 80㎡以上 | 別表1 |
| 建築物の新築・増築工事 | 床面積の合計 500㎡以上 | 別表2 |
| 建築物の修繕・模様替(リフォーム等) ※新築・増築にあたらないもの | 請負代金 1億円以上 | 別表2 |
| その他の工作物の工事(土木工事等) | 請負代金 500万円以上 | 別表3 |
規模の基準は施行令第2条(法第9条第3項)で決まっています。表の請負代金の額は、消費税及び地方消費税を含む額です(神奈川県『届出のしおり』・国土交通省『建設リサイクル法 質疑応答集』Q42)。
床面積や請負代金の額を当てはめるときは、次のルールにも注意が必要です。
- 解体・増築の床面積:建築物の解体工事は解体する部分、増築工事は増築する部分の床面積の合計で判定します(施行令第2条第1項第1号・第2号のかっこ書き)。
- 契約を分けた場合:同じ者が二以上の契約に分割して請け負う場合は、これを一つの契約とみなして判定します。ただし、正当な理由に基づいて契約を分割したときは除かれます(施行令第2条第2項)。
- 自主施工の場合:請負代金の額で判定する工事(建築物の修繕・模様替等、建築物以外の工作物の工事)を、業者に請け負わせず自分で施工するときは、請負人に施工させた場合の適正な請負代金相当額で判定します(施行令第2条第1項第3号・第4号)。建築物の解体・新築・増築は、自主施工でも床面積で判定します。
- 発注者が材料を支給する場合:発注者(施主)が材料を支給する場合は、支給する材料の市場価格などを請負金額に加算した金額で判定します(国土交通省『質疑応答集』Q43)。
届出がいらない工事は?
建設リサイクル法の届出が必要になる「対象建設工事」とは、特定建設資材を用いた建築物等の解体工事、またはその施工に特定建設資材を使用する新築工事等で、上の規模の基準以上のものをいいます(法第9条第1項・第3項)。
したがって、次のいずれかにあたる工事は、届出の対象になりません。
- ① 上の規模の基準に届かない工事:たとえば建築物の解体工事で解体部分の床面積の合計が80㎡未満のときや、その他の工作物の工事で請負代金(税込)が500万円未満のときなどです。
- ② 特定建設資材を用いた建築物等の解体でも、特定建設資材を使う新築工事等でもない工事:特定建設資材とは、「コンクリート」「コンクリート及び鉄から成る建設資材」「木材」「アスファルト・コンクリート」の4品目です(法第2条第5項・施行令第1条)。これらが一切使われていない建築物等の解体や、これらを一切使わない新築工事等は対象建設工事にあたりません。
どの建材が「特定建設資材」にあたるかについて、神奈川県『建設リサイクル法 届出のしおり(県土木事務所)令和8年8月』では、代表的事例が次のように示されています。
| 品目 | 特定建設資材にあたる例(○) | 特定建設資材にあたらない例(×) |
|---|---|---|
| コンクリート/コンクリート及び鉄から成る建設資材 | 無筋・鉄筋コンクリート、コンクリートブロック、PC版、間知ブロック など | レジンコンクリート、セメント瓦、モルタル、ALC版、窯業系サイディング、普通れんが、繊維強化セメント板(スレート)、粘土瓦、タイル など |
| 木材 | 木材、合板、集成材、パーティクルボード、MDF など | 竹、木質系セメント板 など |
| アスファルト・コンクリート | アスファルト混合物 など | アスファルト・ルーフィング など |
外壁や屋根がALC版・窯業系サイディング・スレート・粘土瓦であっても、基礎に無筋・鉄筋コンクリートやコンクリートブロックが使われていたり、内装の下地に木材や合板が使われていたりすれば、特定建設資材を用いた建築物等にあたります。
「うちの現場、対象になるのかな?」と迷ったら、自己判断せず、提出先窓口(秦野市なら都市部建築指導課)に事前確認することをおすすめします。
対象なのに届出をしないと、後述の罰則の対象になり得るためです。
電話が難しい時間帯でも、お問合せフォームから「この工事、対象になりますか?」とご相談いただけます。
誰が・いつまでに・どこに届け出るのか
届出義務者は「発注者または自主施工者」
届出をするのは、工事を請け負う施工業者ではなく、発注者(施主)または自主施工者です(法第10条第1項)。
自主施工者とは、業者に工事を請け負わせず、自分で工事をする人・会社のことです。
デベロッパーなどを通して工事を頼んだ場合も、届出をするのは発注者である施主です(国土交通省『質疑応答集』Q52)。
窓口への届出は、発注者以外の人が代理で行うこともでき、その場合は委任状が必要です(様式は任意で、神奈川県『届出のしおり』に記載例があります)。
ただし、代理で提出しても、届出の義務と罰則の対象は発注者・自主施工者のままです。
神奈川県『届出のしおり』では、代理人として届出を行った場合は発注者に届出完了を報告すること、また交付された届出済証(シール)は受注者が現場の標識(解体工事業者登録票または建設業の許可票)に貼ることが案内されています。代理人に頼んだときは、届出が終わったこと(届出済証のシール)を確認しておきましょう。
なお、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として官公署に提出する書類を作成することは、行政書士または行政書士法人でない者はできません(行政書士法第19条第1項。他の法律に別段の定めがある場合などを除きます)。
また、国の機関や地方公共団体が発注する工事は、「届出」ではなく、あらかじめ都道府県知事(建築主事を置く市町村の区域ではその市町村長)へ「通知」します(法第11条・施行令第9条第1項第2号)。神奈川県も、公共工事は「届出」ではなく「通知」から申請するよう案内しています。
期限は着工の7日前まで
工事に着手する日の7日前までに届け出なければいけません(法第10条第1項)。
土日祝日を挟むと想定より早く準備が必要になります。
契約が決まったら、すぐに着工日から逆算してスケジュールを組みましょう。
届出をしない・うその届出をすると20万円以下の罰金の対象になり得ます(法第51条第1号)。届出後の変更届出(法第10条第2項)を怠った場合も同じです。
さらに、都道府県知事(建築主事を置く市町村の区域ではその市町村長)から分別解体等の計画の変更などを命じられたのに従わなかった場合は、30万円以下の罰金です(法第10条第3項・第50条第1号)。
提出先は工事場所の市区町村によって違う
神奈川県内では、工事場所が横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・平塚市・鎌倉市・藤沢市・小田原市・茅ヶ崎市・秦野市・厚木市・大和市の12市なら、その市の窓口です。それ以外の市町村なら、県の土木事務所が窓口です(神奈川県『建設リサイクル法の届出』)。
秦野市で工事をする場合は、秦野市 都市部建築指導課(建築指導担当・電話 0463-83-0883)が窓口です。
県土木事務所ではなく、市役所へ直接届け出る点に注意してください。
県央の近くでいうと、平塚市・厚木市は市の窓口、伊勢原市は県の平塚土木事務所(電話 0463-45-3150)、愛川町・清川村は県の厚木土木事務所(電話 046-223-1711)が窓口です(県『届出のしおり』の窓口一覧・令和8年4月現在)。
神奈川県の「建設リサイクル法の届出」ページ(窓口一覧へのリンクあり)で、工事場所の市区町村を確認するのが確実です。
なお、県の土木事務所が窓口の地域は、e-kanagawa 電子申請システムでも届け出られます。秦野市も、窓口・郵送のほか、e-kanagawa 電子申請システムでの届出を受け付けています(令和6年2月26日から)。※最新の取扱いは提出先の窓口にご確認ください。
建設リサイクル法 届出書の書き方【様式第一号・別表1〜3】
ここからが本題です。実際の書類の中身を見ていきましょう。
記入例はどこにある?(神奈川県『届出のしおり』)
県の土木事務所あての記入例は、神奈川県の『建設リサイクル法 届出のしおり(県土木事務所)令和8年8月』(届出のしおり(PDF))にまとまっています。
届出書(様式第一号)は解体・新築・建築物以外の3通り、別表1〜3、委任状・案内図・写真・工程表、さらに説明書・告知書・契約書面(法第13条及び省令第7条に基づく書面)・再資源化等報告書の記載例が載っています。
提出先が市の場合は、その市の様式と案内を使ってください。
県土木事務所あてに提出するときのきまりは、次のとおりです(県『届出のしおり』)。
- 提出書類と部数:届出書・別表・案内図・設計図又は写真・工程表(代理で出すときは委任状も)をA4でそろえて1部提出します(受領書が必要なら、届出書の写しを別に出します)。
- 写真:全体の外観が分かるものを1面以上(A4)添付します。
- 一括提出できるケース:解体と新築を一連で行う場合(発注者・元請業者・工事場所が同じ場合に限る)は、一括して出せます。
- 工程の概要欄の日付:届出書の工程の概要の欄の記入例には「着手は、届出提出日から7日経過日以降の日付であること」と注記されています。
届出書(様式第一号)の主な記載項目
届出は、省令で定められた「様式第一号」の届出書で行います(特定建設資材に係る分別解体等に関する省令〔平成14年国土交通省令第17号〕第2条第2項)。主な記載項目は次のとおりです。
- 工事の名称・工事の場所
- 工事の種類(解体/新築・増築/修繕・模様替/その他工作物)
- 発注者の氏名(法人名)・住所・連絡先
- 元請業者の氏名(法人は商号・名称と代表者の氏名)・住所。建設業許可を受けている場合は許可をした行政庁と許可番号・主任技術者(監理技術者)の氏名、解体工事業の登録の場合は登録をした行政庁と登録番号・技術管理者の氏名(省令第2条第1項第7号・第8号)
- 元請業者から法第12条第1項の説明を受けた年月日(同項第9号)
- 工事着手予定年月日・工事完了予定年月日
- 分別解体等の計画の概要
- (県土木事務所あての県の様式)下請業者の記載欄。届出の時点で下請と契約していないときは、契約後に電話などで知らせる(県の記入例)
契約日ではなく、実際に現場で新築・解体などの工事を始める日です。工事のために仮設が必要な場合は、仮設工事を始める日になります。現場の除草などの準備工事は含めなくてかまいません(国土交通省『質疑応答集』Q51)。ここがずれると、7日前ルールの計算も狂ってしまいます。
別表1〜3の書き方(工事の種類ごとに使い分け)
届出書には、工事の種類に応じた別表(分別解体等の計画等)を添付します。上の対象規模の表と対応させると、次のとおりです。
- 別表1:建築物の解体工事用
- 別表2:建築物に係る新築工事等(新築・増築・修繕・模様替)用
- 別表3:建築物以外の工作物の解体工事・新築工事等(土木工事等)用
別表には、建築物(工作物)に関する調査の結果(構造・築年数・周辺状況・作業場所・搬出経路・残存物品・石綿などの付着物)と工事着手前に実施する措置、工程ごとの作業内容と分別解体等の方法、廃棄物の種類ごとの発生見込量などを書きます(県『届出のしおり』の記入例)。
なお、階数は別表ではなく届出書(様式第一号)の「工事の種類及び規模」に書きます。築年数が1年未満のときは、別表の築年数欄に「1年未満」と記入します。
書き方で迷いやすいのは次の点です。
- 工事の種類の選び方:まず「解体」「新築・増築」「修繕・模様替」「その他工作物」のどれに当たるかを先に決め、対応する別表を選びます。増築とリフォームが混在する場合など、判断に迷うときは窓口に確認してください。
- 分別解体等の方法欄:工程ごと(別表1なら①建築設備・内装材等 ②屋根ふき材 ③外装材・上部構造部分 ④基礎・基礎ぐい ⑤その他)に、「手作業」か「手作業・機械作業の併用」かを選びます。併用にするときはその理由を書きます(県の記入例の注記:単純に工期短縮のため等の場合は不可)。工事の工程の順序と、内装材に木材が含まれる場合の事前の取り外しの可否も書きます。
- 建設資材の量の見込み・廃棄物の発生見込量の欄:重さ(トン)で、整数で書きます(県の記入例)。
よくある記入ミス
- 工事着手予定年月日を「契約日」で記入し、7日前ルールの起算日を誤る
- 「請負・自主施工の別」のチェックを付け間違える(業者に頼むのに「自主施工」にする など)
- 工事の種類の判定を誤り、別表を1つ違いで選んでしまう(例:修繕・模様替なのに別表1を使う)
- 案内図・工程表・委任状などの添付書類が不足している
- 提出先と違う様式や、古い版の様式を使ってしまう
添付書類チェックリスト
- 届出書(様式第一号)
- 別表(1〜3のいずれか)
- 委任状(発注者以外が届け出る場合)
- 案内図(工事現場の位置に印をつけた地図)
- 設計図または写真(写真は全体の外観が分かるもの1面以上・A4)
- 工程表
書類に不備があると、出し直しになって7日前までに間に合わなくなることがあります。神奈川県も、電子申請について「届出内容に重大な不備がある場合は、不受理となります」と案内しています。
提出前に必ず一覧で確認しましょう。
様式は提出先で違う|県土木事務所あての様式(令和8年4月に文言を修正)と、秦野市など12市の様式
建設リサイクル法の届出様式は、提出先の窓口が配っているものを使います。
国の省令(別記様式第一号)自体は令和8年に改正されていませんが、県の土木事務所に出す場合と、秦野市などの12市に出す場合とで、窓口が用意している様式が異なります。
- ① 提出先の窓口が配っている様式を使う:工事場所を管轄する窓口(県の土木事務所か、12市の窓口か)の様式を選びます。
- ② 県土木事務所あて:神奈川県の「届出書・別表(県土木事務所提出用)」を使います。令和8年4月9日に文言が修正(届出書に情報公開に関する文言を追記し、別表1〜3の各種文言の表現を修正)され、令和8年5月19日にPDF版が掲載されています。また、県の届出書(様式第一号)には下請業者の記載欄があります。
- ③ 秦野市など12市あて:各市の様式を使います。秦野市が窓口の工事では、秦野市のホームページに掲載されている「届出様式(令和5年3月7日以降の様式)」を使います。
- ④ 提出の直前に取り直す:提出の直前に、提出先のページから最新の様式を取り直して作成しましょう。
以前保存したファイルをそのまま使うと、提出先と違う様式や古い版の様式になってしまうことがあります。提出の直前に、提出先のホームページから最新の様式をダウンロードし直してご確認ください。※最新の取扱いは提出先の窓口にご確認ください。
届出だけじゃない!契約前の「書面説明義務」も忘れずに
実は、建設リサイクル法には届出のほかにも、見落とされがちな義務があります。
対象工事(他の者から請け負ったものを除きます)を発注しようとする人(施主)から直接請け負おうとする建設業を営む者(建設業許可の有無を問いません)は、契約を結ぶ前に、発注しようとする人へ書面を交付して説明しなければいけません(法第12条第1項)。発注しようとする人の承諾を得れば、書面の代わりに電子メールなどの電磁的方法で提供することもできます(同条第2項)。
説明する内容は、次の事項です(法第10条第1項第1号〜第5号)。
- 解体工事の場合:解体する建築物等の構造
- 新築工事等の場合:使用する特定建設資材の種類
- 工事着手の時期・工程の概要(いずれの工事も)
- 分別解体等の計画(いずれの工事も)
- 解体工事の場合:解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み
これは「届出」より前の段階、つまり契約書にハンコを押す前の義務です。
届出の準備に気を取られて、この説明を忘れないようにしましょう。
なお、説明の様式は法令で決まっておらず、届出書の様式を使って説明してもかまいません(国土交通省『質疑応答集』Q72)。神奈川県は参考様式「説明書」を用意しています(県『届出のしおり』に記載例)。
契約書に書き足す事項(法第13条)
対象建設工事の請負契約(下請契約を含む)の当事者は、建設業法第19条第1項の事項のほか、①分別解体等の方法、②解体工事に要する費用、③再資源化等をするための施設の名称及び所在地、④再資源化等に要する費用を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければなりません(法第13条第1項・省令第7条)。
再資源化等をするための施設の名称・所在地は、届出の別表ではなく、契約書面(法第13条)に書きます。
神奈川県は参考様式「法第13条及び省令第7条に基づく書面」を用意しており、契約書全体の書き方は「工事請負契約書の書き方|建設業法19条の記載事項と注文書・請書・押印のルール」で解説しています。
下請に出すときは届出事項を告げる(法第12条第3項)
受注者は、請け負った工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせようとするときは、届け出られた事項(変更の届出があれば変更後のもの)を告げなければなりません(法第12条第3項)。
神奈川県は参考様式「告知書」を用意しています(県『届出のしおり』に記載例)。
再資源化等が終わったら発注者に書面で報告(法第18条)
元請業者は、特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を発注者に書面で報告し、再資源化等の実施状況に関する記録を作成・保存しなければなりません(法第18条第1項。発注者の承諾があれば電磁的方法でもよい=同条第3項)。
県の参考様式「再資源化等報告書」の記載例では、工事の名称・場所、再資源化等が完了した年月日、再資源化等をした施設の名称及び所在地、再資源化等に要した費用を書きます。
記録を作成しない・保存しない場合は10万円以下の過料(法第53条第1号)の対象となり、また報告を受けた発注者は、再資源化等が適正に行われなかったと認めるときは、都道府県知事(指定都市・中核市の区域ではその市長)に申告できます(法第18条第2項・施行令第9条第4項)。
契約前の書面説明 → 契約(契約書に分別解体等の方法や費用などを記載)→ 着工7日前までに届出 → 着工 → 再資源化等が終わったら発注者へ書面で報告
ご依頼から提出までの流れ(目安)
- お電話・フォームでのご相談(工事の種類・規模をヒアリング)
- 必要書類・図面のご提出(案内図・設計図・工程表など)
- 届出書・別表の作成
- 内容のご確認
- 窓口への提出代行
書類がすべてお手元に揃っている場合、目安として中3営業日程度で提出まで進められます(現地確認や図面の追加取得が必要な場合は前後します)。
お見積りは無料です。まずはお気軽にご相談ください。
特に注意したい失敗パターン
契約日と工事着手日を混同してしまうケースが典型的です。
契約日から数えて7日前ルールを計算してしまうと、実際の着工日を基準にしたときには届出期限が過ぎていた、ということが起こり得ます。
契約日ではなく、重機が入る・解体作業が始まる実際の着工日から逆算して、届出のスケジュールを組んでください。
建設業許可・経営事項審査とあわせて確認したいこと
建設リサイクル法の届出は、建設業法とは別の法律の手続きです。
ただし、解体工事や新築工事を請け負う建設業者にとっては、次のような周辺手続きとセットで考える必要があります。
- 解体工事業の登録:土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を持たずに解体工事業を営む場合は、軽微な工事だけでも「解体工事業の登録」が必要です(法第21条第1項)。詳細は「解体工事業の登録は必要?神奈川県の手続き・要件を解説」をご覧ください。
- 解体工事に必要な資格・講習:解体工事業の登録で置く技術管理者や、建設業許可の専任技術者になるための資格と講習は、「解体工事に必要な資格とは?「登録の技術管理者」と「許可の専任技術者」の違いを行政書士がやさしく解説」および「解体工事の許可・登録は講習だけで足りる?似た名前の2講習と1年短縮の条件」で解説しています。
- 産業廃棄物のマニフェスト:解体・改修で出た廃棄物を他社に運んでもらうときは、元請が管理票(マニフェスト)を交付します。「産業廃棄物マニフェストは元請の義務|建設業が押さえる5つの期限と報告」で、下請が自ら運べる例外やアスベストの扱いまで解説しています。
- 産業廃棄物収集運搬業の許可:他社から委託を受けて産業廃棄物を運ぶ場合はこの許可が必要です(「はじめて産業廃棄物収集運搬許可の依頼をご検討中のお客様へ」)。なお、更新時に優良認定を申請して有効期間を5年から7年に延ばす場合の費用は「優良産廃処理業者の認定制度、費用はいくら?神奈川県の手数料と実費」をご覧ください。
- 決算変更届・経営事項審査(経審):建設業許可業者が毎事業年度終了後4か月以内に出す「決算変更届は自分でできる?必要書類と手順を行政書士が解説」や、公共工事の入札に必要な評価点をつける「経審の点数の上げ方|P点が低い原因と加点策を行政書士が解説」もあわせてご確認ください。
いずれも提出先・期限がバラバラで、担当者の方が一人で全部管理するのは大変です。
当事務所では、建設業許可・決算変更届・経審をまとめてサポートする料金プランもご用意しています。詳しくは「建設業のお手続きサポート(決算変更届・許可更新・経審)」をご覧ください。
よくある質問
A. 法律上の届出義務者は発注者(施主)または自主施工者であり、デベロッパーなどを通して工事を頼んだ場合も届出をするのは発注者である施主です(国土交通省『質疑応答集』Q52)。発注者以外の人が代理で届け出ることもでき、その場合は委任状が必要です(様式は任意=県『届出のしおり』に記載例)。ただし代理で出しても届出の義務と罰則の対象は発注者・自主施工者のままですので、代理人に頼んだときは届出が終わったこと(届出済証のシール)を確認しておきましょう(県『届出のしおり』では代理人として届出を行った場合は発注者に届出完了を報告することとされています)。なお、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として官公署に提出する書類を作成することは、行政書士または行政書士法人でない者はできません(行政書士法第19条第1項。他の法律に別段の定めがある場合などを除きます)。
A. 届け出た事項(工事着手の時期など、省令で定める事項)を変更するときは、変更後の工事に着手する日の7日前までに、変更届出書(様式第二号)を出します(法第10条第2項)。変更届出ができるのは、着工前に変更が生じた場合に限られます。工事の場所や種類が変わったとき、元請業者との契約を解除して元請業者が変わったときなど、工事の前提条件が変わったときは、改めて届出が必要です(神奈川県『届出のしおり』)。届出をしない・うその届出をすると、20万円以下の罰金の対象になり得ます(法第51条第1号)。
A. 面積や金額の境界線上にあるケースは判断が分かれることがあります。自己判断せず、提出先窓口(秦野市なら都市部建築指導課)に事前確認することをおすすめします。
A. 神奈川県『届出のしおり』の記入例では、工事着手の日を「届出提出日から7日経過日以降の日付」にするよう注記されています。ここでいう工事着手とは、実際に現場で新築・解体などの工事を始める日を指し、工事のために仮設が必要な場合は仮設工事を始める日になります(現場での除草などの準備工事は含めなくてかまいません=国土交通省『質疑応答集』Q51)。具体的な日付の数え方で迷うときは、提出先の窓口に確認しておくと安心です。
A. 届出をしない・うその届出は、20万円以下の罰金の対象になり得ます(法第51条第1号)。また、都道府県知事(建築主事を置く市町村の区域ではその市町村長)は、分別解体等の計画が基準に合わないと認めるときは、届出を受理した日から7日以内に限り計画の変更などを命じることができます(法第10条第3項)。その命令に違反すると、30万円以下の罰金の対象になります(法第50条第1号)。
A. 請負契約を結ぶ前に届出書を出すことはできません。届出書には元請業者を書く欄があり、契約前は元請業者が決まっていないためです(国土交通省『質疑応答集』Q50)。手続きは、まず契約前の書面説明→契約→着工7日前までに届出、の順で進めます。
A. 元請業者が発注者(施主)に出す書類で、役所に出す書類ではありません。特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときに書面で報告し、あわせて再資源化等の実施状況に関する記録を作成・保存します(法第18条第1項)。神奈川県『届出のしおり』には参考様式「再資源化等報告書」と記載例が用意されています。なお、記録を作成しない・保存しない場合は10万円以下の過料の対象となります(法第53条第1号)。
A. 県の土木事務所が窓口の地域は、e-kanagawa 電子申請システムで申し込めます。秦野市も、e-kanagawa 電子申請システムでの届出を受け付けています(令和6年2月26日から)。ほかの市については、各市の窓口にご確認ください。
まとめ
建設リサイクル法の届出では、まず次の3点を押さえましょう。
- 対象規模(解体80㎡・新築500㎡・修繕1億円・その他工作物500万円)に当てはまるか確認する
- 着工7日前までに、工事場所の窓口(秦野市なら市の都市部建築指導課)へ届け出る
- 提出先の窓口(秦野市なら市、県の土木事務所の地域なら県)が配っている最新の様式を使う
契約前の書面説明義務、変更届出、対象規模の判断など、迷いやすいポイントがいくつも重なる手続きです。
「これで合っているか不安」という段階で、早めに専門家に見せると、出し直しを防ぎやすくなります。
建設リサイクル法の届出、まずは無料相談で確認しませんか
やさしい行政書士事務所は、神奈川県秦野市を拠点に、神奈川県央エリアの建設業のお客様を中心にサポートしています。建設リサイクル法の届出書類の作成・提出代行はもちろん、建設業許可・経審・決算変更届まで、まとめてご相談いただけます。「この工事、届出は必要?」「様式、これで合ってる?」という段階でも大丈夫です。「ブログを見た」とお伝えいただくとスムーズです。😊
やさしい行政書士事務所(代表行政書士 宮本 雄介)
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・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)第2条・第9条・第10条・第11条・第12条・第13条・第18条・第21条・第46条・第50条・第51条・第53条(e-Gov法令検索・2026年10月14日確認)
・同法施行令(平成12年政令第495号)第1条・第2条・第9条(e-Gov法令検索・2026年10月14日確認)
・特定建設資材に係る分別解体等に関する省令(平成14年国土交通省令第17号)第2条・第7条(e-Gov法令検索・2026年10月14日確認)
・神奈川県「建設リサイクル法の届出」(令和8年4月9日に県土木事務所あての様式の文言を修正・5月19日にPDF版を掲載・2026年10月14日確認)
・神奈川県「建設リサイクル法 届出のしおり(県土木事務所)令和8年8月」(2026年10月14日確認)
・秦野市「建設リサイクル法のご案内」(2026年10月14日確認)
・国土交通省建設業課「建設リサイクル法 質疑応答集(案)」(2026年10月14日確認)
・行政書士法(昭和26年法律第4号)第19条(e-Gov法令検索・2026年10月14日確認)
※本記事は2026年10月14日時点の法令および神奈川県・秦野市・国土交通省の公表情報に基づいて作成しています。届出様式・窓口・手数料等は改定される場合があるため、実際の届出前には必ず提出先窓口の最新情報をご確認ください。個別の工事が届出対象に該当するかどうかは、必ず提出先窓口にご確認ください。
執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介