建設業

解体工事業の登録は必要?神奈川県の手続き・要件を解説

解体工事業の登録は必要?神奈川県の要件と手続きをやさしく解説

執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)|執筆・監修者について

「解体工事を請けたいけれど、登録と建設業許可のどちらが必要?」というご相談をよくいただきます。結論はシンプルです。土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可をお持ちでなければ、請負金額500万円未満の解体工事だけなら「解体工事業登録」、500万円以上の解体工事を請けるなら「建設業許可」が必要です(金額は消費税込みで判定します)。この3業種のいずれかの許可をお持ちなら、登録は不要です(ただし、500万円以上の解体工事を単独で請け負うには、原則として解体工事業の許可が必要です)。

この記事では、神奈川県で解体工事業を始めたい事業者さま向けに、登録と許可の判定方法、登録の要件、神奈川県の申請先・手数料・有効期間までを、建設業に強い行政書士がやさしく解説します。

結論:許可の有無と「請負金額500万円」で、登録か許可かを判定

土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を持たずに、建築物などの解体工事を営もうとする場合は、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)第21条に基づく都道府県知事の登録が必要です。元請・下請の別は問いません。

  • 請負金額500万円未満の解体工事のみ請ける → 解体工事業登録が必要です
  • 請負金額500万円以上の解体工事を請ける(建築工事業に該当する解体工事を含む建設工事は原則として1,500万円以上) → 建設業許可が必要です
  • 土木・建築・解体いずれかの建設業許可をすでに持っている → 登録は不要です(500万円以上の解体工事を単独で請け負うには、原則として解体工事業の許可が必要です)
解体工事業の登録が要るかの判定:土木・建築・解体の建設業許可があれば登録は不要(500万円以上の解体工事を単独で請けるには原則として解体工事業の許可が必要)。許可がなければ、請負金額(消費税込み)500万円未満は解体工事業の登録、500万円以上は建設業許可(原則として解体工事業。建築一式工事に当たる場合は建築工事業の許可で、1,500万円が境目)が必要

もうひとつ大切なのが、登録は「工事を施工する区域」を管轄する都道府県知事ごとに受けるという点です。神奈川県内で解体工事を施工するなら、本店が他県にあっても神奈川県知事の登録が必要になります。

「解体工事」に当たるかは個別判断が必要なことも

建設業法上の「解体工事業」と、建設リサイクル法の「解体工事」は定義が異なります。専門工事で造られた目的物だけを解体する工事は各専門工事に該当する場合があるなど、登録か許可かの線引きには個別判断が必要なケースもあります。判断に迷う場合は、着手前に確認しておくと安心です。

なお、登録・許可のどちらで請ける場合でも、コンクリートや木材などの特定建設資材を使った建築物で、解体する部分の床面積の合計が80㎡以上の解体工事は、工事1件ごとに、着工の7日前までの届出が別途必要です。届け出るのは工事を請け負う業者ではなく発注者(施主)で、請負契約によらず自ら施工する場合はその本人です(建設リサイクル法第10条。元請業者などが委任を受けて代理で提出することもあります)。詳しくは「建設リサイクル法 届出の書き方|7日前までに出す手順と様式」をご覧ください。

解体工事業登録の2つの要件

登録の要件は大きく2つです(建設リサイクル法第24条第1項・第31条)。

解体工事業の登録に必要な2つの要件:拒否事由に当たらないこと・技術管理者を選任すること

要件1:拒否事由(不適格要件)に該当しないこと

主な拒否事由は次のとおりです。

  • 申請書・添付書類の重要事項に虚偽記載や記載漏れがある
  • 登録の取消しから2年を経過していない(取消し前30日以内に役員だった人も同様)
  • 事業停止命令の期間が経過していない
  • 建設リサイクル法やこれに基づく処分に違反して罰金以上の刑を受け、その執行を終えた日(または執行を受けることがなくなった日)から2年を経過していない
  • 暴力団員(暴力団員でなくなってから5年を経過しない人を含む)である、または暴力団員等が事業活動を支配している
  • 法人の場合、役員の中に、上の登録の取消し・事業停止・罰金以上の刑・暴力団員のいずれかに当たる人がいる

要件2:基準に適合する技術管理者を選任していること

技術管理者とは、分別解体や機械の操作、安全管理、建設資材の再資源化などについて指導・監督を行う技術者です。次のいずれかに該当する人の選任が必要です。

  • 資格者:1級・2級建設機械施工管理技士(旧称:建設機械施工技士)、土木施工管理技士、建築施工管理技士、1級・2級建築士、技術士(建設部門)、1級とび・とび工など(2級は種別の指定や合格後の実務経験などの条件あり)
  • 登録試験の合格者:解体工事施工技士
  • 実務経験者:解体工事の実務経験が、土木工学等の学科を修めた大学・高専卒なら2年以上、同学科卒の高校卒なら4年以上、それ以外は8年以上
  • 講習受講+実務経験:解体工事施工技術講習の受講に加え、土木工学等の学科を修めた大学・高専卒で1年以上、同学科卒の高校卒で3年以上、それ以外で7年以上の実務経験

ここでいう実務経験は、解体工事の施工の指揮・監督や施工に携わった技術上の経験を指します。現場の単なる雑務や事務の経験は含まれないため、経歴の整理は慎重に行いましょう。

資格ごとの細かい条件や、500万円以上の工事を狙う場合の「建設業許可(解体工事業)の営業所技術者(旧称・専任技術者)」との違いは、「解体工事に必要な資格とは?登録の技術管理者と許可の専任技術者の違い」で一覧表つきで解説しています。

神奈川県の申請先・手数料・有効期間

神奈川県知事登録の窓口・費用・期間は次のとおりです。登録申請に必要な書類は、県の「登録申請に必要な書類」のページと手引きで確認できます。

項目内容
申請先神奈川県 建設業課 建設業許可申請・届出受付窓口(横浜市中区日本大通33番地 神奈川県住宅供給公社ビル5階)
法定手数料新規登録 33,000円/更新 26,000円
有効期間5年間(更新申請は有効期間満了日の90日前から30日前まで)
提出部数正本・副本 各1部(合計2部)
審査期間の目安新規は約1か月、更新は約3週間

出典:神奈川県「解体工事業登録」「登録申請書の提出先と登録手数料」「登録の有効期間と登録後の手続き」および県の「解体工事業登録申請の手引き(PDF)」(いずれも2026年10月1日に確認)。

  • 手数料は、納入後に登録を受けられなかった場合でも返還されません
  • 手数料の納付は原則キャッシュレス決済(クレジットカード・2次元バーコード決済など)です。交通系ICカードなど、支払いやチャージに上限のある決済手段は、金額によっては使えません。キャッシュレス決済が難しい場合は、窓口で納付書を受け取り、金融機関やコンビニなどで支払ってから納付済証を窓口へ出す方法もあります(神奈川県の収入証紙は令和8年4月1日以降は使えません)。受付時間は変更される場合があるため、来庁前に県の最新案内をご確認ください
  • 更新を受けないまま有効期間が過ぎると、登録は失効します

登録後にも義務があります

  • 標識の掲示:営業所と工事現場の見やすい場所に標識を掲示します
  • 帳簿の備え付け:営業所ごとに帳簿を備え、解体工事ごとに作成します。帳簿と添付書類(請負契約書の写しなど)は、各事業年度の末日で閉じ、その後5年間保存します
  • 技術管理者の現場配置:工事現場には、登録の際に選任した技術管理者を監督者として置きます
  • 変更届・廃業等届:商号・営業所・役員・技術管理者などの変更や廃業は30日以内に届け出ます

なお、個人事業主の法人成りや親から子への事業承継では、登録を引き継ぐことができず新規登録が必要です。法人化を予定している方は、登録のタイミングにご注意ください。

500万円以上を請けたいなら建設業許可へステップアップ

登録のままでは、原則として請負金額500万円未満(建築一式工事に該当する場合は1,500万円未満)の解体工事しか請け負えません。元請からの受注を増やしたい、より大きな工事も手がけたいという場合は、建設業許可(解体工事業)の取得が選択肢になります。

  • 許可を取得すれば、500万円以上の解体工事も請け負えるようになります(特定建設業の金額基準など近年の建設業法改正の動向は建設業法改正の解説記事をご覧ください)
  • 土木・建築・解体の建設業許可を受けると登録は不要になり、それまでの登録は効力を失います(建設リサイクル法第21条第1項・第5項)。登録を受けていた方は、許可を受けたことを県へ通知します(神奈川県では「建設業許可取得届」。解体工事業に係る登録等に関する省令第1条)
  • 登録には5年ごとの更新や引継ぎ不可といった制約がありますが、許可業者になることで対外的な信用の面で評価される場面もあります

建設業許可の要件や取得の流れは秦野市の建設業許可サポートページで詳しく解説しています。当事務所の費用の最新情報は料金表をご確認ください。

まとめ:迷ったら無料の事前確認をご利用ください

  • 請負金額500万円未満の解体工事のみ → 建設リサイクル法に基づく神奈川県知事への登録
  • 500万円以上の解体工事を請ける → 建設業許可(原則として解体工事業)が必要
  • 土木・建築・解体いずれかの建設業許可がある → 登録は不要(500万円以上の解体工事を単独で請け負うには、原則として解体工事業の許可が必要)
  • 登録には技術管理者の選任が必須。有効期間は5年で、更新は満了日の90日前から30日前までに申請

やさしい行政書士事務所では、登録と許可のどちらが必要かの要件の事前確認を無料で行っています。費用が発生するのは、税込のお見積りにご納得いただき、ご依頼いただいた後だけです。秦野市を中心に、平塚・厚木・伊勢原・小田原など県西部から神奈川県全域まで対応しています。

お電話(0463-57-8330・平日9:00〜18:00)またはお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年6月時点の神奈川県公式資料等に基づいて作成し、2026年10月に法令(e-Gov)と県の公式ページを確認して一部を修正しました。手数料・受付方法・金額基準などは年度や法改正により変わることがあります。最新の情報は国土交通省・神奈川県の公表資料をご確認ください。※登記・税務など他士業の独占業務に関するご相談は、提携する司法書士・税理士・弁護士をご紹介します。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。