「産業廃棄物のマニフェスト(管理票)のことは、下請けさんが処分業者とやり取りしてくれているから大丈夫」。もしそう思っているなら、少し立ち止まってください。
建設業では、この考え方が思わぬ落とし穴になります。法律上、現場から出る産業廃棄物の交付義務者(排出事業者)は、下請ではなく元請であるあなたになるのが原則だからです。
この記事では、神奈川県央エリア(秦野・伊勢原・平塚・厚木など)で建設業を営む社長・現場責任者の方に向けて、マニフェストを正しく運用するために押さえておきたいポイントを、交付の原則から期限、年に一度の報告書、罰則まで順番に整理しました。
📋 この記事の執筆・監修
やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(神奈川県秦野市)。産業廃棄物収集運搬業許可や建設業許可の申請を扱う行政書士が、廃棄物処理法・同施行令・同施行規則の現行条文と、神奈川県公式ページの情報にもとづいて執筆しています。主な記述には根拠となる条番号を付けています。
なお、法律の正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」ですが、この記事では通称の「廃棄物処理法」と表記します。
目次
そもそも「マニフェスト」とは?──産業廃棄物を出した人が背負う責任
マニフェストの正式名称は産業廃棄物管理票です。法律上も「管理票」と呼ばれます。
交付義務者は、その事業活動によって産業廃棄物を出した事業者(排出事業者)です(廃棄物処理法第12条の3第1項)。排出事業者とは、簡単に言えば「その廃棄物を出した責任者となる会社」のことです。
ここで大事なポイントが2つあります。
- マニフェストの義務が発生するのは、運搬または処分を「他人に委託する」場合だけです。自社の産廃を自社の車で運ぶだけなら、そもそも「他人への委託」にあたらないため、マニフェストは不要です(廃棄物処理法第12条の3第1項)。
- 交付のタイミングは、産業廃棄物を引き渡すのと同時です。後日まとめて発行するものではありません。
「自社運搬なら許可もマニフェストも要らない」という原則は、後の章の誤解ほぐしにもつながる大事な前提なので、覚えておいてください。
建設工事では「元請」のあなたが産業廃棄物の排出事業者になります(廃棄物処理法第21条の3)
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいポイントです。
建設工事は、元請→下請→孫請と、何段階もの請負(数次の請負)で行われることがよくあります(建物などを解体する工事も含みます)。この場合、工事に伴って出る廃棄物については、注文者から直接工事を請け負った建設業者=元請業者を「事業者とする」と法律で定められています(廃棄物処理法第21条の3第1項)。
つまり、実際に廃棄物を出したのが下請の作業であっても、マニフェストを交付する義務を負うのは元請であるあなたです。「下請が処分業者とやり取りしているから安心」ではなく、その取引の法的な責任者はあなたなのです。
なお、下請が現場で廃棄物を一時的に保管する行為については、下請自身も事業者とみなされます(廃棄物処理法第21条の3第2項)。保管の管理責任までは下請にもあるということです。
下請が自分で運べる「例外」──5つの条件をすべて満たしたときだけ
例外として、一定の条件をすべて満たす場合に限り、下請が自分で廃棄物を運搬してよいことになっています(廃棄物処理法第21条の3第3項、廃棄物処理法施行規則第18条の2)。「一部を満たせばOK」ではなく、全部そろって初めて有効です。
- 書面による請負契約で、下請が自ら運搬する旨を定めていること
- 対象工事が、解体工事・新築工事・増築工事を除く工事で請負代金500万円以下のもの、または引き渡し済みの建築物などの瑕疵修補工事(引渡し後の手直し・補修。いわゆるアフターメンテナンス)で相当額500万円以下のものであること
※瑕疵修補は、自社で無償対応する場合も「請負人に施工させたとしたら適正な請負代金はいくらか」で500万円以下かを判定します(廃棄物処理法施行規則第18条の2第1項1号ロ)。 - 1回あたりの運搬量が1立方メートル以下であることが分かるように区分して運搬すること
- 廃棄物が出た都道府県または隣接県内にあり、元請が所有権または使用権原(借りているなど、正当に使う権利のこと)を持つ施設(積み替え・保管場所を含む)へ運搬すること
- 運搬の途中で保管をしないこと
⚠️ 建設業許可の「500万円」と混同しないでください
建設業許可がいらない「軽微な建設工事」は、請負代金が500万円に満たない工事(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅)です(建設業法施行令第1条の2第1項)。一方、ここで説明している下請の自ら運搬の例外は500万円以下。別の法律の別の基準で、ぴったり500万円のときに結論が変わります。
特別管理産業廃棄物・特別管理一般廃棄物(通常の産業廃棄物より厳しい規制がかかる廃棄物です)は、この例外の対象外です。
⚠️ アスベストは2種類あります。全部が特別管理産業廃棄物ではありません
改修・解体では必ず出てくる論点なので、分けて覚えてください。
① 廃石綿等=特別管理産業廃棄物
石綿建材除去事業で取り除いた吹付け石綿や、石綿保温材・けいそう土保温材・パーライト保温材(これらと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材・断熱材・耐火被覆材を含む)。除去工事で使って捨てるプラスチックシート・防じんマスク・作業衣なども入ります(廃棄物処理法施行令第2条の4第5号ト、同施行規則第1条の2第9項)。→ 上の例外は使えません。
② 石綿含有産業廃棄物=特別管理産業廃棄物ではありません
工作物の新築・改築・除去で生じた産業廃棄物のうち、石綿を重量の0.1パーセントを超えて含むもの(廃石綿等を除く)。スレートなどの成形板がこれにあたります(同施行規則第7条の2の3)。特別管理ではありませんが、これが含まれる場合はマニフェストにその数量を記載する義務があります(同施行規則第8条の21第11号)。書き忘れの多いところです。
さらに注意したいのが分割契約です。同一の者が2つ以上の契約に分割して請け負ったときは、1つの契約として合算して判定されます(廃棄物処理法施行規則第18条の2第2項)。正当な理由に基づく分割は別ですが、「金額を分ければ例外に乗れる」という発想は通用しません。
そしてもう一つ重要な点として、解体工事・新築工事・増築工事はこの例外の対象そのものから除かれています。つまり解体現場で下請が廃棄物を運ぶ場合、この例外に頼ることは基本的にできず、元請であるあなたが交付する原則に戻ります。解体工事にまつわる周辺手続きは、解体工事業の登録は必要?神奈川県の手続き・要件や建設リサイクル法 届出の書き方もあわせてご確認ください。
例外に乗った下請が、さらに他社へ委託するときは?
上の例外で下請が自ら運搬できる場合でも、その下請が運搬や処分を他人に委託するときは、話が変わります。このときはその下請自身が事業者とみなされ、下請がマニフェストを交付することになります(廃棄物処理法第21条の3第4項)。
「元請がやるはずだから」と双方が譲り合って、結果的に誰も交付していないというのが、いちばん危ない状態です。契約時に「誰が排出事業者として交付するのか」を書面で決めておいてください。
そもそもマニフェストがいらないケースもあります
次のような委託は、マニフェストの交付が不要とされています(廃棄物処理法施行規則第8条の19)。
- 市町村または都道府県に運搬・処分を委託する場合
- 専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみを、それだけを扱う業者に委託する場合
- 広域認定・再生利用認定(廃棄物処理法第15条の4の2、第15条の4の3)を受けた者への、その認定に係る委託 など
「うちは有価で引き取ってもらっているから」という思い込みで判断せず、その委託が上のどれかに当てはまるのかを確認してください。当てはまらなければ、交付義務があります。
自社運搬なら、許可もマニフェストも不要です
自社の廃棄物を自社の車で運ぶだけなら話は別です。根拠は2つに分かれます。
- 収集運搬業の許可が不要:事業者が自らその産業廃棄物を運搬する場合は、許可の対象外です(廃棄物処理法第14条第1項ただし書)
- マニフェストが不要:交付義務は「他人に委託する場合」に生じるものなので、自社運搬はそもそも対象になりません(廃棄物処理法第12条の3第1項)
「解体業者は必ず産廃の許可を持っていないといけない」というのは正確ではありません。自社運搬に徹する業者と、他社から運搬を委託される業者とでは、必要な許可がまったく違います。
もし今後、元請として下請の分もまとめて自社で運びたい場合や、他社の廃棄物運搬を請け負いたい場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。詳しくははじめて産業廃棄物収集運搬許可の依頼をご検討中のお客様へをご覧ください。
委託先は「許可証があるか」でなく「何を・どこで運べるか」まで見る
廃棄物の運搬を委託するとき、多くの方が「許可証を持っているか」だけを確認して終わっています。ですが、それだけでは足りません。
委託先には条件があります。その産業廃棄物の運搬(または処分)を業として行うことができる者であること。そして、委託したい産業廃棄物の種類が、その事業の範囲にきちんと含まれている者であることです(廃棄物処理法施行令第6条の2第1号・第2号)。
産業廃棄物の収集運搬業は、業を行おうとする区域(運搬だけなら積み下ろしを行う区域)を管轄する都道府県知事の許可が必要です(廃棄物処理法第14条第1項)。実務上は、積む場所と降ろす場所、両方の都道府県の許可を持っているかを見る必要がある、ということです。
つまり確認すべきは、次の2点です。
- 許可証に記載された品目に、委託したい産業廃棄物が入っているか
- 許可証に記載された事業の区域が、積む場所・降ろす場所の両方をカバーしているか
「許可証を見せてもらった」で終わらせず、品目と区域まで具体的に照合することが大切です。
契約は必ず書面で、運搬と処分はそれぞれの相手と
排出事業者は、運搬は収集運搬業者へ、処分は処分業者へ、それぞれ委託しなければならないとされています(廃棄物処理法第12条第5項)。運搬と処分をまとめて一社に丸投げする形にはなりません。
そのうえで、委託契約は書面で結びます(廃棄物処理法第12条第6項、廃棄物処理法施行令第6条の2第4号)。契約書には、少なくとも次の事項を書き込み、許可証の写しなど環境省令で定める書面を添付します。
- 委託する産業廃棄物の種類および数量
- 運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
- 処分・再生を委託するときは、その場所の所在地・方法・施設の処理能力
- 中間処理を委託するときは、最終処分の場所の所在地・方法・施設の処理能力
- そのほか、環境省令で定める事項
💡 委託契約書と添付書面は、契約が終了した日から5年間保存してください(廃棄物処理法施行令第6条の2第5号、廃棄物処理法施行規則第8条の4の3)。
委託した後も、排出事業者には処理の状況を確認し、最終処分まで適正に処理されるよう必要な措置を講じる努力義務があります(廃棄物処理法第12条第7項)。「渡したら終わり」ではない、という意識が大切です。
良い業者を選ぶ目安──許可の有効期間と優良認定
収集運搬業の許可の有効期間は、通常5年です(廃棄物処理法第14条第2項)。許可証を見せてもらうときは、品目・区域だけでなく有効期限が切れていないかも確認しましょう。
なお、優良な処理業者として都道府県から認定を受けている業者は、許可の有効期間が7年に延びます。認定制度の詳しい内容や費用については、優良産廃処理業者の認定制度、費用はいくら?で解説していますので、委託先選びの参考にしてください。
マニフェストの交付から保存・未返送時の対応まで──5つの期限
マニフェストは、交付して終わりではありません。写しが戻ってくる期限、保存する期間、戻ってこなかったときの対応まで、一連の流れで管理する必要があります。主な期限を一覧にまとめました。
| 期限 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 終了から10日以内 | 運搬受託者・処分受託者は、運搬または処分を終えた日から10日以内に管理票の写しを排出事業者(元請)へ送付する | 廃棄物処理法施行規則第8条の23・第8条の25 |
| 交付日から90日 | マニフェストを交付した日から90日(特別管理産業廃棄物は60日)を過ぎても、運搬・処分終了の写しが戻ってこないときは対応が必要 | 同施行規則第8条の28第1号 |
| 交付日から180日 | マニフェストを交付した日から180日を過ぎても、最終処分終了の写しが戻ってこないときは対応が必要 | 同施行規則第8条の28第2号 |
| 30日以内 | 上記の期間を過ぎても写しが届かない、または記載漏れ・虚偽の写しを受け取ったときは、その期間が経過した日・受け取った日・虚偽と知った日から30日以内に「措置内容等報告書」(様式第四号)を都道府県知事へ提出する | 廃棄物処理法第12条の3第8項、同施行規則第8条の29 |
| 5年間 | 自分が交付した管理票の写し(控え)と、委託先から送付を受けた写しの両方を保存する | 同施行規則第8条の21の2・第8条の26 |
ポイントは、「写しが戻ってこない」を放置しないことです。交付日から90日(特別管理産業廃棄物は60日)や180日を過ぎても戻ってこない場合は、委託先に確認するだけでなく、期限内に都道府県知事への報告が必要になります。マニフェストは、渡した後もきちんと最後まで管理して初めて役目を果たします。
😊 自社の運用が法律どおりに回っているか不安な方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
マニフェストの年次報告「交付等状況報告書」は6月30日までに忘れずに
マニフェストを交付した排出事業者には、もう一つ大事な義務があります。交付等状況報告書を都道府県知事に提出することです(廃棄物処理法第12条の3第7項)。
- 提出期限は毎年6月30日まで
- 対象期間はその年の3月31日以前の1年間(決算年度ではなく、この期間で区切ります。ここを勘違いする事業者が多い、と神奈川県も注意喚起しています)
- 産業廃棄物を出す事業場ごとに、様式第三号で作成します
- 提出先は事業場の所在地を管轄する都道府県知事(廃棄物処理法施行規則第8条の27)
建設業にとってうれしい規定もあります。工事現場のように、設置が短期間・所在地が一定しない事業場が同一都道府県内に2つ以上ある場合は、まとめて1つの事業場として報告できます(同条かっこ書き)。現場ごとに何件も報告書を作る必要はない、ということです。
そのほか、実務でつまずきやすい点を整理しておきます。
- 前年度にマニフェストを1枚でも交付していれば報告が必要です(交付がゼロなら不要)
- 電子マニフェストを利用した分は報告不要です。年度の途中で紙から電子に切り替えた場合は、紙で交付した分だけ報告します
- 未回収のマニフェストも報告対象に含めます
(出典:神奈川県公式ページ「産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付等状況報告について」2026年5月14日更新)
秦野・伊勢原・平塚・厚木エリアの提出先
神奈川県内では、事業場の所在地によって提出先の地域県政総合センターが異なります。
| 事業場の所在地 | 提出先 |
|---|---|
| 秦野市・伊勢原市・平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町・大磯町・二宮町 | 湘南地域県政総合センター 環境部環境調整課 〒254-0054 平塚市中里50-1(県平塚合同庁舎)/電話 0463-45-3150 |
| 厚木市・大和市・海老名市・座間市・綾瀬市・愛川町・清川村 | 県央地域県政総合センター(住所・連絡先は神奈川県公式ページでご確認ください) |
| 横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市内の事業場 | それぞれの市が提出先(政令市・中核市のため) |
秦野市に本社や現場事務所がある建設会社の方は、湘南地域県政総合センターが提出先になります。提出方法は郵送または持参で、受付期間は毎年4月1日から6月30日までです。
現場でよくある4つのつまずき
制度としては理解していても、実際の運用でつまずくポイントはだいたい決まっています。
① 下請が処分業者と直接契約していた
現場が回っているように見えても、排出事業者は元請です。元請名義の委託契約書とマニフェストがなければ、義務を果たしたことになりません。まず「誰の名前で契約されているか」を確認してください。
② 許可証の品目に、委託したい廃棄物が入っていなかった
「産廃の許可を持っている業者だから大丈夫」と思っていたら、委託したい品目が事業の範囲に含まれていなかった、というケースです。許可証は、会社名と有効期限だけでなく品目と区域まで読んでください。
③ 交付等状況報告を決算年度で集計していた
報告の対象期間は「その年の3月31日以前の1年間」です。3月決算以外の会社は、決算期とずれます。神奈川県も間違いが多い点として挙げています。
④ 委託契約書とマニフェストで、運搬先・処分先がズレていた
委託契約書には運搬の最終目的地の所在地と、処分・再生の場所の所在地を書く義務があります(廃棄物処理法施行令第6条の2第4号)。マニフェストにも運搬先の事業場の名称・所在地と最終処分を行う場所の所在地を書きます(同施行規則第8条の21第6号・第8号)。同じ場所を2つの書類に書くのですから、食い違っていたら、契約と違う場所へ運んでいるか、どちらかの書類が間違っているということです。委託先や処分場を変えたら、契約書とマニフェストの両方を見直してください。
「電子マニフェストは義務」という誤解を解いておきます
「電子マニフェストに切り替えないといけないのでは」と気にされる方がいますが、多くの建設会社にとってはそこまで心配する必要はありません。
電子マニフェストの利用が義務になるのは、当該年度の前々年度に、特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法施行令第2条の4第5号イからハまでに掲げるもの=PCB関連を除く)の発生量が50トン以上である事業場を設置している事業者に限られます(廃棄物処理法第12条の5第1項、同施行規則第8条の31の2・第8条の31の3)。
つまり、がれき類・木くず・廃プラスチックといった通常の建設系産業廃棄物だけを出している会社は、この義務の対象ではありません。電子化するかどうかは任意で選べます。
⚠️ ただし、前の章で見た「廃石綿等」も特別管理産業廃棄物です。この50トンの計算から外れるのはPCB関連(廃棄物処理法施行令第2条の4第5号イからハまで)だけなので、アスベスト除去を多く手がける会社は、廃石綿等が算定に入ります。前々年度の発生量を一度確認しておくと安心です。
もちろん、電子マニフェストを使えば紙の管理票を交付する必要がなくなるメリットはあります(廃棄物処理法第12条の5第1項後段・第2項)。前の章のとおり、電子で登録した分は交付等状況報告書の提出も不要です。義務ではないという前提のうえで、事務効率化として検討するのは一つの選択肢です。
マニフェストを交付しない・虚偽記載をするとどうなるか
マニフェストまわりのルールを軽く見てはいけない理由が、罰則です。
次のような行為は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(廃棄物処理法第27条の2)。
- 管理票を交付しない、または記載すべき事項を記載しない
- 虚偽の記載をして管理票を交付する
- 運搬・処分受託者が写しを送付しない、または虚偽記載をする
- 管理票または写しを保存しない
- 電子マニフェストで虚偽登録・虚偽報告をする
行政の対応は3段階です。都道府県知事は、廃棄物処理法第12条の3の規定が守られていないと認めたとき、まず勧告を行います。従わなければ公表、それでも従わなければ命令という措置を取ることができます(廃棄物処理法第12条の6)。
公表されて困るのは、罰金の額そのものよりも取引先からの信用です。だからこそ、元請としてマニフェストの交付・保存・報告を仕組みとしてきちんと回しておくことが、会社を守ることにつながります。
まとめ──建設業の社長が押さえる産業廃棄物マニフェストのチェックリスト
📢 まとめると
- 建設工事の廃棄物は、元請であるあなたが排出事業者としてマニフェストを交付するのが原則
- 下請が自分で運べるのは、書面契約・500万円以下(解体・新築・増築を除く)・1立方メートル以下・排出した都道府県または隣接県内で元請が権原を持つ施設へ運ぶ・保管なしの5条件をすべて満たすときだけ
- 例外に乗った下請でも、その下請がさらに他社へ委託するなら、下請が交付者になる
- アスベストは2種類。廃石綿等(吹付け石綿・石綿保温材など)は特別管理産業廃棄物で例外が使えず、石綿含有産業廃棄物(スレート等の成形板)は特別管理ではないがマニフェストに数量を記載する
- 委託先は許可証の品目・区域まで確認し、運搬は収集運搬業者・処分は処分業者とそれぞれ書面契約。契約書は契約終了から5年保存。契約書とマニフェストで運搬先・処分先が一致しているかも見る
- 写しの返送は終了から10日、未返送への対応は交付日から90日・180日、報告は30日以内、管理票の保存は5年間
- 6月30日までに事業場ごとの交付等状況報告書(様式第三号)を提出。工事現場は同一県内ならまとめて1件にできる
- 電子マニフェストは前々年度に特別管理産業廃棄物50トン以上の事業場だけが義務対象。普通の建設会社は任意
- 交付しない・虚偽記載は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、行政対応は勧告→公表→命令
やさしい行政書士事務所にご相談いただけること
マニフェストそのものの交付・記入は、排出事業者であるお客様ご自身が行う法定の手続きです。当事務所が代わって発行したり、廃棄物の処理・処分先の手配を行ったりすることはできません。
そのうえで、次のような周辺の書類作成・許認可申請はサポートできます。
- 産業廃棄物収集運搬業の許可申請(新規・更新・変更)
- 年1回の交付等状況報告書(様式第三号)の作成サポート
- 委託契約書の記載事項チェック、許可証の事業の範囲の確認
- 建設業許可・解体工事業登録など、周辺の許認可
💡 ご相談のときに手元にあると話が早いもの
- 産業廃棄物の委託契約書(運搬・処分それぞれ)
- 処理業者の許可証の写し
- 前年度に交付したマニフェストのおおよその枚数
「うちは元請だけど、マニフェストの運用が法律どおりできているか不安」「収集運搬業の許可を取るべきか判断してほしい」「委託契約書をチェックしてほしい」。このようなご相談は、やさしい行政書士事務所(代表行政書士 宮本 雄介)まで。
まずは無料相談から承っています
秦野市の事務所から、平塚・伊勢原・厚木・小田原など県央・県西エリアへすぐ動けます。
📞 0463-57-8330
やさしい行政書士事務所(神奈川県秦野市南矢名2123-1 オレンジハイツ今井2E)
※本記事は2026年8月5日時点の廃棄物処理法・同施行令・同施行規則の現行条文(e-Gov法令検索)および神奈川県公式ページ(2026年5月14日更新)の情報にもとづいて作成しています。個別の事案については解釈が分かれる場合がありますので、都道府県の担当課または当事務所へご相談ください。