建設業

外国人就労管理システムとは?建設業の特定技能で入社日を落とさない順番と期限

外国人就労管理システム 認定まで3か月以上かかることを示すアイキャッチ

「外国人就労管理システムに登録してください、と言われたんですが……これ、何ですか?」

特定技能の外国人を採用しようとした建設会社の社長さまから、こういうご相談をいただくことがあります。

検索すると、操作マニュアルや画面の説明はたくさん出てきます。でも、いちばん知りたいことが書いていない。なぜ建設業だけ、このシステムを触らないといけないのか。いつまでに何をすれば、予定どおりの日に入社してもらえるのか。

ここを知らないまま進めてしまうと、実際にこんなことが起きます。

  • 入社日を4月1日と決めて本人にも伝えたのに、認定が下りず、在留資格の許可も出ない
  • JAC(建設技能人材機構)の会員証が届くまで数か月かかると知らず、申請ボタンにたどり着けない
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録が「申請中」のまま出そうとして、そもそも申請できない

この記事では、外国人就労管理システムについて、操作の説明ではなく「制度の建付け」を整理します。誰が・何を・いつやるのか。どこで止まるのか。神奈川県(=関東地方整備局の管内)で実際にどれくらい時間がかかるのか。

やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介が、国土交通省の手引き(令和7年4月4日版)・運用要領(令和7年1月31日一部改正)・関東地方整備局の公表内容を実際に確認したうえで執筆・監修しました。情報は2026年8月24日時点のものです。

目次

この記事でわかること(結論を先に)

  • 外国人就労管理システムは、国土交通省に「建設特定技能受入計画」を出すための専用システムです。建設分野だけにある、入管とは別のもう一つの審査の窓口です
  • この認定証がないと、入管(地方出入国在留管理局)の許可・交付は受けられません。申請自体は認定前でも出せますが、最後の一歩で必ず認定証が要ります
  • 関東地方整備局では、補正が一切なくても申請から認定まで3か月〜3か月半を見込んでいます。補正があればさらに延びます
  • 申請できるのは雇用契約初日の半年前から。ただし申請にはJACの会員証とCCUS事業者IDが揃っている必要があり、とくにJACの会員証は発行まで数か月〜半年かかる団体があります。そこから逆算した当事務所の実務上のおすすめは「8〜10か月前」に着手です(この数字は公式に定められたものではなく、下の公表値からの逆算です)
  • 申請ボタンを押す前に、外部の発行を待つCCUSの事業者登録・JACの会員証・ハローワークの求人票へ先に着手を。とくにJACの会員証は団体によって発行まで数か月〜半年かかります(手引きの添付書類一覧は書類No.1〜16まであり、この3つで終わりではありません)
  • 入管への申請は、認定を待たずに並行して出せます。認定証が要るのは「許可・交付」の場面だけです
  • 就労が始まったら原則1か月以内に受入報告。変更・退職・2号移行も、すべてこのシステムから報告します

まず前提をひとつ。特定技能と、建設業許可(建設業法第3条第1項の許可)は別の制度です。ただし建設分野では、その建設業許可を持っていることが特定技能の受入れ条件にもなっています。この記事はその接点の話です。

外国人就労管理システムとは? 国交省に受入計画を出すための専用システム

一言でいうと「建設分野だけにある、もう一つの審査の窓口」

外国人就労管理システムは、国土交通省が運用しているオンラインシステムです。正式には「外国人就労管理システム【特定技能制度(建設分野)】」といいます。

ポータル(入口)のアドレスは次のとおりです。

https://gaikokujin-shuro.keg.jp/gjsk_1.0.0/portal

(出典:国土交通省「建設特定技能受入計画のオンライン申請について【受入報告・退職報告・2号移行報告】」令和7年4月4日)

「mlit.go.jp」ではないので、初めて見ると「本物?」と不安になるかもしれません。国土交通省の手引きに記載されている正規のアドレスです。

このシステムは、建設分野で特定技能1号の外国人を受け入れる会社が、「建設特定技能受入計画」の認定を国土交通大臣から受けるために使います。

他の業種にはない、建設業だけの追加ルール

特定技能には多くの分野がありますが、受入計画の認定という手続きが乗っているのは建設分野です。飲食店や介護で特定技能を採用するときには出てきません。

つまり、建設業の外国人採用は「二段構え」です。

段階誰に出す何を出す結果
国土交通大臣(外国人就労管理システム)建設特定技能受入計画認定証(告示様式第3)
地方出入国在留管理局(入管)在留資格認定証明書交付申請 など在留資格「特定技能1号」の許可

このうち①を担当するのが外国人就労管理システムです。①が終わらないと②が完結しません。理由は次の章で、条文レベルで確認します。

システムでできる主な手続き

外国人就労管理システムで行う手続きは、大きく次のとおりです。採用して終わりではなく、在籍中ずっと使い続けるシステムだという点が重要です。

手続きいつ使うか
新規申請はじめて建設特定技能受入計画の認定を受けるとき
受入報告認定された外国人が入国し、就労を開始したとき
変更申請賃金・業務区分・受入人数・許可番号など、認定証の記載事項を変えるとき
変更届出変更申請が必要な事項以外を変えたとき
退職報告特定技能外国人が退職したとき
再雇用申請一度出国した外国人を、もう一度雇い入れるとき
2号移行報告特定技能1号から2号に移行したとき
外国人の取下げ認定後に入国を取りやめたとき

(出典:国土交通省「申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】」)

使う前に知っておきたいシステムの制約

操作そのものはこの記事の主題ではありませんが、知らないと事故になる制約があります。国土交通省が公式ページと操作説明書で注意している内容です。

1. IDは1企業に1つだけ

「1企業に対して複数の認定番号を発行することは出来ないため、同じ企業で複数のIDを利用することは出来ません」

現場ごと・担当者ごとにIDを分けることはできません。社内で1つのIDを共有して使う形になります。

2. 同時に触ると、入力が消えることがある

「同じIDについて複数のPCで同時に編集したり、同じPCで複数画面開いて操作を行いますと、全てのデータがクリアされることがあります」

IDが1つなので、「事務員さんと社長が同時に開いていた」だけで入力が飛ぶおそれがあります。誰が触るか、社内で決めておいてください。

3. 仮登録は必ず会社のメールアドレスで

最初の利用者仮登録は、受入企業自身のメールアドレスで行います。ここで登録したメールアドレスは、新規申請の「特定技能所属機関」の情報として使われます。ID・パスワードは、必ず受入企業が把握できる状態にしておいてください。

支援機関や外部の担当者のメールで登録してしまうと、後で会社側が自分の計画を触れなくなります。実務では、これが地味に困ります。

4. 深夜は止まります

操作説明書に明記されています。

本システムの利用可能時間帯は、AM4:00~翌AM1:00までとなっています。AM1:00~AM4:00はシステムが停止いたしますので、ご注意ください。

締切前夜に徹夜で入力、は通用しません。

なお、動作保証されているOSはWindows 10 Pro(32bit・64bit)と11 Proです。ブラウザのポップアップブロックは解除しておく必要があります。

なぜ登録が必要?「認定証がないと在留資格の許可が出ない」から

国土交通省の認定証と入管の許可・交付の関係を示す図

ここがこの記事のいちばん大事なところです。

「システムに登録してください」と言われる本当の理由は、入管の許可が認定証とセットになっているからです。運用要領(国のガイドライン)に、はっきり書かれています。

建設分野において1号特定技能外国人を受け入れる場合には、国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定を受けなければなりません。国土交通省への建設特定技能受入計画の申請後、当該計画の認定前に、地方出入国在留管理局に対する在留諸申請を行うことができますが、地方出入国在留管理局による在留諸申請に係る許可・交付を受けるためには、建設特定技能受入計画の認定証の写しの提出が必要となりますのでご注意ください。【告示第2条第1号イ】

(出典:法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-建設分野の基準について-」令和7年1月31日一部改正、14頁)

読み解くと、こうなります。

  • 入管への申請だけなら、認定前でも出せる(並行して進められる)
  • でも、許可・交付を受けるには、認定証の写しが必要
  • つまり、認定証を提出できるようになるまで、入管の許可・交付には進めない

「入管に出したから、あとは待つだけ」ではありません。認定のほうが遅れれば、入社日はそのぶん後ろにずれます。

認定を受けても、在留資格が下りないことはある

もうひとつ、誤解されやすい点です。関東地方整備局が明記しています。

※国土交通省の認定を受けた場合であっても、地方出入国在留管理官署の審査により特定技能の在留資格が認定されない場合があります。

国交省の認定は「入管の許可の予告」ではありません。別々の審査です。認定が下りても、入管で不許可になることはあり得ます。

国交省の認定は「労働法令のお墨付き」でもない

これも同じページに書かれています。

※国土交通省の認定は提出された雇用条件書や各種書面の内容が労働基準法などの労働関係法令に照らして適法な内容であることを認定したものではありません。国土交通省の特定技能外国人受入に関する認定基準を満たしていることだけを認定したものになります。

つまり、認定されたからといって「うちの雇用契約書は労基法上OK」と保証されたわけではありません。36協定や変形労働時間制などの適否は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。

ただし誤解しないでほしいのは、36協定届そのものは申請の必須添付書類だということです(後述)。「労基署の話だから今は関係ない」ではありません。

逆算スケジュール:申請は「雇用契約初日の半年前」から

では、いつ動き出せばいいのか。ここは地域によって混み具合が違うので、神奈川県を管轄する関東地方整備局の実数で見ていきます。

関東地整の公表値:補正がなくても3か月〜3か月半

関東地方整備局は、申請の混雑状況を公表しています。

関東地方整備局では現在、非常に多数の申請を頂いている状況のため、全く補正がない場合でも申請から認定まで3ヶ月~3ヶ月半程度を見込んでいます。補正がある場合は、これよりもさらに認定までに時間がかかることがあります。

さらに、審査に着手するまでの期間も別に示されています。

建設特定技能受入計画の申請から審査着手までの期間は1~2ヶ月程度かかりますが、関東地方整備局では非常に多数の申請を頂いている状況が続いているため、それ以上のお時間を要する場合があります。

出したその日から審査が始まるわけではない、ということです。「申請済み」の画面のまま1〜2か月動かないことは、異常ではありません。

申請できるのは「雇用契約初日の半年前」から

一方で、早く出すぶんには制限があります。

申請は、建設特定技能の雇用契約初日の半年前から可能です。審査には時間がかかりますので、早めの申請をおすすめします。

なお、手引きの雇用条件書のチェック欄には「雇用契約開始日は、申請日から半年以上先にしないでください」とあります。つまり半年というのは、早く出しすぎることを止める上限です。「半年前に動けば足りる」という意味ではありません。

ここを取り違えると危険です。半年前に「動き出す」のでは、半年前に「申請する」ことはできません。申請にはJACの会員証とCCUSの事業者IDが要り、とくにJACの会員証は発行まで数か月〜半年かかる団体があるからです(次章)。

  • 申請できるのが:雇用契約初日の半年前から(=公表されている事実)
  • 動き出すのは:その準備期間を足して、8〜10か月前(=当事務所が実務上おすすめする着手時期。公式に定められた期限ではありません)

逆算の目安(神奈川県の会社の場合)

外国人就労管理システムの申請から認定・受入報告までの逆算タイムライン

たとえば「4月1日に入社してほしい」なら、こうなります。

時期やること
入社の8〜10か月前(前年6〜8月ごろ)CCUSの事業者登録・JACまたは正会員団体への加入手続きを開始。ハローワークに正社員の求人を出す
入社の6か月前(10月1日〜)外国人就労管理システムで新規申請(申請できる最も早いタイミング)
申請から1〜2か月審査に着手されるのを待つ
申請と並行して入管へ在留資格認定証明書交付申請を先に出しておける(認定前でも申請は可能)
申請から3〜3.5か月認定証の交付(補正がなかった場合)
認定証が出たら入管へ認定証の写しを提出 → 許可・交付
入国・就労開始原則1か月以内に受入報告

ここが時間短縮の最大のポイントです。前の章で見たとおり、入管への申請は認定前でも出せます。認定証が必要になるのは「許可・交付」の場面だけです。認定を待ってから入管に出すと、そのぶん丸ごと後ろに伸びます。並行して走らせてください。

それでもこの表には、入管側の審査期間そのものは入っていません。海外から呼ぶ場合は、在留資格認定証明書の交付を待ち、さらに現地でのビザ発給・渡航準備が続きます。「半年前ぴったりに出せば余裕」ではなく、半年前が最低ラインとお考えください。

補正が入ると、この後ろにさらに積み上がります。そして補正後に再申請すると、順番は並び直しになります。手引きに明記されています。

引き戻し・再編集後に再申請を行うと、順番は並び直しとなり再申請日の順番に審査が開始されます。

つまり差戻しは「少し遅れる」ではなく「列の最後尾に戻る」ということです。だからこそ、最初の一発で通すことが何より効きます。

外部の手続で時間がかかる3つ(ここから先に着手)

CCUS事業者登録 JACの会員証 ハローワーク求人票の3つを先に着手する図

関東地方整備局は、必要事項の未入力・必要書類の未添付があると内容審査を行わずに差し戻すと明記しています。つまり、中身を見てもらう前の段階で止まることがあります。

なかでも、自社の努力だけでは短縮できない=外部の発行を待つしかないのが次の3つです。ここから先に着手してください。

⚠️ この3つで全部ではありません。手引きの添付書類一覧は書類No.1〜16あります。3つはあくまで「時間がかかるので先に着手すべきもの」で、必須添付の全部ではありません。残りはこの章の最後にまとめます。

「この3つさえ揃えれば申請できる」という意味ではありません。(No.1〜16のうち一部は、代理申請を行う場合・変形労働時間制を採用している場合など条件付きです)

① 建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録

手引きにはこう書かれています。

事業者IDは必ず取得してからでないと申請できません。

「登録申請中」では受入計画の申請ができません。CCUSの登録には一定の時間がかかります。特定技能を使うと決めた時点で、まず着手してください。

外国人本人についても、CCUSの技能者登録が必要です。ただし、申請時にまだ海外にいる方は例外があります。

技能者IDは、特定技能外国人になろうとする人が申請時に日本の在留資格をもっていない状態で海外に居住している場合には、申請会社で勤務開始後、速やかに技能者登録申請を行い、技能者IDが発行されたら受入報告から技能者IDを修正してください。

もうひとつ、あとで効いてくる選択があります。

技能者登録は簡略型でも詳細型でも構いませんが、レベル判定は詳細型でしか受けることができません

昇給の条件や資格手当にCCUSのレベルアップを使う会社、そして将来2号特定技能を考えている場合は、最初から詳細型で登録しておくのが安全です。あとから詳細型に変えることもできますが、二度手間になります。

CCUSのレベル判定については、CCUSレベルアップの条件|6職種は何年かかる?早見表つきでくわしく解説しています。一人親方の方の費用は建設キャリアアップシステム(CCUS)一人親方の費用は?内訳4つを行政書士が解説をご覧ください。

② JAC(または正会員団体)の会員証

ここがいちばん時間を読み間違えるポイントです。手引きの注意書きをそのまま引用します。

JAC又はJACの正会員団体の会員証の添付は申請時の必須書類です。加入申込書や加入申込書の受理票などでは申請はできませんのでご注意ください。

団体によっては、申込みから会員証の発行まで数ヶ月~半年かかる場合があるようです。また、団体によっては、加入要件があり、入会を希望しても入会できないこともありますので、特定技能制度を利用することが決まったら、早めに加入手続きをされることをお勧めします。

「申し込んだ」では足りません。会員証が手元にあることが条件です。半年かかる団体があるということは、JACの手続きだけで入社日が半年ずれることがある、ということです。

もうひとつ、意外と知られていない緩和があります。

JAC又はJACの正会員団体のいずれかに加入していればよく、特定技能外国人に従事させる業務と、加入する団体のカテゴリーの一致は求めていません。

たとえば「海洋土木」で受け入れる会社が、別カテゴリーの団体に入っていても、認定申請上は問題ありません(その団体の入会要件を満たす必要はあります)。

なお、各団体ごとに国交省へ届け出ている会員証の様式が決まっています。手元の会員証で認定が受けられるか、申請前に必ずその団体に確認してください。様式が違うと認定できません。

③ ハローワークの求人票

3つ目は求人票です。条件が細かいので、そのまま挙げます。

  • 申請日から直近1年以内のもの
  • フルタイムかつ建築・土木の作業員の募集であること
  • 正社員の募集に限る
  • ハローワークに求人を出したことがない場合は、一度出して、その求人票を提出する

なぜ必要なのか。手引きは理由まで説明しています。

求人票を添付していただく理由は、認定要件の1つである「職員の適切な処遇、適切な労働条件を提示した労働者の募集その他の国内人材の確保の取組を行っていること」(告示第3条第3項第1号ホ)を満たしていることを証明するためです

特定技能は「国内人材の確保に努めてもなお足りない場合」に使える制度です。だから、国内で募集した証拠が要ります。

そして、ここに落とし穴があります。

求人票に記載された月給額も審査の対象です。例えば、経験不問で月給額25万円~という内容の求人票を添付しているのに、1号特定技能評価試験に合格した特定技能外国人の基本賃金(月額)が23万円であった場合、同等技能を有する日本人と同等以上の報酬であるとは認められません。

自社の求人票より低い給与では、認定されません。しかも上の例では、単に25万円あればよいのではなく、「25万円に3年分の昇給が加算された額」でなければ同等以上とは認められない、とされています。

求人票と雇用条件書は、必ずセットで見直してください。

残りの必須添付(ここを落として差し戻される)

上の3つに気を取られて、社内にあるはずの書類を落とすケースが目立ちます。手引きの添付書類一覧(書類No.1〜16)から、忘れられやすいものを挙げます。

書類注意点
時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)労働基準監督署へ提出したもの。「労基署に確認する話」ではなく、申請の必須添付です
就業規則・賃金規程・退職金規程労働基準監督署に提出したものの写し。常時10人以上の労働者を使用しておらず、作成していない場合は提出不要
変形労働時間に係る協定書・協定届・年間カレンダー変形労働時間制を採用している場合のみ。有効期間内のもの
登記事項証明書(履歴事項全部証明書)申請日より3か月以内の発行。全ページ。登記情報提供サービスの出力は不可(法務局発行のもの)
常勤職員数を明らかにする文書社会保険の加入確認書類
同等の技能を有する日本人の賃金台帳直近1年分。賞与を含む
同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類経歴書等・様式任意
特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し全員分
雇用契約に係る重要事項事前説明書(告示様式第2)全員分

添付のしかたにも指定があります。複数の書類を1つのPDFにまとめない(雇用契約書と雇用条件書だけはまとめてよい)、1書類1ファイルで「誰の何の書類か」が分かる名前を付ける1枚ずつバラバラにしない

行政書士が代理申請する場合は、これに委任状と行政書士証票が加わります。

認定条件のチェックリスト

手引きの冒頭に、認定条件がまとめられています。申請前のセルフチェックにお使いください。

受入企業に求められる主な条件(10項目)

#条件
1建設業許可を受けていること(建設業法第3条第1項の許可)
2CCUSで事業者登録が完了していること(登録申請中では申請できません)
3建設技能人材機構(JAC)の会員になっていること(加盟申請中では申請できません)
4申請の日前5年以内、または申請の日以後に、建設業法に基づく監督処分を受けていないこと(建設業法第29条第1項第5号による処分は除かれます
5特定技能外国人と同じ職種での正社員の募集を行っていること(ハローワークでの募集)
6建設特定技能外国人の人数が、常勤の職員数を超えないこと
7特定技能外国人の待遇を、無期雇用のフルタイム社員(正社員)と同等もしくは同等以上にすること
8受入後に、労働安全衛生法に基づく特別教育などの安全衛生教育を行うこと
9受入後に、5年間の在留期間を見据えた技能の向上を図るよう努めること

6番の「常勤の職員数」には、外国人技能実習生と1号特定技能外国人は含めません(運用要領)。ここを数え間違えると人数枠がずれます。

10番目として、「上記1〜9を確認したうえで、外国人就労管理システムへ書類を添付し、必要項目を入力すること」が挙げられています。

4番の「除かれる処分」について補足します。告示の原文は「建設業法に基づく監督処分(同法第29条第1項第5号による処分を除く。)を受けていないこと」です(運用要領17頁・告示第3条第3項第1号ニ)。建設業法29条1項5号は、廃業届の提出や法人の解散など(同法12条各号)にともなう職権での許可の取消しで、制裁としての処分ではありません。一部の業種を廃業して許可が取り消された、といったケースはこの基準の対象外です。 ただし、手引き本体は「指示処分、営業停止処分、取消処分いずれにおいても処分が下されてから5年間は受入れができません」と簡略に書いています。心当たりがある場合は、申請前に地方整備局へ個別に確認してください。

外国人本人について求められる主な条件(8つ)

#条件
1CCUSの技能者登録が完了していること(海外在住の方は入国後に速やかに登録)
2就労する業務内容が建設業の工事であること
3業務区分と、合格が必要な試験・修了した技能実習等の対応関係が適切であること
4同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を安定的に支払うこと
5技能の習熟に応じて昇給を行うこと
6重要事項事前説明書で、認定条件を満たした内容を本人に説明していること
7説明書および認定条件を満たした条件で雇用契約を締結していること
8上記を確認のうえ、システムへの書類添付・必要項目の入力を行うこと

業務区分は、令和4年8月30日の統合により「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分になっています。ただし、重要事項事前説明書(告示様式第2)の業務内容欄に、この区分名だけを書くのは不可です。手引きは「業務内容を単に『土木』『建築』『ライフライン・設備』などと記載したものは重要事項を説明したものと認められません。外国人にも具体的にわかるように記載して下さい」としています(書類No.16の注記)。なお同説明書は雇用条件書と同一内容である必要があるため、実務では雇用条件書側も具体的に書くことになります。

賃金は「月給制」。ここは選べません

手引きの雇用条件書チェック欄に、明記されています。

建設分野の1号特定技能外国人は月給制としています

日給制・時給制では認定されません。建設業では、ここでつまずくご相談をよくいただきます。

「うちは全員が日給だから」は通りません

運用要領が認定できないとしているのは日給制・時給制です。そして理由まで書いたうえで、逃げ道をふさいでいます。

日給制や時給制の場合、季節や工事受注状況による仕事の繁閑によりあらかじめ想定した報酬予定額を下回ることもあり、報酬面のミスマッチが特定技能外国人の就労意欲の低下や失踪等を引き起こす可能性を否定できません。

したがって、特定技能外国人については安定的な報酬を確保するため、仕事の繁閑により報酬が変動しないこと、すなわち月給制(※)によりあらかじめ特定技能外国人との間で合意を得た額の報酬を毎月安定的に支払うことが必要です。特定技能所属機関で雇用している他の職員が月給制でない場合も、特定技能外国人に対しては月給制による報酬の支払が求められます。

(出典:運用要領23頁「(報酬の支払形態)」)

社内の日本人職人が全員日給月給でも、特定技能外国人だけは月給制にしなければならない、ということです。「社内で揃えたい」という理由は通りません。

そもそも「月給制」とは何を指すのか

運用要領が定義しています。ここを取り違えると、月給制のつもりで不認定になります。

※ 本要領において「月給制」とは、「1カ月単位で算定される額」(基本給、毎月固定的に支払われる手当及び残業代の合計)で報酬が支給されるものを指します。

さらに、

  • 1カ月あたりの所定労働日数が変動しても、変形労働時間制で1カ月の所定労働時間数が変動しても、「1カ月単位で算定される額」で支給しなければなりません
  • 「1カ月単位で算定される額」が、同等の技能を有する日本人技能者に実際に支払われる1カ月あたりの平均的な報酬額と同等であることが求められます

⚠️ 雨で現場が止まった日を「欠勤」にできません

雨天中止の多い建設業では、ここの設計を先に決めておく必要があります。運用要領は、控除してよい欠勤とダメな休業を明確に分けています。

※ 特定技能外国人の自己都合による欠勤(年次有給休暇を除く)分の報酬額を基本給から控除することは差し支えありませんが、会社都合や天候を理由とした現場作業の中止等による休業について欠勤の扱いとすることは認められません。天候を理由とした休業も含め、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、労働基準法に基づき、平均賃金の60%以上を支払う必要があります。また、休業する日について本人から年次有給休暇を取得する旨の申出があった場合、年次有給休暇としても問題ありません。

(出典:運用要領24頁)

整理すると、こうなります。

休んだ理由受入計画の認定基準での扱い
本人の自己都合による欠勤(年休を除く)基本給から控除してよい
雨などの天候で現場が中止欠勤にできない
会社都合の休業(仕事がない等)欠勤にできない
本人が年次有給休暇を申し出た日年休として処理してよい

ここで2つの話を混ぜないでください。

  • 受入計画の認定基準の話=天候・会社都合の休業を「欠勤」として扱えない。つまり「1カ月単位で算定される額」を減らせないということです
  • 労働基準法の話=そのうち「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たる場合には、労働基準法第26条により平均賃金の60%以上の休業手当が必要です

60%は労働基準法上の下限であって、「雨の日は60%に減らしてよい」という意味ではありません。認定基準の側では、そもそも欠勤扱いにできないからです。

なお、天災事変などの不可抗力による休業が「使用者の責に帰すべき事由」に当たるかどうかは、事案ごとの判断になります。個別の判断は所轄の労働基準監督署にご確認ください(当事務所は労務の専門家ではありません)。

つまり、「雨の日は引く」という建設業の一般的な運用を、そのまま特定技能外国人に当てはめることはできません。雇用条件書を作る前に、ここを社内で決めておいてください。

支払方法と昇給

  • 口座払いにすること(本人に理由を丁寧に説明し、同意を取る)。デジタル払い(厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動)も選択できます
  • 家賃・水道光熱費・Wi-Fi等の通信費を給与から控除するなら、必ず労使協定を締結する(協定がなければ、社会保険料・雇用保険料・所得税・住民税などの税金以外は控除できません)
  • 昇給は必須です。専ら勤続年数のみを条件とする毎年の所定内賃金の上昇、または概ね1年以内に達成されることが確実と見込まれる事項を条件とする昇給が求められます
  • 資格・技能検定の取得やCCUSのレベルアップを昇給の条件にする場合は、その昇給見込額等をあらかじめ雇用契約と受入計画に記載しておく必要があります
  • 賞与・各種手当・退職金も日本人と同等に。特定技能外国人だけが不利になる条件は認められません
  • ⚠️ 比べる相手は「無期雇用の社員」です。運用要領はこう定めています。

就業規則や賃金規定において、無期雇用契約者と有期雇用契約者で賞与・退職金の取扱いが異なる場合は、無期雇用契約者と同等以上である必要があります。これは、1号特定技能外国人は本人の希望ではなく、制度によって有期雇用契約しか選択できないものであるため、無期雇用契約者と同等以上とするものです。

(出典:運用要領24頁「(昇給等)」)

つまり、「うちは有期の社員には賞与も退職金も出していないから、特定技能外国人にも要らない」は通りません。1号特定技能は制度上、有期雇用しか選べないためです。比較対象は正社員(無期雇用)になります。

  • 昇給・賞与・退職金は「有」にチェックするだけでは足りず、時期・内容・金額・支給条件まで具体的に書く

同じ職種の日本人がいない会社はどうする?

「比較する日本人がいない」というご相談も多いです。関東地方整備局は、その場合の説明方法を示しています。

  • 就業規則や賃金規程にもとづき、3年程度または5年程度の経験を積んだ者に支払われるべき報酬額を根拠として賃金設定を行った説明書を提出する(就業規則・賃金規程に金額が具体的に書かれている必要があります)
  • または、周辺地域における建設技能者の平均賃金や設計労務単価などの資料を根拠とした説明書を提出する(平均賃金は賃金構造基本統計調査を参考に)

設計労務単価や標準労務費の考え方については、建設業の労務費の基準(標準労務費)とは?神奈川の実数と3ステップもあわせてご覧ください。

誰が・何を・いつ入力する? 在籍中ずっと続く報告

認定を受けたら終わり、ではありません。在籍している間、節目ごとに報告が必要です。

受入報告は「就労開始から原則1か月以内」

手引きの表現をそのまま引用します。

この建設特定技能受入計画で認定された特定技能外国人が入国(就労開始)したら、原則として1か月以内に受入報告を行うことが必要です。

用意しておく情報は次のとおりです。当日になって探すと慌てます。

  • 在留カード番号
  • 在留期間満了年月日
  • CCUS技能者ID
  • 上陸年月日(パスポートに貼られている直近の証印の「上陸年月日」)
  • 特定技能従事開始年月日(新規入国なら在留資格「特定技能」の付与日/転職なら雇用開始日)
  • 添付:CCUSカードの写し(受入計画の認定申請時に未登録だった場合)

なお、受入報告の画面では報告日より前の日付は入力できません。「気づいたら過ぎていた」を防ぐため、就労開始日をカレンダーに入れておいてください。

変更申請と変更届出、どちらになる?

ここは取り違えが多いところです。認定証に記載されている事項は、原則として変更申請と覚えてください。

変更申請(事前申請)が必要なもの

  • 基本賃金の総額が減少する場合
  • 所定労働時間が増加する場合
  • 昇給に関する変更のうち不利益変更になるもの
  • 従事すべき業務の内容のうち業務区分の変更
  • 受入人数(受入人数だけの変更申請は不要。必ず外国人の追加とセットで)
  • 受入期間
  • 受け入れる外国人に関する事項
  • 常勤職員数
  • 所属団体の変更
  • 申請者の商号または名称・本店所在地
  • 建設業の許可番号・許可期間
  • CCUSの事業者ID

変更届出でよいもの=上記以外の変更

そして、変更申請は事前申請です。手引きの注意書きです。

原則として、不利益変更になるものは認定できません。また、変更申請は事前申請ですので、計画の変更が認定されるまでは、認定済の計画どおりに実施する必要があることにご注意ください。

「先に変えて、あとから申請」はできません。とくに建設業許可を更新したとき(許可番号・許可期間の変更)は変更申請です。更新のたびに忘れずに。

許可まわりの期限管理については、決算変更届を5年分ためるとどうなる?放置の4大リスクと「まとめて提出」の挽回手順【神奈川】もあわせてご覧ください。建設業許可の更新は、受入計画の変更申請とセットで管理するのが安全です。

一方、変更届出は送信と同時に受理されます。ただし、あとから基準を満たしていないと分かれば、是正して元に戻すよう指導される場合があります。「受理された=認められた」ではない点にご注意ください。

実務でよくある”うっかり”5つ

① 退職報告を先に出すと、再雇用申請ができなくなる

手引きの警告です。

「再雇用申請」を予定している外国人は、退職報告は不要です。「再雇用申請画面」から操作を行ってください。(中略)再雇用申請を予定しているにもかかわらず退職報告が行われると、該当する外国人は再雇用申請の操作ができなくなります。ご注意下さい。

一時帰国して戻ってきてもらう予定があるなら、退職報告は押さない。順番を間違えると、手続きが一気に重くなります。

② 退職した人を再び雇うには、あらためて認定が必要

運用要領には、こう書かれています。

1号特定技能外国人が退職した場合は、当該特定技能外国人の受入計画は満了したことになります。退職した1号特定技能外国人が同じ特定技能所属機関で就労を開始したい場合は、新たに当該特定技能外国人にかかる計画を申請し、国土交通省の認定を受ける必要があります。

「前にうちで働いていた人だから、すぐ戻せる」とはいきません。もう一度、認定からやり直しです。上で見たとおり、関東では3か月〜3か月半かかります。

③ 外国人がゼロになっても、計画は生きている

これは見落とされがちですが、放置すると基準違反になり得るポイントです。

建設特定技能受入計画は、就労中又は就労予定の1号特定技能外国人が一人もいなくなった場合であっても認定の取消しがなされるまでは継続されています。このため、就労中又は就労予定の特定技能外国人が一人もいなくなった場合であっても、第2条第1号ロ・ハ及び第3条各号の要件を満たしている必要があります。これらの要件を満たす義務を免除されるためには、認定受入計画の取消申請を行い、国土交通省の承認を受けて、認定受入計画を取り消す必要があります。

全員が退職しても、計画は自動では消えません。JACの会員であり続ける、CCUSの登録を維持するといった義務が残ります。

もう受け入れないと決めたなら、認定受入計画の取消申請を行い、国土交通省の承認を受けてください。手続きの具体的な方法は手引きに個別の項目がないため、地方整備局(神奈川県は関東地方整備局)に確認するのが確実です。

④ 適正就労監理機関の巡回訪問には協力する

国土交通省は、適正就労監理機関に、巡回訪問などで認定計画の実施状況を確認させることとしています。

特定技能所属機関が正当な理由なく適正就労監理機関の巡回訪問に対して非協力的な態度を取ることや適正就労監理機関からの質問に対して不誠実な対応をとることは、(中略)国土交通大臣による報告の徴収若しくは指導の対象となり、又は特定技能所属機関の基準に適合しないこととなります。

基準に適合しなくなれば、特定技能外国人の受入れができなくなります。「忙しいから今度で」を続けないでください。

⑤ 差戻しは「列の最後尾に戻る」

関東地方整備局は、内容審査に入る前に差し戻すケースを明示しています。

必要事項が入力されていない場合や、必要書類が添付されていない場合、外国人の報酬額や昇給などについて認定基準を満たしていない場合等は、内容審査を行わずに差し戻しますので、補正の上、再申請して下さい。

そして再申請すると、審査の順番は再申請日で並び直しになります。添付漏れ1つで、数か月遅れるということです。

手引きも「提出が必須の添付資料が一つでも欠けていると審査を進める事ができない場合があります。全ての資料が揃ってから申請して下さい」と念を押しています。急いで出すより、揃えてから出すほうが早く着きます。

2号特定技能には、受入計画の認定は要りません

意外に知られていない点です。運用要領を読むと、認定が必要なのは1号だけです。

2号特定技能の受入企業に求められるのは、次の3つです。

  • 建設業法第3条第1項の許可を受けていること
  • 建設キャリアアップシステムに登録していること
  • 告示第10条の登録を受けた法人(JAC)または当該法人を構成する建設業者団体に所属し、行動規範を遵守すること

入管に出す確認書類も分かれます。誓約書は1号・2号に共通なので、そこは間違えないでください。

入管への確認対象書類
特定技能1号建設特定技能受入計画の認定証(告示様式第3)の写し ②建設分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第6―1号)
特定技能2号①受入れに関する誓約書(分野参考様式第6―1号)(1号と同じもの) ②2号特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関の基準に関する誓約書(分野参考様式第6―2号) ③建設業許可を受けていることを証する書類 ④CCUSの申請番号または事業者IDを明らかにする書類

(出典:運用要領16頁【確認対象の書類】)

ここは「誓約書=2号の書類」と誤解されがちです。1号でも誓約書は必要で、落とすと入管から追加資料を求められ、そのぶん入社日が後ろにずれます。

ただし、1号から2号へ移行したときは、外国人就労管理システムから「2号移行報告」が必要です。「2号になったから、もうシステムは関係ない」ではありません。

2027年4月の育成就労制度で、建設分野はどう変わる?

2027年(令和9年)4月1日から、技能実習に代わる育成就労制度が始まります(施行期日は令和7年政令第340号で確定)。建設分野の会社さまから、いちばん多くいただく質問です。

現時点(2026年8月24日)で公表されている事実は次のとおりです。

1. 分野別運用方針が、特定技能と育成就労で一本化された

国土交通省が公表している方針の正式名称は「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」です。建設分野は、育成就労の対象分野(育成就労産業分野)に位置づけられています。

2. 受入れ見込数が示された

区分見込数期間上限として運用されるか
建設分野全体19万9,500人令和6年度から令和10年度までの5年間(見込数のみ。上限とは書かれていません)
うち1号特定技能外国人7万6,000人令和6年度から5年間令和10年度末までの受入れの上限として運用
うち育成就労外国人12万3,500人令和9年度から2年間令和10年度末までの上限として運用

背景として、令和10年度には建設技能者が36万人程度不足する見込みであることが示されています。生産性向上(14万9,000人程度)や国内人材の確保(1万1,500人程度)に取り組んでも、なお足りないという計算です。

上限に達したらどうなるかも、方針に書かれています。ただし1号特定技能と育成就労では、止まる対象が違います。

  • 1号特定技能の見込数を超えることが見込まれる場合 → 国土交通大臣が法務大臣に、在留資格認定証明書の交付の一時停止を求める(入管法第7条の2第3項・第4項)
  • 育成就労の見込数を超えることが見込まれる場合 → 国土交通大臣が法務大臣・厚生労働大臣に、育成就労認定の一時停止を求める(育成就労法第12条の2)。ただし条文にはかっこ書きがあり、すでに育成就労外国人となっている方に係る認定は停止の対象から除かれます

いずれも、人材が確保されたと認められれば再開の措置が取られます。「いつでも無制限に受け入れられる」制度ではないという点は押さえておいてください。

3. キャリアの道筋が図で示された

「【建設分野】育成・キャリア形成プログラム」では、次のステップが示されています。

育成就労(1〜3年目)→ 特定技能1号(4〜8年目)→ 特定技能2号(9年目〜)

各段階に、技能検定(基礎級・3級・2級・1級)、育成就労評価試験、新規入職者安全衛生教育、職長・班長としての就労経験などが割り当てられています。日本語能力も、育成就労中はA1相当、特定技能1号への移行要件がA2.2相当、2号への移行要件がB1相当と、段階が示されています。

そして、CCUSの活用と「キャリア育成プラン」の作成・運用が望ましいとされています。ここでもCCUSが土台です。いま特定技能でCCUSを整えておくことは、育成就労が始まってからも無駄になりません。

4. 【重要】2026年9月1日から、育成就労計画の「施行日前申請」が始まります

制度の開始は2027年4月1日ですが、準備の受付はもう始まります。出入国在留管理庁が公表しています。

令和8年4月15日から監理支援機関の許可、同年9月1日から育成就労計画の認定に係る施行日前申請を外国人技能実習機構で受け付けることを予定しています。

つまり、2026年9月1日から、育成就労計画の認定申請を前倒しで出せるということです(結果の通知や実際の受入れは2027年4月1日以降)。技能実習生を受け入れてきた会社にとっては、ここが最初の分岐点になります。

ただし、混同しないでください。

出す先使うシステム
建設特定技能受入計画(特定技能1号)国土交通大臣外国人就労管理システム
育成就労計画(育成就労)外国人技能実習機構(施行後は外国人育成就労機構)別ルート(機構のホームページで案内)

この記事で説明してきた外国人就労管理システムは、あくまで特定技能1号の受入計画のためのものです。育成就労計画は別の窓口です。

(要確認)ここから先は、まだ分かりません

育成就労が始まったあと、建設分野で外国人就労管理システムの手続きが具体的にどう変わるのか(受入計画の認定がそのまま続くのか、報告項目が増えるのか、育成就労側とどう接続されるのか)は、本記事の執筆時点で公表されていません。推測でお伝えできる段階ではないため、確定情報が出たらこの記事を更新します。

育成就労制度そのものについては、育成就労の「派遣型(労働者派遣等監理型)」完全ガイド【建設業経営者向け】監理団体は「監理支援機関」へ — 許可制・要件・外部監査人のすべてでくわしく解説しています。

よくあるご質問

Q. 外国人就労管理システムの操作が分かりません。どこに聞けばいいですか?

A. 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が窓口です。電話 0120-220-353(平日9:00〜17:30)。制度全般・2号特定技能・業務区分の統合・システムの操作方法は、この番号で受け付けています。関東地方整備局のページにも同じ案内があります。

Q. 在留資格そのもののことは、どこに聞けばいいですか?

A. 在留資格・登録支援機関・在留カードに関することは、出入国在留管理庁の管轄です。国交省の受入計画とは窓口が分かれます。

Q. 建設業許可を持っていないと、特定技能は使えませんか?

A. 使えません。認定条件の1番目が「建設業法第3条第1項の許可を受けていること」です。ただし、特定技能外国人にやってもらう業務と、取得している許可業種の一致は求められていません。手引きにこう書かれています。

特定技能外国人に従事させる業務と、取得している許可業種について一致は求めていません。特定技能外国人の在留資格上の業務区分に含まれる工事であれば、会社が建設業法上で許可されている工事の種類を問わず、従事させることが可能です。

これから許可を取る方は、建設業許可は自分で取れる?自社申請でよくある失敗7つ神奈川県の建設業許可に必要な書類一覧【令和8年度版・行政書士が解説】をご覧ください。

Q. 許可の更新申請中で、新しい許可証がまだ届きません。申請できますか?

A. 手引きには、更新許可申請中で新たな許可証が届かない場合の取扱いが示されています(旧許可証+更新許可申請書の写しなど)。個別の状況で扱いが変わるため、申請前にご相談ください。

Q. 特定技能で採用したら、入管への届出も要りますか?

A. 要ります。国交省への報告(このシステム)と、入管への届出は別物です。入管への定期届出は年1回にまとまりました。くわしくは特定技能「届出」が年1回に — 受入企業がやるべき定期届出の最新ルールをご覧ください。

Q. 現場の作業員名簿にも、特定技能の外国人を書く必要がありますか?

A. 必要です。作業員名簿の書き方は作業員名簿とは?様式は自由|必ず書く6項目と、元請も対象になる理由で解説しています。

Q. 他の分野(飲食など)で特定技能を使っている会社です。建設でも同じ流れですか?

A. 違います。受入計画の認定は建設分野だけの仕組みです。なお、外食業では新規受入れが停止された例もあります(特定技能(外食業)の新規受入れが停止|飲食店が今できる代替策【2026年版】)。分野ごとにルールが大きく異なります。

出典・参考情報(2026年8月24日時点)

  • 国土交通省「外国人就労管理システム【特定技能制度(建設分野)】」
  • 国土交通省「申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】」
  • 国土交通省「建設特定技能受入計画のオンライン申請について【新規】」令和7年4月4日
  • 国土交通省「同【受入報告・退職報告・2号移行報告】」令和7年4月4日
  • 国土交通省「同【変更申請・届出】」令和7年4月4日
  • 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-建設分野の基準について-」令和7年1月31日一部改正
  • 「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」
  • 国土交通省「【建設分野】育成・キャリア形成プログラム」
  • 国土交通省 関東地方整備局「建設特定技能受入計画について」
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」

※制度は改正されることがあります。実際の申請の際は、必ず最新の手引き・運用要領をご確認ください。

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まとめ|動き出すのは8〜10か月前。入管の審査は別に見込む

長くなったので、大事なところだけもう一度。

  1. 外国人就労管理システムは、国交省に建設特定技能受入計画を出すための窓口。建設分野だけの、入管とは別の審査です
  2. 認定証がないと、入管の許可・交付は受けられません(運用要領・告示第2条第1号イ)
  3. 関東地方整備局では、補正がなくても認定まで3か月〜3か月半。申請できるのは雇用契約初日の半年前から(公表値)。そこから逆算した当事務所の実務上のおすすめは「8〜10か月前」の着手です
  4. 賃金は月給制。社内の日本人が全員日給月給でも、特定技能外国人だけは月給制にする必要があります。雨で現場が止まった日を「欠勤」にはできません(平均賃金の60%以上)
  5. 申請の前に、外部の手続で時間がかかるCCUS事業者登録・JACの会員証・ハローワークの求人票に先に着手する。とくにJACの会員証は数か月〜半年かかることがあります(必須添付はこの3つだけではありません
  6. 就労が始まったら原則1か月以内に受入報告。変更・退職・2号移行も、すべてこのシステムから

順番どおりに動けば、間に合う可能性は大きく上がります。ただし、入管の審査期間・補正・JACの会員証の発行は、いずれもこちらでは動かせない時間です。「これだけやれば必ず間に合う」とは言えません。だからこそ、早く動くこと自体が唯一の対策になります。

当事務所ではこう進めます

やさしい行政書士事務所(神奈川県秦野市)は、建設業許可・経営事項審査と、在留資格の両方を扱っています。特定技能の建設分野は、この2つが交わる場所です。だからこそ、次のようにワンストップで進められます。

  1. 現状チェック:建設業許可・CCUS・JACの状況を確認し、今から申請するといつ認定が下りるかを逆算します
  2. 準備の段取り:CCUS登録・JACまたは正会員団体への加入・ハローワーク求人の要否と時期・賃金設定の根拠資料について、何をいつまでに揃えるかの工程を組み立てます(各手続はそれぞれの窓口・担当へご案内します)
  3. 国交省への申請:外国人就労管理システムからの新規申請を代理で行います(委任状と行政書士証票を添付します)
  4. 入管への申請:認定証を受けて、在留資格の申請へつなぎます
  5. 受入れ後のフォロー:受入報告・変更申請・退職報告など、期限のある報告を継続してお手伝いします

なお、在留資格や労務のうち他士業の専管となる部分(労働保険・社会保険の手続きなど)は、提携先や所轄の窓口をご案内します。

😊 まずは無料相談から

「まだ採用するか決めていないけれど、間に合うか知りたい」——その段階のご相談がいちばん役に立ちます。「うちの許可とCCUSの状況で、いつなら入社してもらえるか」だけのご相談でも大歓迎です。

やさしい行政書士事務所(代表行政書士 宮本 雄介) 〒257-0003 神奈川県秦野市南矢名2123-1 オレンジハイツ今井2E

【免責事項】本記事は2026年8月24日時点の情報にもとづく一般的な解説です。認定条件・様式・審査期間・システムの仕様は変更されることがあります。実際の手続きにあたっては、必ず国土交通省の最新の手引き・運用要領および関東地方整備局の案内をご確認いただくか、当事務所にご相談ください。個別の事案についての判断を保証するものではありません。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。