まとめ

建設業法改正|下請5,000万円で特定許可・専任4,500万円に

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執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)|執筆・監修者について

「下請に出す金額がかさんできたけれど、うちは特定建設業許可が必要になるのか?」「技術者の専任ラインはいくらに変わった?」——令和7年2月1日に建設業法施行令が改正され、この判断ラインが引き上げられました。

この記事では、何がいくらに変わったのかを最初に新旧対照で示し、自社への影響を3つの質問で判定できるように、やさしく解説します。

結論:令和7年2月1日から「5,000万円」と「4,500万円」へ

今回の改正で変わった金額は、次の2点です(いずれも建築一式工事以外の工事の基準です)。

項目 改正前 改正後(令和7年2月1日施行)
特定建設業許可が必要となる下請代金の下限(建築一式工事以外) 4,500万円 5,000万円
主任技術者・監理技術者の専任配置が必要となる請負代金の下限(同) 4,000万円 4,500万円
  • 金額はいずれも消費税込みで判断します
  • 基準は「以上」です(ちょうど5,000万円でも特定建設業許可の対象になります)
  • 許可そのものが不要な「軽微な建設工事」(請負代金500万円未満等)のラインは、今回変わっていません
  • 建築一式工事には別の基準額が定められています。最新の数値は国土交通省の報道発表資料でご確認ください
令和7年2月1日施行 建設業法施行令改正の新旧対照

背景には近年の工事費の上昇があり、令和5年1月の改正に続く段階的な金額要件の引き上げとなっています。

自社への影響は?3つの質問でチェック

質問1:一般建設業許可のままでよいか

次のいずれかに当てはまる会社は、一般建設業許可のままで施工を続けられます。

  • 下請専門で施工している(元請にならない)——下請として請け負う金額に制限はありません
  • 元請になるが、1件の工事で下請に出す総額が5,000万円未満(建築一式工事以外)に収まっている
  • すべて自社施工で、下請に出していない

特定建設業許可の基準は「元請として下請に出す金額」だけを見るルールです。二次下請の立場で再下請に出す金額は問われません。

質問2:特定建設業許可が必要か

発注者から直接請け負った(元請となった)1件の工事で、下請代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事以外・税込)となる下請契約を結ぶ場合は、特定建設業許可が必要です。

  • 下請契約が複数あるときは総額を合算して判断します
  • 元請が下請に提供する材料の価額は、下請代金には含めません
  • 許可は業種ごとに区分されるため、「A業種は特定・B業種は一般」という持ち方も可能です
  • 特定建設業許可には、一般許可より重い財産的基礎・技術者の要件が課されます

質問3:技術者の「専任」はどうなるか

国や自治体の発注工事のほか、鉄道・道路・学校・病院・共同住宅など公共性のある工事(個人住宅を除く大部分の工事が該当します)では、1件の請負代金が4,500万円以上(建築一式工事以外・税込)になると、主任技術者・監理技術者を現場に専任で配置する必要があります。

  • 専任の基準に元請・下請の区別はありません。下請でも4,500万円以上の工事なら専任が求められ得ます
  • 「専任」とは他の現場の職務と兼務しないことで、常駐(常に現場にいること)までは求められません。打合せや書類作成などの合理的な理由で短期間現場を離れることは差し支えないとされています
  • 当初契約が基準未満でも、変更契約で4,500万円以上になった時点から専任配置が必要です
  • 注文者から材料の提供を受ける場合は、その市場価格(運送費を含む)を請負金額に加えた額で判断します

なお、ここでいう現場技術者の「専任」と、営業所に置く「専任技術者」は別の制度です。混同しやすいのでご注意ください。

実務でやるべきこと3つ

1. 下請契約金額の点検

  • 進行中・受注予定の工事について、1件ごとの下請契約の総額(税込)を集計する
  • 5,000万円ラインをまたぎそうな案件がないか、見積段階から確認する体制をつくる
  • 一般許可のまま基準額以上の下請契約を結ぶと建設業法16条違反となり、指示処分や営業停止を受けた実例もあります

2. 技術者配置の見直し

  • 請負代金4,500万円以上になる現場をリストアップし、専任できる技術者を確保できているか確認する
  • 同じ技術者が専任現場を掛け持ちしていないか点検する。工事経歴書の配置技術者欄から行政にも確認され得るポイントです
  • 処分を受けると経審のW点(法令遵守)の減点にもつながり、公共工事の入札に影響しかねません。経審の点数づくりは経審P点の上げ方の記事もご参照ください

3. 許可区分の検討

  • 基準額の引き上げで、一般許可のままで請けられる工事の範囲が広がりました。特定の取得を急ぐ必要がなくなった会社もあります
  • 逆に、元請として受注を拡大したい会社にとっては、下請総額5,000万円以上の案件に備えて特定建設業許可の取得を検討するタイミングです
  • 特定許可は財産的基礎などの要件が一般より厳しいため、決算内容を踏まえた事前確認をおすすめします

迷ったら:国交省資料の確認+無料の事前チェックを

経過措置の取扱いや建築一式工事の基準額など、この記事で触れていない論点は、国土交通省の報道発表資料で最新の公表内容をご確認ください。

「自社が特定建設業に当たるのか自信がない」「技術者の配置をどう組み替えればよいか」といったご相談は、やさしい行政書士事務所がお手伝いします。

  • 要件の事前確認・初回相談は無料です。費用が発生するのは、税込見積りにご納得いただいてご依頼いただいた後だけです
  • 建設業は一人親方から中堅ゼネコンまで、許可の新規・更新・業種追加、決算変更届、経審のスコア改善支援まで対応しています
  • 本拠は秦野市で、平塚・厚木・伊勢原・小田原など県西部を中心に神奈川県全域へすぐ動ける距離です。地域対応の詳細は秦野市の建設業許可サポートページをご覧ください
  • 最新の料金は料金表へ。ご連絡はお問い合わせフォームまたは電話0463-57-8330(平日9:00〜18:00)でどうぞ

※登記は司法書士、税務は税理士、労務・社会保険は社会保険労務士、紛争性のある案件は弁護士の専門分野です。必要に応じて信頼できる提携先をご紹介します。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも神奈川県の建設業者の許認可を得意としています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内の事業者をサポートしています。