執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)|執筆・監修者について
「在留資格の更新手数料が値上げされる」というニュースを見て、不安になった方も多いのではないでしょうか。2026年5月に改正法が成立して手数料の上限額の引上げが決まり、7月3日には具体的な金額を定める政令案が公表されました。そして2026年8月28日、出入国在留管理庁が改定後の金額・施行日・経過措置を公式サイトで公表しました。施行日は2026年10月1日、在留期間の更新・変更は許可される在留期間に応じて10,000円〜75,000円(窓口)、永住許可は200,000円(窓口)です。
この記事では、2026年9月8日時点で出入国在留管理庁の資料から確認できる事実と、「今のうちに申請すべきか」を考えるための実務的な視点を、行政書士がやさしく整理します。
目次
結論:決まったこと・入管庁が公表したこと・まだ公表されていないこと
まず結論からお伝えします。法律で決まったこと・出入国在留管理庁が公表したこと・まだ公表されていないことを、分けて押さえることが大切です。
- 決まったこと(1):手数料の上限を引き上げる改正法が2026年5月29日に成立し、6月5日に公布されました(令和8年法律第32号)
- 決まったこと(2):上限額は、在留資格変更・在留期間更新が10万円、永住許可が30万円に引き上げられます
- 入管庁が公表したこと(1)=金額と施行日:2026年8月28日、出入国在留管理庁が改定後の手数料額と施行日を公表しました。施行日は2026年10月1日、更新・変更は在留期間に応じて10,000円〜75,000円(窓口)、永住許可は200,000円(窓口)です
- 入管庁が公表したこと(2)=いつまでが今の金額か:2026年9月30日までに「申請」したものは、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。基準は「許可された日」ではなく「申請した日」です
- まだ公表されていないこと:手数料の減額を受けるために提出する疎明資料(必要書類)は、入管庁のページで「追ってお知らせいたします」とされたままです(2026年9月8日時点)
つまり「いくらになるか・いつからか」は、入管庁の公表で確認できる状態になりました。まだ公表されていない部分が明らかになり次第、この記事を更新します。
現行の手数料一覧(2026年9月30日までの申請に適用)
下の金額は、2025年4月1日の改定後の金額です。2026年9月30日までに申請したものには、この金額が適用されます。オンライン申請のほうが少し安く設定されています。
| 手続 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 在留期間更新許可 | 6,000円 | 5,500円 |
| 在留資格変更許可 | 6,000円 | 5,500円 |
| 永住許可 | 10,000円 | (記載なし) |
| 再入国許可(1回限り) | 4,000円 | 3,500円 |
| 再入国許可(数次) | 7,000円 | 6,500円 |
| 就労資格証明書交付 | 2,000円 | 1,600円 |
出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」掲載のリーフレット(PDF・2026年9月発行)の「改定前の手数料」欄(在留資格変更・在留期間更新・永住許可)/再入国許可申請・就労資格証明書交付申請(再入国許可・就労資格証明書の額)
なお、今回引き上げられるのは「在留資格変更許可」「在留期間更新許可」「永住許可」の3つです。この表のうち再入国許可(1回限り・数次)と就労資格証明書の交付は、手数料の額そのものは変わりません。ただしオンライン申請の場合は、2026年10月1日以降、これらにも別途220円の決済手数料がかかります(再入国許可は3,720円/6,720円、就労資格証明書は1,820円が手数料と決済手数料の合計になります)。
値上げの対象となる3つについて現行料金で申請できるのは、2026年9月30日までの申請分です。
改正の内容 — 官公庁資料で確認できる範囲
改正法の成立と公布
今回の値上げの根拠は、入管法等の一部を改正する法律(令和8年法律第32号)です。2026年3月10日に国会へ提出され、5月29日に参議院で可決・成立し、6月5日に公布されました。
出典:衆議院 議案審議経過情報・出入国在留管理庁 第221回国会提出法案
法律で確定したのは「上限額」の引上げ
法律のレベルで確定したのは、次の上限額の引上げです。
| 手続 | 現行の上限 | 改正後の上限 |
|---|---|---|
| 在留資格変更許可 | 1万円 | 10万円 |
| 在留期間更新許可 | 1万円 | 10万円 |
| 永住許可 | 1万円 | 30万円 |
出典:出入国在留管理庁「令和8年入管法等改正法について」(改正法の概要(PDF)/新旧対照条文(PDF))|根拠条文=入管法第67条第1項(令和8年法律第32号による改正後)
これはあくまで法律上の「上限」であり、実際に支払う金額は政令で定められます。その政令の内容が、次のとおり公表されました。
新しい手数料の額(2026年10月1日から)
2026年7月3日、出入国在留管理庁は実際の手数料額を定める政令案を公表し、意見公募(パブリックコメント・2026年7月3日〜8月2日)を実施しました。そして2026年8月28日、入管庁が改定後の手数料額を公式サイトで公表しました。現在は在留期間にかかわらず一律6,000円(オンライン5,500円)ですが、2026年10月1日からは許可される在留期間が長いほど高くなる段階制に変わります。
なお、この改定の根拠となる政令は「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」です。在留資格の手続に関する施行令だけでなく、特別永住者の方に関する施行令も同時に改正の対象になっています。特別永住者の方は、入管庁の案内もあわせてご確認ください。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※在留資格変更許可・在留期間更新許可の額です(永住許可は窓口200,000円)。オンライン申請は多くの区分で窓口より低い額ですが、「3月以下」だけは10,000円で窓口と同額です。またオンライン申請には、上の額とは別に「決済手数料」がかかります(3年未満の区分は330円、3年以上の区分は550円)。手数料と決済手数料の合計でみると、たとえば「1年」なら27,330円、「5年以上」なら65,550円です。「3月以下」はオンラインのほうが330円高くなります(10,330円)。なお永住許可は、入管庁のオンライン手数料表に記載がありません(リーフレットの永住許可欄も「窓口」だけです)。オンラインで手続できるかどうかの案内が出ていないため、窓口での申請を前提に準備してください。
出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」(2026年8月28日公表)/窓口の額は「収入印紙の購入について」/オンラインの額と決済手数料は「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」
オンライン申請は「納付のしかた」も変わります
2026年10月1日からは、金額だけでなく手数料の納め方も変わります。ここは意外と見落とされがちなので、あわせて確認しておいてください。
- オンライン申請:収入印紙は使えなくなり、コンビニ決済または銀行決済になります(銀行決済はインターネットバンキングも利用できます)。クレジットカード決済・QRコード決済には対応していません
- 窓口申請:2026年10月1日以降も、これまでどおり収入印紙です(キャッシュレス決済はできません)。収入印紙は現金でしか購入できないため、金額分の印紙を事前に用意しておく必要があります
- 支払いの案内は後から届きます:オンライン申請では、審査完了メールのあとに、決済代行事業者から「@service-dgft.com」のアドレスで決済案内メールが届きます。このメールを受信できるように設定しておかないと、手数料を納められず手続が止まります
- 入管庁は「この『@service-dgft.com』以外のメールアドレスからの手数料の納付を求めるメールは詐欺です」と注意を呼びかけています。心当たりのないメールのリンク先にアクセスしたり、支払手続をしたりしないでください
出典:出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分のみに適用)」(Q2・Q5ほか)
減額・免除の規定もある
改正後の入管法には、経済的な困難などがある場合に手数料を減額・免除できる規定が設けられています(入管法第67条第3項)。誰が対象になるのかも、2026年8月28日に入管庁が公表しました。
- 減額の対象=生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる方で、人道上の配慮をする必要がある方です。この2つの両方に当てはまる必要があります(どちらか一方だけでは対象になりません)。減額後の額は、在留資格の変更が1万円、在留期間の更新が1万円、永住許可が2万円です(変更・更新については、3月を超える在留期間が決定される方が対象です)
- 免除の対象=外交・公用の在留資格への変更など、4つの類型に限られます(公用の在留資格での在留期間の更新、台湾日本関係協会の事務所職員または駐日パレスチナ総代表部職員としての活動を指定されて「特定活動」となる場合など)。経済的な困難を理由とする「免除」はありません。生活に困窮している方への軽減は、上の「減額」までです
ここには、見落としやすい注意点が3つあります。
- 永住許可の減額は、対象がさらに狭くなります。入管庁は「永住許可を受ける者で減額の対象となるのは、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子等に限ります」としています。これは入管法67条3項のかっこ書きによる、永住許可だけの限定です。条文のうえでは、次のいずれかに当たる方に限られます。
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子(入管法22条2項ただし書の前段)
- 国際連合難民高等弁務官事務所その他の国際機関が保護の必要性を認めた方で法務省令の要件に当てはまる方(同ただし書の後段)
- 難民・補完的保護対象者の認定を受けた方(同法61条の2の14)
- 要件に当てはまれば自動的に減額される、という仕組みではありません。入管法67条3項は「手数料を減額し、又は免除することができる」と定めており、入管庁の案内も「手数料が減額される場合があります」という書き方です
- 減額を受けるなら、オンライン申請はできません。入管庁は「在留申請オンラインシステムでの申請は、減額措置に対応しておりません」としており、減額の疎明資料を提出する場合は窓口で申請することになります。しかもその疎明資料が何かは、2026年9月8日時点でまだ公表されていません(入管庁のページは「追ってお知らせいたします」のままです)
出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」・「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等に関するQ&A」(問9)
「いつまでに申請すれば現行手数料か」の考え方
いちばん気になるのはこの点だと思います。ここは入管庁がはっきり書いています。
- 2026年9月30日までに行われた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。入管庁は「令和8年9月30日までに行われた申請に対する許可については、当該申請に係る許可が令和8年10月1日以降となっても、改定前の手数料の額を納付することとなります」としています
- つまり基準は「許可された日」ではなく「申請した日」です。9月中に申請できていれば、審査に時間がかかって許可が10月・11月にずれ込んでも、支払う額は変わりません
- この扱いは、改正法の附則第5条にも定められています(施行日前に「された」申請については「なお従前の例による」)。在留資格変更・在留期間更新・永住許可・再入国許可の4つが対象です
出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」・同Q&A(問10・問11)
更新や永住の申請を予定している方にとっては、2026年9月30日までに申請できるかが実質的な分かれ目になります。特に永住許可は1万円から20万円へと差が大きいため、すでに要件を満たしている方は早めに準備を整えておくことをおすすめします。一方で、要件が整わないまま急いで申請しても許可にはつながりません。不許可になれば、次の申請は改定後の20万円です。「急いで出す」より先に、「自分が申請できる状態か」の確認から始めてください。
更新・永住申請のタイミング実務
在留期間更新を控えている方
在留期限が近い方は、通常どおりのスケジュールで更新申請を進めれば大丈夫です。更新申請の時期について、入管庁は、在留期間内に許可を受けたい方向けの目安として「在留期間の満了する3か月前から45日前までの申請に努めてください」と案内しています(努力要請であり、在留期間内の処分を約束するものではないとも明記されています。3か月以内の在留期間をお持ちの方は、その在留期間のおおむね2分の1が経過したときから申請できます)。そのため、値上げだけを理由にした大幅な前倒しは難しいのが実情です。入管庁の案内どおりに進めると、2026年9月30日までに更新申請を出しやすいのは、おおむね在留期限が2026年末までの方が中心になります。まずはお手元の在留カードで在留期限を確認し、申請できる時期になったら早めに動くのがおすすめです。
出典:出入国在留管理庁「在留期間内での変更又は更新許可を希望する場合について」(4月に就労を開始する留学生の変更申請、技能実習から特定技能への変更申請など、別に案内されているケースを除く)
更新申請の流れや必要書類は、在留期間更新許可申請の解説記事で詳しくご紹介しています。
永住許可を検討している方
永住許可は、2026年10月1日から現行1万円の20倍にあたる20万円になる、今回最も大きく引き上げられる手続です。すでに要件を満たしている可能性がある方は、施行日(2026年10月1日)を待たずに、要件の確認と書類の準備を始める価値があります。
一方で、要件を満たさないまま申請を急いでも、許可にはつながりません。まずは現状の整理から始めましょう。当事務所では、要件の事前確認を無料で行っています。
ひとつ、気をつけていただきたいことがあります。9月中に申請することで避けられるのは手数料の部分だけです。審査の基準そのものは、別に見直しが進んでいます。「永住許可に関するガイドライン」の改定案については、意見募集が2026年9月3日で終了しましたが、2026年9月8日時点で改定は確定していません。改定案では、原則として2027年4月1日以降の申請に適用されるとされていますが、収入に関する部分(第2の4(2))と公共の負担に関する部分(第2の5(7))の2項目だけは、改定日から6か月前の日以降の申請で、改定日の時点で審査中のものにも適用されるとされています。つまり9月中に申請しても、審査の途中で新しい基準が及ぶ可能性があります。
改定日も公表されていません。「急いで出せば費用も基準も今のまま」とは言い切れない、という点だけ押さえておいてください。改定案の中身は永住許可のガイドライン改定案とは?現行との違いで詳しく整理しています(費用の話がこの記事、要件の話がそちらの記事です)。
なお、永住許可は「取ったら終わり」ではなく、取得後の制度も変わりつつあります。2027年4月からは、故意の税金・社会保険料の滞納などによる永住許可の取り消し事由が拡大される予定です。取得後の注意点もあわせて確認しておきましょう。
帰化という選択肢も
長く日本で暮らしていく予定の方には、日本国籍を取得する「帰化」という選択肢もあります(帰化は法務局に申請する手続です)。永住と帰化のどちらが合っているかは、ご家族の状況や生活設計によって変わります。帰化申請の解説記事もあわせてご覧ください。
| 在留期間更新許可申請 | 59,800円 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請 | 109,800円〜 |
| 在留資格認定証明書交付申請(招聘) | 109,800円〜 |
| 永住許可申請 | 129,800円 |
| 帰化申請 | 199,800円 |
※ 表示は税抜(+税)の報酬額です(顧問料は税込)。申請に必要な行政手数料・証明書の発行手数料は報酬額に含まれず、実費前払いとなります。
※ 在留資格変更許可申請と在留資格認定証明書交付申請は、専門性の高い申請の場合 169,800円+税となります。金額は着手前に書面でお見積りします。
ご相談は無料です/お電話 0463-57-8330(平日 9:00〜18:00)
まずは無料相談で「自分の場合」を確認しませんか

手数料の改定は全員に同じ影響があるわけではなく、在留期限・在留資格の種類・永住要件の充足度によって「いま何をすべきか」が変わります。やさしい行政書士事務所では、初回相談と要件の事前確認を無料で行っており、費用が発生するのは税込のお見積りにご納得いただいて依頼された後だけです。
- 在留資格のご相談はオンラインにも対応しています
- 報酬の目安は料金表をご覧ください
- ご相談はお問い合わせフォームまたは電話(0463-57-8330・平日9:00〜18:00)からどうぞ
まだ公表されていない部分(減額を受けるための必要書類など)が明らかになり次第、この記事を更新してお知らせします。
※本記事は2026年9月8日時点の情報に基づいています。金額・施行日・経過措置・オンライン申請の納付方法・減額と免除の内容は、出入国在留管理庁が2026年8月28日に公表した内容によります。手数料の減額を受けるための疎明資料(必要書類)は、同庁のページで「追ってお知らせいたします」とされたままです。最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。※税務は税理士、登記は司法書士、労務は社会保険労務士、紛争性のある案件は弁護士の専門分野です。必要に応じて、提携する司法書士・税理士・弁護士をご紹介します。