目次
業務内容の説明
無店舗型性風俗特殊営業(いわゆるデリヘル)を営むには、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく届出が必要です。無店舗型は許可制ではなく届出制で、根拠は風営法31条の2第1項。提出先は営業の本拠となる事務所(事務所のない方は住所)の所在地を管轄する公安委員会で、その事務所の所在地の所轄警察署長を経由して1通提出します(施行規則1条1項)。届出書を提出しないまま営業した場合は、6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(法53条5号)。
先に結論だけ(デリヘルの届出)
- 許可ではなく届出です(法31条の2第1項)。風俗営業許可のような欠格事由の審査はありません。
- 出す先は、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会。窓口はその所在地の所轄警察署です(施行規則1条1項)。
- 出す時期は、営業を開始しようとする日の10日前まで(施行規則52条2項)。「出してから10日待つ」ではなく「開業日から逆算して10日前までに出す」です。
- 受付所を設けるかどうかで、かかる規制が大きく変わります(学校などの敷地の周囲200メートルの区域の規制は、受付所を設ける場合にかかります)。
当事務所では、この届出に必要な書類の作成から提出まで、ワンストップでサポートいたします。行政書士が、お客様の状況に応じた進め方をご提案し、適法な営業開始をお手伝いします。ご依頼いただくことで、書類の準備と警察署とのやり取りのご負担を軽くできます。
お客様に用意していただく書類と情報のリスト
基本情報
届出書に添える書類は、風営法31条の2第3項を受けた内閣府令(許可申請書の添付書類等に関する内閣府令)12条1号で定められています。無店舗型に「店舗」はありません。基準になるのは営業の本拠となる事務所です。
- 営業の方法を記載した書類(別記様式第28号)
→ 届出に必ず添える中心的な書類です(内閣府令12条1号イ・施行規則54条)。客の依頼の受け方や派遣の方法などを書きます。当事務所で作成します。 - 事務所の平面図
→ 営業の本拠となる事務所の平面図です(内閣府令12条1号ハ)。ご自宅の住所を事務所に代えて届け出る場合は、営業に使う部分を特定した図面にします。 - 事務所の使用について権原を有することを疎明する書類
→ 賃貸借契約書の写しや使用承諾書などです(内閣府令12条1号ロ)。契約者名と届出者名が一致しているかご確認ください(当事務所で使用承諾書のひな型をご用意しています)。 - 個人の場合:住民票の写し
→ 届出者ご本人のものです(内閣府令12条1号ヘ)。本籍の記載の要否は所轄警察署の運用によりますので、取得前にご確認ください。 - 法人の場合:定款・登記事項証明書・役員に係る住民票の写し
→ 役員全員分の住民票が必要です(内閣府令12条1号ト)。登記事項証明書は取得から日が浅いものをご用意ください(有効期間の扱いは所轄警察署の運用によります)。定款は地域によって原本の確認が必要になる場合があります。
受付所・待機所を設ける場合の追加書類
受付所(役務の提供以外の、客に接する業務を行うための施設)や待機所(客の依頼を受けて派遣される方を待機させるための施設)を設ける場合は、次の書類が加わります。設けない場合は不要です。
- 受付所の平面図および受付所の周囲の略図
→ 受付所を設ける場合に必要です(内閣府令12条1号ニ)。 - 待機所の平面図
→ 待機所を設ける場合に必要です(内閣府令12条1号ホ)。 - 受付所・待機所の使用について権原を有することを疎明する書類
→ 事務所と同じく、賃貸借契約書の写しや使用承諾書などです(内閣府令12条1号ロ)。
書類の準備でご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。不足書類があっても、まずはご連絡いただき、順次揃えていく形でも対応可能です。
届出書に書く7つの事項
届出書(別記様式第25号)に記載する事項は、風営法31条の2第1項で次の7つと定められています。書類集めと並行してこの7点を先に固めておくと、手続きがスムーズに進みます。
- 氏名または名称および住所(法人はその代表者の氏名)
- 広告・宣伝でその営業を示すものとして使う呼称(いわゆる店名。2つ以上あるときは全部を届け出ます)
- 事務所の所在地
- 無店舗型性風俗特殊営業の種別
- 客の依頼を受ける方法
- 客の依頼を受けるための連絡先
- 受付所・待機所を設ける場合は、その旨とこれらの所在地
注意点
- 提出書類には不備がないよう、事前に当事務所でチェックいたします
- 提出前にすべての書類のコピーを取っておくことをお勧めします
- 書類の準備でご不明な点があれば、お気軽にご相談ください
依頼から完了までの標準的な期間
通常、お申し込みから届出完了までは約2〜3週間程度かかります。あわせて押さえておきたいのが提出の期限です。届出書は営業を開始しようとする日の10日前までに提出しなければなりません(施行規則52条2項)。「提出してから10日待つ」のではなく「開業予定日から逆算して10日前までに提出する」という意味です。書類の準備期間を含めると、開業予定日の1か月前にはご相談いただくと安心です。
期間に影響を与える要因
- 必要書類の準備状況
- 事務所・受付所・待機所の物件状況
- 警察署の審査状況や混雑具合
手続きの流れ
- 初回相談・お見積り(1日)
- 必要書類の収集・準備(1〜7日)
- 届出書(別記様式第25号)と営業の方法を記載した書類(別記様式第28号)の作成(3〜5日)
- 所轄警察署長を経由して公安委員会へ提出(営業を開始しようとする日の10日前まで/施行規則1条1項・52条2項)
- 無店舗型性風俗特殊営業届出確認書の交付(別記様式第29号/施行規則55条1項)
- 届出確認書を事務所に備え付ける(関係者から請求があったときは提示します/法31条の2第5項)
当事務所では、申請の進捗状況を随時お知らせし、スケジュールに遅れが生じる場合は迅速にご連絡いたします。
受付所を設けるかどうかで、かかる規制が変わります
デリヘルの開業でいちばん見落とされやすいのが、受付所の扱いです。受付所とは、派遣する役務の提供以外の、客に接する業務を行うための施設をいいます(法31条の2第1項7号)。受付所を設けるかどうかで、営業できる場所の制限がまったく変わります。
| 設ける施設 | 場所の制限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 事務所だけ(受付所なし) | 学校などの敷地の周囲200メートルの区域の制限はかかりません | 法28条1項が適用されるのは受付所営業のため(法31条の3第2項) |
| 受付所を設ける | 学校・図書館・児童福祉施設・一団地の官公庁施設などの敷地の周囲200メートルの区域では営めません。都道府県の条例で定める地域でも営めません | 法31条の3第2項により適用される法28条1項・2項 |
| 待機所を設ける | 届出事項になり、平面図の添付が必要です | 法31条の2第1項7号・内閣府令12条1号ホ |
届出書に受付所を設ける旨を記載していて、その受付所が営業できない区域・地域にあるときは、届出確認書が交付されません(法31条の2第4項ただし書)。この場合は届出確認書不交付通知書が交付されます(施行規則55条2項で準用する44条2項)。物件を決める前に、受付所を置くかどうかと、その場所を確認しておくことが大切です。禁止される地域は都道府県の条例でも定められるため、所轄警察署への事前相談をおすすめします。当事務所でも代わってご確認いたします。
届出のあとに守ることになる主なルール
届出は「出して終わり」ではありません。営業を続けるあいだ守ることになる主なルールを、罰則とあわせて整理します。
- 届出の前に広告・宣伝はできません
→ 届出書を提出していない方が、無店舗型性風俗特殊営業を営む目的で広告・宣伝をすることは禁じられています(法31条の2の2第2項)。届出をした方も、その届出に係る営業以外の無店舗型性風俗特殊営業を営む目的では広告・宣伝ができません(同条1項)。違反すると100万円以下の罰金です(法54条1号)。サイトを先に公開してから届出、という順番はとれません。 - 広告・宣伝の方法にも制限があります
→ 人の住居にビラ等を配る・差し入れることなどが禁じられています(法31条の3第1項が準用する法28条5項)。違反すると100万円以下の罰金です(法54条2号)。 - 18歳未満の方を客に接する業務に従事させることは禁止です(法31条の3第3項1号)
→ 違反すると1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、またはその両方です(法51条1項6号)。年齢を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません(法51条2項。過失がないときを除きます)。 - 18歳未満の方を客とすることも禁止です(同項2号)
→ こちらは公安委員会の指示(法31条の4第1項)の対象です。指示に従わない場合は、処分違反として営業停止命令(法31条の5第1項)が問題になります。ただし、受付所を設けている場合に18歳未満の方を受付所に客として立ち入らせることは、別に罰則の対象です(法31条の3第2項により適用される法28条12項4号・法51条1項5号)。 - スカウト等への紹介料(スカウトバック)の支払は禁止です
→ 異性の客に接触する役務を提供する業務に従事しようとする方の紹介を受けて、紹介した方や第三者に紹介の対価として金銭その他の財産上の利益を提供することは禁じられています(法31条の3第1項が準用する法28条13項)。違反すると6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、またはその両方です(法53条7号)。改正の経緯は 風営法改正2026の解説 をご覧ください。 - 事務所ごとに従業者名簿を備えます
→ 法36条。無店舗型は営業所ごとではなく事務所ごとです。備えていない、必要な記載がない、虚偽の記載があるときは100万円以下の罰金です(法54条3号)。 - 客に接する業務に従事させる方の生年月日・国籍等を書類で確認し、記録を残します
→ 法36条の2。日本国籍を有しない方については、在留資格と在留期間の満了の日、資格外活動許可の有無とその内容も確認します。記録はその方が退職した日から起算して3年を経過する日まで保存します(施行規則108条1項)。違反すると100万円以下の罰金です(法54条4号・5号)。
届出そのものより、この開業後のルールでつまずく方が少なくありません。当事務所では、届出の代行だけでなく、従業者名簿や確認記録の整え方までご相談を承っています。
費用
基本料金:119,800円(+税)
※ 基本料金には以下のサービスが含まれます
- ご相談対応
- 必要書類の作成
- 申請手続き代行
- 警察署との対応
※ 追加で発生する可能性のある費用
- 遠方への出張費
- 特殊な案件の場合の追加対応費用
- 申請後の変更手続き費用
他の許認可・補助金の料金とあわせて確認したい方は、許認可・補助金の料金表をご覧ください。
よくある質問とその回答
料金・進め方など事務所全体によくあるご質問は、よくあるご質問(FAQ)にまとめています。ここでは無店舗型性風俗特殊営業の届出について、ご相談の多い点を条文とあわせてまとめました(2026年9月時点の法令に基づきます)。
Q1. 届出が却下されることはありますか?
A. 無店舗型性風俗特殊営業は許可制ではなく届出制です(法31条の2第1項)。風俗営業の許可のような欠格事由の審査はありません。ただし、記載事項や添付書類に不足があると受け付けてもらえません。また、届出書に受付所を設ける旨を記載していて、その受付所が営業できない区域・地域にあるときは、届出確認書が交付されません(同条4項ただし書)。この場合は届出確認書不交付通知書が交付されます(施行規則55条2項で準用する44条2項)。当事務所では、提出前に記載事項・添付書類と受付所の場所を確認します。
Q2. 届出後に営業内容や場所を変更したい場合はどうすればよいですか?
A. 変更または廃止の日から10日以内に届出書を提出します(施行規則53条で準用する42条2項)。様式は変更が別記様式第27号、廃止が別記様式第26号で、交付を受けた届出確認書もあわせて提出します(内閣府令12条2号・3号)。事務所を別の公安委員会の管轄区域へ移したときは、移転後の事務所の所在地を管轄する公安委員会に提出します(法31条の2第2項)。なお、無店舗型性風俗特殊営業の種別は変更の届出の対象から除かれています(同項)。
Q3. 他県でも営業したい場合はどうすればよいですか?
A. 無店舗型の届出先は「営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会」1か所です(法31条の2第1項)。派遣先が他県に広がっても、事務所が1か所であれば届出は1件です。届出が増えるのは、受付所や待機所を設けるとき(その所在地が届出事項になります/同項7号)や、事務所そのものを他県へ移したとき(変更の届出/同条2項)です。受付所を置く場所には区域の規制がかかるため、物件を決める前にご相談ください。
Q4. 無届で営業していた場合のリスクは何ですか?
A. 届出書を提出しないで性風俗関連特殊営業を営んだときは、6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(法53条5号)。届出書やその添付書類に虚偽の記載をして提出した場合も同じです(同条6号)。さらに、届出をしていない方が営業目的で広告・宣伝をすることも別に禁じられており、100万円以下の罰金の対象です(法31条の2の2第2項・法54条1号)。
Q5. 届出はいつまでに出せばよいですか?
A. 営業を開始しようとする日の10日前までです(施行規則52条2項)。「提出してから10日待つ」のではなく「開業予定日から逆算して10日前までに提出する」という期限です。提出先は営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会で、その事務所の所在地の所轄警察署長を経由して1通提出します(施行規則1条1項)。書類の準備期間を含めると、開業予定日の1か月前にはご相談いただくと安心です。
Q6. 自宅や事務所にも「学校から200メートル」の規制はかかりますか?
A. 学校・図書館・児童福祉施設・一団地の官公庁施設などの敷地の周囲200メートルの区域の規制(法28条1項)がかかるのは、受付所を設ける場合の受付所です(法31条の3第2項)。受付所を設けず、事務所(事務所のない方は住所)だけで営むときは、この区域規制の対象になりません。ただし営めない地域は都道府県の条例でも定められるため、受付所を設けるかどうかを含めて所轄警察署にご確認ください。
Q7. 届出をする前に、ホームページやSNSで宣伝してもよいですか?
A. できません。届出書を提出していない方が、無店舗型性風俗特殊営業を営む目的で広告・宣伝をすることは禁じられています(法31条の2の2第2項)。届出をした方も、その届出に係る営業以外の無店舗型性風俗特殊営業を営む目的では広告・宣伝ができません(同条1項)。違反すると100万円以下の罰金です(法54条1号)。サイトの公開は届出のあと、という順番でお考えください。
Q8. 店名(呼称)は届出に書く必要がありますか?
A. 必要です。広告や宣伝でその営業を示すものとして使う呼称は届出事項で、呼称が2つ以上あるときは全部を届け出ます(法31条の2第1項2号)。あわせて、客の依頼を受ける方法(同項5号)と、客の依頼を受けるための連絡先(同項6号)も届出事項です。屋号やサイト名を複数使う予定があるときは、届出の前に洗い出しておいてください。
Q9. 従業者について必要な手続きはありますか?
A. 事務所ごとに従業者名簿を備え、業務に従事する方の住所・氏名などを記載します(法36条)。また、客に接する業務に従事させようとする方について、生年月日・国籍(日本国籍を有しない方は在留資格と在留期間の満了の日など)を書類で確認し、記録を作成して保存します(法36条の2)。記録はその方が退職した日から起算して3年を経過する日まで保存します(施行規則108条1項)。18歳未満の方を客に接する業務に従事させること、客とすることは禁じられています(法31条の3第3項)。
具体的な事例
事例1:新規創業者様の場合
20代後半の起業家の方が、初めてデリヘル事業を立ち上げるにあたり、何から始めればよいか分からずご相談にいらっしゃいました。当事務所では営業コンセプトの整理から物件選びのアドバイス、必要な届出手続きまで一貫してサポート。開業予定日から逆算して必要な書類と提出時期を整理したことで、予定どおりのスケジュールで営業を開始いただけました。
事例2:既存店舗の届出対応
すでに別のサービス業を営んでいる事業者様が、新たにデリヘル部門を追加したいとのご相談。既存事業との兼ね合いや法的リスクを詳細に分析し、最適な事業構造をご提案。スムーズな届出完了により、予定通りのサービス開始が実現しました。
事例3:複数地域での展開
関東で成功していた事業者様が関西圏に進出するにあたり、地域ごとの規制の違いに不安を抱えてご相談。各地域ごとの規制の違いを踏まえた届出対応を実施。計画的な多店舗展開をサポートしました。
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