まとめ

風営法改正2026|営業者への影響と神奈川での手続きを解説

夜の繁華街を背景に書類を持つ猫のマスコット

執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)|執筆・監修者について

「風営法 改正 2026」と検索された方が知りたいのは、「結局いつから何が変わるのか」「自分のお店に関係があるのか」だと思います。結論からお伝えすると、今回の風営法改正(令和7年法律第45号)は2025年中に2段階で施行され、2026年6月時点ではすべて適用済みです。「これから備える」段階ではなく、「自分のお店が新ルールを守れているか点検する」段階に入っています。

この記事では、改正の全体像と、スナック・バー・コンカフェなど業態別の実務影響、神奈川県内での手続きの基礎を、風俗営業許可・深夜営業の届出を扱う行政書士がやさしく整理します。

結論:改正は2段階施行で、すでに全面施行済みです

段階 期日 主な内容
公布 令和7年(2025年)5月28日 改正法(令和7年法律第45号)が公布
第1弾施行 令和7年(2025年)6月28日 接待飲食営業の規制強化・スカウトバック禁止・罰則の大幅強化
第2弾施行 令和7年(2025年)11月28日 許可の欠格事由の追加・許可申請の添付書類の追加
2026年の追加施行 予定は確認されていません 現行法は2025年11月28日施行版が最新です

改正の背景は、高額な売掛金で多額の債務を負わせ、その返済のために売春などを要求するという悪質ホストクラブ問題と説明されています。全体像は警察庁の改正法の概要(PDF)で公表されています。

風営法改正のポイント

改正で何が変わったのか:2つの柱

第1弾(2025年6月28日施行):営業ルールと罰則

  • 料金の虚偽説明・誤認させる説明の禁止(接待飲食営業の遵守事項に追加)
  • 客の恋愛感情につけ込み、困惑させて飲食・遊興させる行為の禁止(いわゆる悪質な色恋営業への規制)
  • 注文前に提供する「つけ回し」により困惑させる行為の禁止
  • 客を威迫して困惑させること、料金支払いのために売春・性風俗店勤務・AV出演等を要求することは刑事罰の対象
  • 性風俗店がスカウトに紹介料を支払う「スカウトバック」の禁止(罰則あり)
  • 無許可営業等の罰則強化:個人は5年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金

第2弾(2025年11月28日施行):許可の「入口」が厳格化

  • 欠格事由(不許可事由)の追加:親会社などグループ法人が許可取消を受けた法人/警察の立入調査後に許可証を返納する「処分逃れ」をした者/暴力的不法行為のおそれがある者が支配的な影響力を持つ場合
  • 法人の許可申請で添付書類が追加:欠格事由に該当しない旨の誓約書面/密接な関係を有する法人の名称等を記載した書面/株主名簿の写し(株式会社)/定款(持分会社の風俗営業者)

警察庁の通達では、行政書士など書類作成者への周知も明記されています。法人の許可案件では、資本関係やグループ会社の構成を確認することが必須の工程になりました。

広告・宣伝は「運用の明確化」

  • 「年間売上○億円突破」「指名数No.1」など営業成績を直接示す文言
  • 「総支配人」「レジェンド」など成績上位を推認させる役職等
  • 「売上バトル」などランキング競争を強調する文言
  • 「○○に溺れろ」など「推し」応援を過度に煽る文言

これらの広告・宣伝は規制違反に該当すると解されることが、通達で明示されました。法律の条文が変わったのではなく、従来からある広告宣伝規制の解釈・運用が明確化されたものです。屋外の看板だけでなく、店内の広告物も対象になり得る点にご注意ください。

業態別:あなたのお店への影響

ホストクラブ・キャバクラ(接待飲食営業)

  • 今回の改正の直接の対象です。料金体系・接客マニュアル・売掛金の運用を総点検する必要があります
  • 売上やランキングをうたう広告物は、店内のものも含めて見直しの対象になり得ます

スナック・コンカフェ・ガールズバー

  • お客様のそばに付いて継続的に談笑の相手をする・お酌をするなどの「接待」があれば、業態名にかかわらず風俗営業許可(1号・社交飲食店)の対象です
  • 許可店には第1弾の遵守事項(料金説明の適正化など)がそのまま適用されます
  • 法人で新規許可を申請する場合は、誓約書面や株主名簿の写しなど追加書類の対象です

バー・居酒屋(接待なし・深夜0時以降に酒類を提供)

  • 接待をせず深夜に酒類を提供するお店は、深夜酒類提供飲食店営業の「届出」の区分です
  • 改正の中心は接待飲食営業ですが、無許可営業の罰則が大幅に強化されたため、届出のみのお店で実態として接待にあたる接客をしていた場合のリスクは従来より格段に重くなりました
  • 「うちの接客は接待にあたるのか」が曖昧なまま営業している場合は、早めに営業形態を整理することをおすすめします

神奈川県内での手続きの基礎

  • 提出先:営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全(第一)課
  • 手数料:風俗営業許可 24,000円、特定遊興飲食店営業許可 24,000円(神奈川県警公表)
  • 営業時間:風俗営業は原則として午前0時から午前6時までは営業できません(県条例の特例で12月15日〜1月10日は午前1時まで営業可)
  • 特定遊興飲食店営業:許可される地域は横浜市中区・川崎市川崎区のうち規則で定める地域に限られます(秦野市など県央・県西では許可されません)
  • 深夜酒類提供飲食店営業:住居地域では原則営業できません(商業地域の周囲30メートル以内の住居地域は例外)

いずれの場合も、保健所の飲食店営業許可が前提になります。営業時間や保全対象施設との距離の基準は都道府県条例で異なるため、神奈川県では所轄警察署への事前相談が事実上必須です。最新の様式や運用は神奈川県警の申請手続ページでご確認ください。

経過措置と注意点

  • 第2弾の施行日(2025年11月28日)より前に申請し、施行日までに許可・不許可が出ていなかった申請は新法による申請とみなされます。新しい欠格事由で審査され、追加の添付書類の提出も必要です
  • 旧法基準で許可を受けた場合でも、新しい欠格事由に該当するときは、施行後に許可取消処分となる可能性があります
  • スカウトバックは、施行前に紹介を受けていても施行後に対価を支払えば処罰の対象とされています
  • 条文番号や手数料などの細部は変わることがあります。実際の手続き前には警察庁・神奈川県警の公式情報で最新をご確認ください

まず整理すべきは「許可か、届出か」

改正対応の前提として、自分のお店がどの区分かを確認しましょう。判定の基本は次の4区分です。

  • 接待あり → 風俗営業許可(1号・社交飲食店)
  • 接待なし+深夜の遊興+酒類提供 → 特定遊興飲食店営業許可
  • 接待なし+深夜の酒類提供のみ → 深夜酒類提供飲食店営業の届出(営業開始の10日前まで)
  • いずれにも該当しない → 飲食店営業許可のみ

届出には審査による許否の処分こそありませんが、図面など書類のボリュームは許可申請並みで、客室の構造・照度・地域の要件もあります。「届出だから簡単」は誤解です。詳しくは深夜酒類提供飲食店届出(BAR)の解説を、マージャン店など遊技系の許可は風俗営業許可申請(第4号・マージャン店)の解説をご覧ください。

改正後の点検・許可・届出はお気軽にご相談ください

やさしい行政書士事務所のマスコット猫

やさしい行政書士事務所では、風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店届出を取り扱っています。秦野市を中心に県西部、神奈川県全域に対応し、代表は2011年の行政書士試験合格・2012年開業以来、1,000件を超える相談に対応してきました。法人の新規許可で必要になった株主名簿やグループ会社の確認も含めて、書類の準備からサポートします。

※税務に関するご相談は税理士、登記は司法書士、労務は社会保険労務士、紛争性のある案件は弁護士の業務範囲です。必要に応じて提携の司法書士・税理士・弁護士をご紹介します。

※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。改正法の正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律」(令和7年法律第45号)です。条文番号・手数料・運用の最新情報は、警察庁・神奈川県警察の公式情報で必ずご確認ください。

ABOUT ME
やさしい行政書士事務所のマスコット猫
宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも神奈川県の建設業者の許認可を得意としています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内の事業者をサポートしています。