建設業許可

経審のCCUS加点とは|何点上がる・3つの要件・2026年7月改正までを行政書士が解説

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執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(神奈川県行政書士会所属/登録番号 第12082434号/神奈川県秦野市)。本記事は神奈川県知事許可・経営事項審査(経審)を前提に、CCUSによるW点(社会性等)の加点をやさしく解説します。

「公共工事の入札に出たいから、経審の点数をなんとか上げたい」。
そう思って情報を集めると、必ず出てくるのが「CCUSで加点される」という話です。

でも、こんな疑問が残っていませんか。

  • CCUSを入れると経審は何点上がるのか
  • 登録だけすれば点が付くのか、それとも何か条件があるのか
  • 「全工事でやらないと0点」と聞いたが、本当か
  • 2026年7月に改正されると聞いたが、急いだほうがいいのか

このあたりが、いちばんモヤモヤするところだと思います。
この記事では「経審のCCUS加点」にしぼって、点数・要件・対象工事・改正までを順番に整理します。読み終えるころには、自社が何点取れそうか、いつまでに動けばよいかの見当がつくはずです。

そもそもCCUSとは?(経審の文脈で一言)

CCUS(建設キャリアアップシステム)=技能者の資格・社会保険・現場の就業履歴を、業界全体で記録していく国の仕組みです。
カードを現場のカードリーダーにかざすことで、「誰が・いつ・どの現場で働いたか」が積み上がっていきます。

経審(経営事項審査)は、ざっくり言えば公共工事の入札に参加するための“会社の通信簿”です。
その通信簿の中に「社会性等(W点)」という項目があり、CCUSへの取り組みもここで評価されます。正式には「就業履歴蓄積措置」と呼ばれる加点項目です。

経審でCCUSは何点上がる?(点数の早見表)

経審の評価シートにプラスの加点が足されて点数が上がるイメージのイラスト

気になる点数から先にお伝えします。現行の配点は次のとおりです(令和8年6月30日までに申請する場合に適用。なお、この措置自体は審査基準日が令和5年8月14日以降の申請から評価されています)。

実施した範囲 加点
民間工事を含むすべての建設工事で実施 15点
すべての公共工事で実施 10点
対象となる元請工事が無い(元請0件) 加点なし

W点はP点(総合評定値)の15%を占める項目です。最大15点の加点は、決して小さくありません。
W点全体の中での位置づけや計算の仕組みは、経審W点の計算方法の記事でくわしく整理しています。

加点を受ける3つの要件

CCUSの登録・カードリーダーでの履歴蓄積・書類提出という3つの要件を表すイラスト

CCUSは「登録すれば自動で点が付く」わけではありません。次の3つをすべて満たす必要があります。

  • ① 現場・契約情報の登録:CCUS上で、自社の現場と契約の情報を登録していること。
  • ② 就業履歴を蓄積できる体制の整備:従事者が直接入力する方法ではなく、カードリーダー等でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制を整えていること。
  • ③ 様式第6号(誓約書)の提出:経審の申請時に、誓約書(様式第6号)を提出すること。

ポイントは②です。「カードをタッチして履歴が残る仕組み」を現場に用意しておくことが条件になります。
この措置は、審査基準日が令和5年8月14日以降の申請から評価されています。

「全工事で実施」が条件=取りこぼしに注意

配点表をよく読むと、条件は「(対象となる)すべての建設工事/すべての公共工事で実施していること」です。これは事実です。

ここから先は当事務所の実務解釈としてお伝えします。
「すべての工事で」という書きぶりからすると、対象工事のうち1件でも未実施だと、その区分の加点は付かないと解されます。つまり、取りこぼしが1件あると0点になりかねない、という厳しめの要件です。
(出典に「1件でも漏れると0点」という明確な文言があるわけではないため、ここは解釈として読んでください。)

逆の見方をすると、これは元請工事が少ない小規模な会社ほど有利とも言えます。
たとえば、対象となる公共の元請工事が1件だけなら、その1件でしっかり就業履歴を蓄積すれば10点を狙えます。対象が少ないほうが、網羅しやすいからです(事務所見解)。

対象になる工事・ならない工事の線引き

経審のCCUS加点で対象になる元請工事と対象外の工事を仕分けするイメージのイラスト

「全工事」といっても、すべての仕事が対象になるわけではありません。
対象は審査基準日以前1年以内に、発注者から直接請け負った建設工事(=元請工事)です。下請けの工事は数えません。

区分 内容
対象 審査基準日以前1年以内に、発注者から直接請け負った元請工事
対象外(a) 請負代金500万円未満の工事(建築一式工事は1,500万円未満)の軽微な工事
対象外(b) 床面積150㎡未満の木造住宅工事
対象外(c) 災害応急(復旧)工事
対象外(d) 日本国外の工事

つまり、小さな工事や災害対応の工事まで全部にカードリーダーを、という話ではありません。
「自社の元請工事のうち、どれが対象になるか」を最初に整理しておくと、対応の負担が見えてきます。

いつまでに動く? 2026年7月1日の改正に注意

ある日付を境に経審のルールが切り替わることを示すカレンダーと分かれ道のイラスト

ここがこの記事のいちばん大事なところです。
令和8年(2026年)7月1日以降の申請から、CCUS加点の配点が引き下げられます。

区分 現行(〜2026年6月30日申請) 改正後(2026年7月1日申請〜)
すべての建設工事で実施 15点 10点
すべての公共工事で実施 10点 5点

減った5点は、新しく作られる「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」(5点)へ移ります。
そのため、W評点全体の最高点そのものは変わりません。CCUSで取れる点が減るぶん、別の宣言制度で取り返せる設計、というイメージです。
これは国土交通省による全国一律の改正(国土交通省令第6号・告示第262号/令和8年2月6日公布、令和8年7月1日施行)で、神奈川県でも同じ日に施行されます。改正後の基準は令和8年7月1日以降に申請する経審から適用され、6月30日までに申請した経審は現行の配点(最大15点)のままです。新設の自主宣言制度については職人いきいき宣言で5点加点の記事でも解説しています。

あわせて、神奈川県では時限の注意点があります。
神奈川県の手引き(令和8年4月1日版)によると、令和8年7月1日申請分から、W点の最低点と総合評定値の最低点が変更されます。
現行の基準での結果通知を希望する場合は、令和8年6月30日までに申請しておく必要があります。

申請のタイミング 適用される基準
2026年6月30日まで 現行の基準で結果通知
2026年7月1日以降 新しい基準で結果通知

「現行基準と新基準、どちらが自社に有利か」は、社会保険の加入状況や決算内容によって変わるため、一概には言えません。
改正の全体像は2026年7月のW点改正の記事でまとめています。判断に迷う場合は、早めに見通しを立てておくと安心です。

自分でやる? 相談する?の判断目安

CCUSの加点は、手順そのものは決まっています。
次のような場合は、ご自身で進めやすいでしょう。

  • 対象となる元請工事の件数が少なく、整理しやすい
  • すでにCCUSへの事業者・現場登録を済ませている
  • カードリーダー等の運用を現場で回せている

一方、次のような場合は専門家に相談したほうが早いことが多いです。

  • 対象工事が多く、「全工事で実施」できているか自信がない
  • 様式第6号(誓約書)の出し方や、添付書類の整え方が分からない
  • 2026年6月30日の締切に間に合わせたいが、決算変更届など準備が残っている
  • CCUS以外も含めて、W点・P点を全体で底上げしたい

経審そのものの流れを知りたい方は、経審がはじめての方向け・流れの記事から読むのがおすすめです。P点全体の上げ方は経審の点数(P点)の上げ方の記事にまとめています。

まとめ

最後に要点を整理します。

  • CCUSは経審のW点で評価され、現行はすべての工事で実施なら15点、すべての公共工事なら10点
  • 加点には①登録 ②カードリーダー等での蓄積体制 ③様式第6号の提出の3つがすべて必要。
  • 条件は「全工事で実施」。取りこぼしに注意。逆に元請が少ない小規模な会社ほど網羅しやすい。
  • 対象は元請工事のみ。軽微な工事・小規模な木造住宅・災害復旧・国外工事は対象外。
  • 2026年7月1日の申請から配点が15点→10点/10点→5点に引き下げ。減った5点は新設の自主宣言制度へ移行(W点の最高点は不変)。
  • 神奈川県では、現行基準での結果通知を希望するなら2026年6月30日までの申請がひとつの目安。

経審・CCUS加点のご相談は「やさしい行政書士事務所」へ

神奈川県秦野市の行政書士が、経審の点数アップと公共工事の受注を伴走支援します。初回相談は無料です。「うちはCCUSで何点取れる?」「6月30日の締切に間に合う?」といったご相談も、決算書や工事の状況をお見せいただければ、その場で見通しをお伝えします。

お電話:0463-57-8330(やさしい行政書士事務所)
メールでのご相談:お問い合わせフォーム
費用の目安:料金表

※本記事は2026年6月時点の情報に基づく一般的な解説で、神奈川県知事許可・経営事項審査を前提としています。経審の配点・要件・改正内容は変更される場合があり、対象工事の範囲や加点の可否は会社ごとの個別事情で結論が変わります。実際の申請にあたっては、管轄の行政庁および最新の手引きを必ずご確認ください。個別の判断については当事務所までご相談ください。

ABOUT ME
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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも神奈川県の建設業者の許認可を得意としています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内の事業者をサポートしています。