まとめ

会社設立の流れ5ステップ|許認可から逆算する設計を解説

新しいオフィスの前で旗を立てる猫のマスコット

執筆・監修:やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介(登録番号 第12082434号)|執筆・監修者について

会社設立の流れは、定款作成→定款認証→出資金の払込み→設立登記→各種届出の5ステップです。手順そのものはシンプルですが、設立したあとで「建設業許可の要件を満たさない」「経営管理ビザが取れない」と気づき、定款変更や増資をやり直す方が少なくありません。

この記事では、法務局・日本公証人連合会・国税庁の公式情報にもとづいて流れを解説したうえで、行政書士ならではの「許認可から逆算する会社設計」の考え方をお伝えします。

会社設立の流れ5ステップ

結論:会社設立の流れは5ステップ

株式会社の発起設立を例にすると、流れは次のとおりです。

ステップ 内容 主な担い手
1. 定款作成 会社の根本規則(目的・商号・本店など)を定める ご本人/行政書士
2. 定款認証 公証役場で公証人の認証を受ける(株式会社) 行政書士がサポート
3. 出資金の払込み 資本金を払い込み、証明書面を準備する ご本人(発起人)
4. 設立登記 法務局へ登記を申請する 提携司法書士
5. 各種届出 税務・社会保険などの届出を行う 税理士・社会保険労務士など

大切なのは、ステップ1に入る前に「設立後にどんな許認可・在留資格が必要か」を先に決めておくことです。定款の目的・資本金・役員構成・営業所は、いずれも許認可の審査対象になり得るからです。

各ステップの進め方

ステップ1:定款の作成

定款は会社の根本規則です。法務局の記載例では、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)として次の5つが挙げられています。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • 発起人の氏名・住所

特に「目的」は許認可の審査と直結します。営む予定の事業が読み取れる目的になっているか、設立前に必ず確認しましょう(出典:法務局「株式会社設立登記申請書」記載例)。

ステップ2:公証役場での定款認証(株式会社のみ)

株式会社の定款は、公証人の認証を受ける必要があります。認証手数料は資本金の額などによって変わります(出典:日本公証人連合会)。

資本金の額等 認証手数料
100万円未満 3万円
100万円未満で、発起人全員が自然人で3人以下・発起人が全株式を引き受ける旨の定款記載・取締役会非設置のすべてを満たす場合 1万5,000円
100万円以上300万円未満 4万円
その他 5万円

当事務所は電子定款認証に対応しています。紙の定款にかかる印紙税などの取扱いは、公証役場・税務署にご確認ください。

ステップ3:出資金の払込み

発起人が出資金(資本金)を払い込みます。登記申請では「払込みを証する書面」が必要で、設立時代表取締役の証明書面に預金通帳の写しや取引明細票を合わせてとじる方法が、法務局の記載例で示されています。

ステップ4:設立登記の申請(提携司法書士が担当)

法務局へ設立登記を申請します。申請書の様式は、株式会社は取締役会の有無や発起設立・募集設立の別で分かれ、合同会社には専用の様式があります(出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」)。登記の際に納める登録免許税は次のとおりです(出典:国税庁タックスアンサーNo.7191)。

  • 株式会社:資本金の額×1,000分の7(15万円に満たないときは15万円
  • 合同会社:資本金の額×1,000分の7(6万円に満たないときは6万円

登記申請の代理は行政書士の業務範囲外のため、当事務所では定款作成・認証までを行政書士が担当し、登記は提携司法書士が担当します(登記はお客様から司法書士への直接のご依頼となります)。当事務所が紹介と連携の窓口になります。

ステップ5:税務・社会保険などの届出

会社の成立後は、税務署への法人設立届出書などの税務手続や、社会保険の加入手続が必要になります。

  • 税務の届出・相談は税理士の業務領域です(提携税理士のご紹介ができます)
  • 社会保険の手続は社会保険労務士の業務領域です
  • 提出期限・必要書類は、税務署・年金事務所など各窓口の最新案内でご確認ください

許認可から逆算する会社設立【行政書士の視点】

多くの解説は「設立の手順」で終わりますが、実務で本当に大切なのはその先です。許認可は会社の中身(目的・資本金・役員・営業所)を審査するため、設立後に直そうとすると、定款変更・増資・役員変更といったやり直しが発生します。建設業のほか、飲食業や風俗営業のように営業所や人の要件がある業種でも、設立前の設計が欠かせません。

建設業許可を取りたい場合

建設業許可を見すえるなら、設立前に次の点を設計しておきます。

  • 役員構成:経営業務の管理責任者(経管)になれる経営経験者を役員に入れる。個人事業主としての経営経験を通算できる場合がありますが、常勤性の確認など運用は行政庁によって異なります
  • 定款の目的:営もうとする建設業の内容が読み取れる目的にしておく
  • 資本金:許可には財産的な要件もあるため、資本金の額は行政庁の手引き・基準を確認して決める
  • 社会保険:法人は社会保険への加入が前提となるため、役員の常勤性とあわせて設計する

許可要件の詳細は秦野の建設業許可サポートで解説しています。

個人事業主の法人成りは「承継認可」を検討

個人の建設業許可は、法人へ自動では引き継がれません。かつては「個人の許可を廃業して法人で新規申請」しかなく許可の空白期間が生じていましたが、令和2年10月施行の事業承継制度により、譲渡・譲受け型の承継認可で許可番号ごと法人に引き継げるようになりました。

  • 事前の認可が必須:承継日より前に認可を受ける必要があり、直前の申請では間に合わず「廃業→新規申請」になるおそれがあります
  • 許可業種の全部承継のみ(一部だけの承継は不可)
  • 認可申請の手数料は不要
  • 許可番号は引き継がれ、有効期間は承継日の翌日から起算して5年間

神奈川県の運用では審査は概ね50日とされ、承継日の3か月以上前を目安に申請、事前相談は4か月程度前から始めるのが安全です(出典:神奈川県の手引き)。なお、解体工事業登録はこの承継制度の対象外のため、法人として新規登録が必要です(最新の取扱いは県の案内でご確認ください)。

経営管理ビザで起業する場合

就労を目的に新たに来日する外国人の方が会社を設立して経営する場合、多くのケースで在留資格「経営・管理」(経営管理ビザ)の取得が必要になります。資本金や事業所の確保など、会社の設計そのものが在留資格の審査に影響し得るため、設立前の設計が大切です。

当事務所は申請取次行政書士として在留資格の手続も扱っています。詳しくは経営管理ビザの完全ガイドをご覧ください。

株式会社と合同会社で流れはどう違う?

合同会社には公証人による定款認証の手続がなく(認証手数料の対象は株式会社等とされています)、法定費用も抑えられます。

項目 株式会社 合同会社
定款認証 必要(手数料1万5,000円〜5万円) 認証手続なし(手数料の対象は株式会社等とされています)
登録免許税 資本金×1,000分の7(最低15万円) 資本金×1,000分の7(最低6万円)
登記申請の様式 様式1-1〜1-4 様式3-1

どちらの形態が合うかは、事業内容や取引先との関係によって変わります。当事務所は株式会社・合同会社・NPO法人の設立に対応しています。「そもそも個人事業のままでよいのでは?」と迷っている方は、姉妹記事会社設立と個人事業の違いもあわせてどうぞ。

会社設立の流れに関するよくある質問

会社設立は自分でもできますか?

可能です。法務局のサイトで様式・記載例が公開されています。ただし許認可や在留資格の取得を予定している場合は、目的・資本金・役員構成の設計を誤ると後戻りのコストが大きいため、設立前の段階での相談をおすすめします。

法定費用はいくらかかりますか?

株式会社は定款認証手数料(1万5,000円〜5万円)と登録免許税(最低15万円)、合同会社は登録免許税(最低6万円)が中心です。このほかに実費が生じる場合がありますので、最新額は公証役場・法務局にご確認ください。

許可が取れる会社になるか、設立前に確認してもらえますか?

はい。建設業許可などの要件の事前確認は無料で行っています。費用が発生するのは、税込の見積りにご納得いただいた後だけです。

設立登記までまとめて依頼できますか?

登記申請は行政書士の業務範囲外のため、当事務所の提携司法書士が担当します。定款作成から登記、その後の許認可申請まで、窓口ひとつでご案内できる体制です。

設立前の無料相談のご案内

やさしい行政書士事務所のマスコット猫

やさしい行政書士事務所(神奈川県秦野市)は、2012年開業・1,000件超の相談対応の経験をもとに、許認可から逆算した会社設立をサポートしています。建設業許可や経営管理ビザを見すえた設立は、とくにお任せください。

本記事は2026年6月時点の情報にもとづいています。法定費用や手続の詳細は、法務局・公証役場・国税庁など各官公庁の最新情報をご確認ください。

ABOUT ME
やさしい行政書士事務所のマスコット猫
宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも神奈川県の建設業者の許認可を得意としています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内の事業者をサポートしています。