建設業

建設業許可は500万円から必要?無許可工事の罰則と許可の取り方を行政書士が解説

「無許可でも、バレないですよね?」——いちばん多い質問に、先に答えます

建設業許可の相談で、いちばん多く聞かれるのがこれです。

「500万円を少し超えたけど、今までも大丈夫だった」
「下請けだし、誰も見てないでしょう」

結論から申し上げます。無許可の請負が発覚する経路は、実際に存在します。しかも建設業法は、行政の立入検査の対象を「許可業者」ではなく「建設業を営む全ての者」と定めています(建設業法第31条第1項)。許可を持っていないことは、行政が見に来ない理由にはなりません。

そしてもう一つ、あまり知られていない事実があります。本当に重いのは、罰金そのものではなく、その後の「5年」です。建設業法違反で罰金刑を受けると、刑の執行を終えた日から5年間、建設業許可を受けられません(同法第8条第8号)。「罰金を払って終わり」にはならないのです。

この記事でわかること

  • 500万円ラインの正確な判定方法(税込み・支給材料・分割)
  • 無許可がどこで発覚するのか、その具体的な経路
  • 発覚したときに科される罰則と、その後の「5年」
  • 500万円未満でも登録が必要になる3つの業種
  • 紛らわしい「もう一つの500万円」(許可を取る側の要件)との違い

条文と神奈川県の手引きを示しながら、順に整理します。

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そもそも「500万円ルール」とは?

建設業許可が必要な500万円の基準

建設業を営むには、原則として建設業許可が必要です(建設業法第3条第1項)。ただし「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可が不要とされています(同項ただし書)。その「軽微な建設工事」の中身を定めているのが、建設業法施行令第1条の2です。

工事の種類 許可が不要な範囲(軽微な建設工事)
建築一式工事 1件の請負代金が 1,500万円未満(消費税込み)
または、請負代金にかかわらず木造住宅で延べ面積150㎡未満
※ここでいう木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住用とするものです(神奈川県手引き)。木造でも店舗・倉庫などはこれに当たりません。
建築一式以外の建設工事 1件の請負代金が 500万円未満(消費税込み)

裏を返せば、この範囲を超える工事を1件でも請け負うなら、建設業許可が必要ということです(建築一式以外の工事であれば、500万円以上の工事が1件あれば許可が必要になります)。元請か下請か、二次下請かは関係ありません。個人事業主でも法人でも同じです。

出典:建設業法第3条第1項ただし書、建設業法施行令第1条の2/神奈川県『建設業許可申請の手引き 令和8年度版』第1章「許可が不要な軽微な建設工事」

「500万円っていつから? 最近変わった?」

「金額が引き上げられたと聞いた」というご相談をいただくことがあります。整理すると、許可が必要かどうかを分ける500万円(建築一式1,500万円)は、変更されていません。2026年10月3日時点の建設業法施行令第1条の2は、この金額のままです。

混同されやすいのが、特定建設業の許可が必要になる下請代金の金額です。こちらは引き上げられ、現在は5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)となっています(建設業法施行令第2条)。「金額が上がった」という話は、たいていこちらを指しています。許可がいるかどうかの500万円ラインとは、まったく別の話です。


判定でつまずく3つのポイント

「500万円未満だと思っていたら、実は超えていた」という事故は、だいたいこの3つのどれかで起きます。

⚠️ ポイント1:金額は「消費税込み」で見る

500万円の判定は、消費税を含んだ金額で行います。神奈川県の手引きにも「消費税込み」と明記されています。

💡 具体例
税抜460万円の工事 → 消費税10%を加えると506万円 → 許可が必要

「税抜きなら500万円を切っているから大丈夫」という判断は、そのまま無許可営業につながります。見積の段階で税込金額を確認してください。

⚠️ ポイント2:注文者が支給した材料は「市場価格」を足す

ここは条文の言い回しを正確に押さえておきたいところです。建設業法施行令第1条の2第3項は、注文者が材料を提供する場合、その材料の「市場価格」(運送賃がかかる場合は市場価格+運送賃)を請負代金の額に加えたもので判定すると定めています。

💡 具体例
工事代金 300万円 + 施主支給の材料(市場価格)250万円 = 550万円 → 許可が必要

注意したいのは、「実際にいくらで買ったか」ではなく「市場価格」で見るという点です。施主が知り合いのルートで安く仕入れた場合でも、判定に使うのは市場価格です。「材料は施主持ちだから、うちの請負代金は300万円だけ」という理屈は通りません。

紛らわしいので整理します
・許可がいるかどうかの500万円:注文者支給の材料を含めて判定します
・特定建設業がいるかどうかの5,000万円:元請が提供する材料等の価格は含めません(神奈川県手引き)
同じ「材料」でも扱いが逆になります。

⚠️ ポイント3:契約を分けても合算される

「1件の工事を2回に分けて契約すれば、それぞれ500万円未満になるのでは」という発想は、条文で先回りして封じられています。施行令第1条の2第2項は、同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額で判定すると定めています。

ただし条文には続きがあり、「正当な理由に基いて契約を分割したとき」は合算しないとされています。工期や工種の都合で契約を分けること自体が禁じられているわけではありません。問題になるのは、許可を回避する目的での分割です。判断に迷う場合は、契約前に許可行政庁か専門家にご相談ください。


「1,500万円以下なら許可はいらない」は建築一式だけの話

これも誤解が多いポイントです。1,500万円という金額が使えるのは建築一式工事だけで、それ以外の専門工事は500万円が基準になります。

建築一式工事とは、神奈川県の手引きによれば「建物の新築・増築などの総合的な工事」を指します。「建築系の工事だから建築一式」ではありません。内装、電気、管、塗装、防水といった専門工事は、単独で請け負う限り、500万円以上なら、その業種の許可が必要です。

すでに建設業許可をお持ちの方にも、同じ勘違いがあります。建築一式工事の許可を持っていても、500万円以上の専門工事を単独で請け負うには、その業種の許可が別途必要です。一式工事の許可は「何でも請けられる万能の許可」ではありません。


無許可は、どこで発覚するのか

ここからが本題です。「今まで指摘されたことがない」という状態は、合法である証明ではなく、まだ照合されていないだけという可能性があります。実際に発覚の入口になりうる仕組みを、条文で確認していきます。

経路1:元請が作る書類に、下請の「許可番号」を書く欄がある

一定規模以上の工事では、元請(特定建設業者)が施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置く義務があります(建設業法第24条の8第1項)。この台帳の記載事項は国土交通省令で定められており、下請負人については「当該下請負人が建設業者であるときは、その者の許可番号及びその請け負つた建設工事に係る許可を受けた建設業の種類」を記載することとされています(建設業法施行規則第14条の2第1項第3号ロ)。

二次以降の下請も同じです。再下請負通知書にも、通知する側が建設業者であるときは許可番号を記載します(同規則第14条の4第1項第1号)。

条文が「建設業者であるときは」という条件付きにしているのは、軽微な工事だけを請け負う無許可の下請が現場に入ること自体は適法だからです。そこは誤解のないように。

問題になるのは、許可が必要な規模の工事を請けているのに許可番号を書けないという状態です。台帳には下請工事の名称・内容・工期が記載され(施行規則第14条の2第1項第4号)、請負契約書の写しも添付されます(同条第2項第1号)。元請と直接契約した一次下請の契約書の写しは、請負代金の額が入ったまま添付されます。二次以降の下請契約の写しは、民間工事では請負代金の額の部分を除いて添付されますが、公共工事では金額が入ったまま添付されます(同号かっこ書き、同規則第14条の4第3項)。金額まで添付される範囲では、「請けた工事の規模」と「許可番号の空欄」が並ぶことになる——書類を作る元請の側から見れば、気づかれやすい形だということです。しかも民間工事の施工体制台帳は、発注者から請求があれば発注者の閲覧に供さなければなりません(法第24条の8第3項)。

なお公共工事では、この作成義務の範囲がさらに広がります。公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条第1項の読替えにより、元請が一般建設業の許可業者であっても、下請契約を締結すれば金額にかかわらず施工体制台帳の作成が必要になります。そのうえ同条第2項は、請求を受けて閲覧に供する規定に代えて、受注者に施工体制台帳の写しを発注者へ提出することを義務づけています(電子的に確認できる措置を講じている場合を除く)。公共工事では、下請の許可の状況が発注者の手元に届く仕組みになっている、ということです。

経路2:立入検査の対象は「建設業を営む全ての者」

ここは特に誤解されやすい点です。建設業法第31条第1項は、報告徴収と立入検査の対象を次のように定めています。

国土交通大臣は、建設業を営む全ての者に対して、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で建設業を営む者に対して、この法律の施行に必要な限度において、その業務、財産若しくは工事施工の状況に関し必要な報告を求め、又は当該職員に、営業所その他営業に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

条文は「許可を受けた建設業者」ではなく「建設業を営む全ての者」と書かれています。許可を持っていないことは、行政の調査対象から外れる理由にはならないということです。

経路3:公共工事に関わろうとした時点で判明する

国や地方公共団体などが発注する一定規模以上の工事(工事1件の請負代金が500万円以上、建築一式は1,500万円以上。応急の工事などは除く)を発注者から直接請け負うには、経営事項審査(経審)を受けなければなりません(建設業法第27条の23第1項、同法施行令第45条)。

そして経審を受けられるのは許可を受けた建設業者です。入札参加資格の審査でも許可が確認されます。無許可のままでは、そもそも土俵に上がれません。元請が公共工事を受注している場合は、下請の体制も発注者のチェックを受けます。

経路4:重い処分は公告される

許可行政庁が営業停止命令や許可の取消しなどの処分をしたときは、その旨を公告しなければならないと定められています(建設業法第29条の5第1項)。取引先や金融機関が調べれば分かる状態になる、ということです。「知られずに終わる」ことを前提にした経営判断は、リスクが大きすぎます。


発覚したら何が起きるか——罰金より重い「5年」

🚨 まず、刑事罰

許可を受けないで建設業を営んだ場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されます(建設業法第47条第1項第1号)。情状により、拘禁刑と罰金を併科することもできます(同条第2項)。

さらに法人には両罰規定があります。従業者などが第47条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1億円以下の罰金刑が科されます(同法第53条第1号)。

🚨 そして、ここからが本当に重い部分です

建設業許可には欠格要件があり、これに当たると許可を受けられません(建設業法第8条)。注目していただきたいのは、次の2つです。

条文 内容
第8条第7号 拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
第8条第8号 この法律(建設業法)などに違反したことにより罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

つまり、罰金で済んでも終わりではありません。
建設業法違反による罰金刑は第8号に当たるため、刑の執行を終わった日から5年間、建設業許可を受けられません。「罰金を払って、その後すぐ許可を取り直す」ということはできない、ということです。

この5年間に起きることを、事業の側から見てみます。軽微な建設工事の範囲を超える工事(建築一式以外なら500万円以上)は請けられません。経営事項審査が必要な公共工事を、発注者から直接請け負うこともできません。元請から許可の有無を確認されれば、取引の継続も難しくなります。一度の判断が、5年分の受注機会に影響するという構図です。

🚨 すでに許可を持っている場合

許可業者が違反した場合は、指示処分や営業停止の対象になります(建設業法第28条)。さらに、第8条第1号または第7号から第14号までのいずれかに該当するに至った場合、許可行政庁はその許可を取り消さなければならないと定められています(同法第29条第1項第2号)。「取り消すことができる」ではなく「取り消さなければならない」という書き方である点に、制度の姿勢が表れています。


500万円未満でも「別の登録」が必要になる3つの業種

「500万円未満だから、何の手続きもいらない」——これも危険な思い込みです。神奈川県の手引きは、軽微な建設工事のみを請け負う場合でも事業者登録が必要な建設業として、次の3つを挙げています。

業種 必要な手続きと、不要になる条件
解体工事業 都道府県知事の解体工事業登録が必要。
ただし土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を受けている者は除かれます。
(根拠:建設リサイクル法)
浄化槽工事業 都道府県知事の浄化槽工事業登録が必要。
ただし土木工事業・建築工事業・管工事業の建設業許可を受けている者は除かれます(この場合は開始したときに届出が必要)。
(根拠:浄化槽法)
電気工事業 営業所が1つの都道府県内なら知事、2以上の都道府県にまたがるなら経済産業大臣の登録が必要。
ただし建設業許可を受けている者(業種は問いません)には登録の規定が適用されず、「みなし登録電気工事業者」として扱われます。この場合は登録ではなく、電気工事業を開始したときに遅滞なく届出をします。
なお、自家用電気工作物の電気工事だけを行う場合は、登録ではなく通知の手続きになります。建設業許可のない者は事業を開始しようとする日の10日前までに通知をし、建設業許可を受けている者は「みなし通知電気工事業者」として扱われ、電気工事業を開始したときに遅滞なく通知をします。
(根拠:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第34条第1項・第2項・第4項。自家用電気工作物のみの場合は同法第17条の2第1項、建設業許可を受けている者は第34条第3項・第5項)

3つとも、対象となる業種の建設業許可を持っているかどうかで手続きが変わるのが共通点です。対象となる許可の業種は、解体が土木工事業・建築工事業・解体工事業、浄化槽が土木工事業・建築工事業・管工事業に限られ、電気だけは業種を問いません。どの手続きになるかは、上の表のとおり業種ごとに違います。金額の大小にかかわらず関係してくるので、「小さい工事しかやっていない」事業者ほど見落としがちです。


紛らわしい「もう一つの500万円」

ご相談でよく混ざるのが、この2つです。

  • 「500万円以上の工事には許可が必要」
  • 「許可を取るには500万円必要」

同じ500万円ですが、まったく別の話です。整理します。

軽微な建設工事の500万円 財産的基礎の500万円
何の金額? 請け負う工事の金額 会社・事業主のお金の裏付け
意味 これ以上なら許可が必要になる これを満たさないと許可が取れない
根拠 建設業法第3条第1項ただし書、施行令第1条の2 建設業法第7条第4号

財産的基礎(一般建設業)の中身

神奈川県の手引きによれば、一般建設業の許可では次の①〜③のいずれかに該当すれば足ります。

  • ① 直前の決算において自己資本の額が500万円以上であること
  • ② 500万円以上の資金調達能力のあること
  • ③ 直前5年間、許可を受けて継続して営業した実績のあること

※ 建設業法第7条第4号の条文自体は「請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと」と定めるのみで、金額は書かれていません。上の①〜③は、その運用基準として神奈川県の手引きに示されているものです。

②は、主要取引金融機関が発行する500万円以上の預貯金残高証明書で確認されます。「500万円を用意しないと許可が取れない」と身構える方が多いのですが、資本金として払い込んだまま拘束される性質のものではありません。

⚠️ 残高証明でいちばん多い差し戻し
神奈川県の手引きは、有効なのは「残高日」が申請書の受付日から起算して前1か月以内のものと定め、さらに「証明書の発行日ではありませんので注意してください」とわざわざ注意書きを付けています。
残高日と発行日を取り違えると、せっかく取った証明書が使えません。銀行に依頼するときは「いつ時点の残高か」を必ず指定してください。

なお、法人設立時の資本金をいくらにするかという論点は、この財産的基礎と関係しますが、税務や社会保険の話も絡む別テーマです。


では、許可を取るには何が必要か

「うちも許可が必要かもしれない」と思われた方のために、要件を一覧にします。根拠は建設業法第7条と第8条です。申請の流れ・必要書類まで通して確認したい方は、建設業許可の取り方 完全ガイドで詳しく解説しています。ここでは、500万円の話とつながる部分に絞ります。

要件 根拠 要点
① 適正な経営体制 法第7条第1号 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)を置く。満たし方は複数あり、経験年数が足りない場合に「常勤役員等を直接に補佐する者」を置く方法もあります
② 営業所技術者 法第7条第2号 営業所ごとに専任で置く。2024年12月13日施行の改正で名称が変わりました(下記)
③ 誠実性 法第7条第3号 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと
④ 財産的基礎 法第7条第4号 前章の①〜③のいずれか(自己資本500万円以上/500万円以上の資金調達能力/直前5年間の営業実績)
⑤ 欠格要件に当たらない 法第8条 この記事の「5年」がここに出てきます(下記)

②「専任技術者」は、今の条文では「営業所技術者」

⚠️ 「専任技術者」は、現在の建設業法では「営業所技術者」と呼びます。
令和6年法律第49号による改正が2024年12月13日に施行され、建設業法第7条第2号に「営業所技術者」という法律上の名称が定められました。
正確に言うと、それ以前の条文には「専任技術者」という語はなく、「その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のもの」と書かれていただけで、「専任技術者(専技)」は実務上の通称でした。改正によって、条文に名前が付いたことになります。神奈川県の手引きも「営業所技術者等」の表記です。
現場では「専技」がまだ通用していますが、申請書類や手引きを読むときは「営業所技術者」で探してください。

営業所ごとに、請負契約の締結・履行の技術上の管理をつかさどる営業所技術者を専任で置く必要があります(法第7条第2号)。該当するのは次のいずれかです。

  • イ:指定学科を修めて高校卒業後5年以上、または大学・高専卒業後3年以上の実務経験がある
  • ロ:許可を受けようとする建設業に関し10年以上の実務経験がある
  • ハ:国土交通大臣がイ・ロと同等以上と認定した者(施工管理技士などの国家資格者はここに含まれます)

⑤ 欠格要件——ここが「5年」につながります

破産して復権を得ていない、拘禁刑以上の刑から5年を経過していない(第7号)、建設業法違反等による罰金刑から5年を経過していない(第8号)、暴力団員等である——といった事由に当たらないことが必要です(法第8条)。

なお「過去に許可を取り消されたら5年」という説明を見かけますが、条文はもう少し限定的です。第8条第2号が5年の欠格とするのは、不正の手段で許可を受けた場合や、情状が特に重い違反・営業停止処分違反による取消し(第29条第1項第7号・第8号)に当たる場合です。要件を欠いたことによる取消しは、これとは別に扱われます。

また、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届出は、要件①(適正な経営体制)の側で求められる基準です(建設業法施行規則第7条第2号)。それぞれの保険の適用事業所に該当する営業所について、届出をしていることが必要になります。

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費用と期間の目安(神奈川県知事許可)

項目 新規 更新
許可申請手数料 9万円〜 5万円〜
標準的な処理期間 約50日 約35日

※ 神奈川県『建設業許可申請の手引き 令和8年度版』より。手数料は申請区分により異なります(新規9万円〜18万円、更新5万円〜10万円等)。処理期間に補正期間は含まれません。一度納入された手数料は、不許可や取下げの場合でも返還されません。

「約50日」は、書類が整ってから審査が終わるまでの目安です。資料集めと書類作成の期間は、これに加わります。

⚠️ 更新は「満了までに出せばいい」ではありません
神奈川県では、更新申請の受付期間は許可の有効期間の満了の日の3か月前から30日前までです。そして手引きは、更新申請をせずに有効期間が満了した場合、その業種の許可はなくなり「いかなる場合であっても更新はできません」——必要なら新規で取り直すことになる、と明記しています。
なお、期間内に更新申請をしていれば、満了日を過ぎても処分がされるまでは従前の許可が有効です。

費用と期間の全体像や必要書類まで通して確認したい方は、建設業許可の取り方 完全ガイドもあわせてご覧ください。

当事務所へご依頼いただく場合の報酬は、料金ページに掲載しています。


まとめ

  • 500万円未満(建築一式は1,500万円未満)が許可不要の範囲。金額は消費税込みで見る
  • 注文者が支給した材料は市場価格を加算し、分割した契約は合算して判定する
  • この500万円は据え置き。引き上げられたのは特定建設業の下請代金(5,000万円/建築工事業8,000万円)のほう
  • 無許可は、施工体制台帳の許可番号欄や立入検査(対象は「建設業を営む全ての者」)から発覚しうる
  • 罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には最大1億円。そして罰金刑でも5年間は許可が取れない
  • 500万円未満でも、解体・浄化槽・電気は別の登録が必要になる場合がある
  • 「許可を取るための500万円」(財産的基礎)は、工事金額の500万円とは別の話

ここまで見てきたとおり、無許可の請負は、現場の書類・立入検査・公共工事の入口といった複数の場面で表に出てきます。「今まで指摘されなかった」を根拠に判断を先送りするより、いま許可を取れる状態かどうかを一度確認しておくほうが、結果として安く済みます。

※ この記事は2026年10月3日時点の法令等に基づいています。記載の条文は e-Gov 法令検索により同日時点の内容を確認しています。金額・要件・様式は改正されることがありますので、実際の申請にあたっては管轄の行政庁(都道府県または地方整備局)または専門家にご確認ください。

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宮本 雄介
やさしい行政書士事務所 代表。行政書士(登録番号 第12082434号/神奈川県行政書士会所属)。2011年に行政書士試験に合格し、2012年に開業。以来1,000件以上の相談に対応してきました。建設業許可・経営事項審査(経審)、補助金、会社設立、在留資格、相続を取り扱い、なかでも建設業の許認可を中心にしています。弁護士事務所・社労士事務所での実務経験と、複数企業の社外取締役の経験を持ち、手続きの代行だけでなく経営の視点からも助言します。神奈川県秦野市を拠点に、県内を中心に全国の事業者をサポートしています。