日本で高度専門職として活躍されている外国人の皆さん、永住権(在留資格「永住者」)の取得を検討されていますか?高度人材外国人向けの永住許可申請は、一般的な申請と比べてより早く永住権を取得できる可能性があります。この記事では、高度人材外国人の方が永住許可を申請する際の条件、必要書類、そして申請のポイントを詳しく解説します。
目次
1. 高度人材外国人とは
高度人材外国人とは、出入国管理及び難民認定法に基づくポイント制による優遇制度の対象となる外国人のことです。具体的には、以下の条件を満たす方が該当します:
- 出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している外国人
2. 永住許可申請の条件
高度人材外国人の永住許可申請には、以下の4つのケースがあります:
(1) 80点以上のポイントを有する場合
a. 現在「高度専門職」または「特定活動」の在留資格で、80点以上のポイントを有している方
b. 永住許可申請の1年前の時点で80点以上のポイントを有し、現在他の在留資格で在留している方
(2) 70点以上80点未満のポイントを有する場合
a. 現在「高度専門職」または「特定活動」の在留資格で、70点以上のポイントを有している方
b. 永住許可申請の3年前の時点で70点以上のポイントを有し、現在他の在留資格で在留している方
それぞれのケースで、在留期間や必要書類が異なりますので注意が必要です。
3. 必要書類リスト
高度人材外国人の永住許可申請には、以下の書類が必要です:
- 永住許可申請書 1通
- 写真(縦4cm×横3cm)1葉
- 理由書 1通
- 世帯全員の住民票 1通
- 職業を証明する資料
- 所得及び納税状況を証明する資料
- 公的年金及び公的医療保険の保険料納付状況を証明する資料
- 高度専門職ポイント計算表
- ポイント計算の各項目に関する疎明資料
- 資産を証明する資料
- パスポート(旅券)または在留資格証明書 (提示)
- 在留カード (提示)
- 身元保証に関する資料
- 日本への貢献を示す資料(ある場合)
- 了解書 1通
4. 書類の詳細解説
4.1 永住許可申請書
- 出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロード可能
- A4サイズの用紙に印刷し、片面のみ使用
4.2 写真
- サイズ:縦4cm×横3cm
- 申請前6ヶ月以内に撮影したもの
- 16歳未満の方は不要
4.3 理由書
- 永住許可を必要とする理由を自由形式で記載
- 日本語以外で記載する場合は、日本語訳を添付
4.4 世帯全員の住民票
- 申請人を含む家族全員が記載されたもの
- 発行日から3ヶ月以内のもの
4.5 職業を証明する資料
- 会社勤務の場合:在職証明書 1通
- 自営業の場合:確定申告書控えの写し、営業許可書の写しなど
4.6 所得及び納税状況を証明する資料
- 住民税の課税(非課税)証明書及び納税証明書
- 国税の納税証明書(その3)
- 期間は申請条件によって異なる(1年分または3年分)
4.7 公的年金及び公的医療保険の保険料納付状況を証明する資料
- 「ねんきん定期便」または「ねんきんネット」の記録
- 健康保険被保険者証の写し
- 国民健康保険料(税)納付証明書など
4.8 高度専門職ポイント計算表
- 申請時点でのポイント計算結果
- 1年前または3年前(申請条件による)の時点でのポイント計算結果
4.9 ポイント計算の各項目に関する疎明資料
- 学歴証明書、職歴証明書、年収証明書など
- ポイントの合計が70点または80点以上であることを確認できる資料
4.10 資産を証明する資料
- 預貯金通帳の写し
- 不動産の登記事項証明書など
4.11 身元保証に関する資料
- 身元保証書 1通
- 身元保証人の身分証明書の写し
4.12 了解書
- 2021年10月1日以降の申請では必須
5. ポイント計算の詳細
ポイント計算は以下の項目に基づいて行われます:
- 学歴:例)博士号取得(30点)、修士号取得(20点)
- 職歴:例)10年以上(25点)、7年以上(20点)
- 年収:例)2500万円以上(50点)、1000万円以上(40点)
- 年齢:例)30歳以上34歳以下(10点)、35歳以上39歳以下(5点)
- 特別加算項目:例)イノベーションを促進するための支援措置を受けている機関における就労(10点)、代表取締役に就任(10点)
各項目の詳細とポイントについては、出入国在留管理庁のウェブサイトで最新情報を確認してください。
6. 申請時の注意点
- ポイント計算の正確性: 自己申告したポイントは厳密に審査されます。誤りや虚偽の申告は不利益につながる可能性があります。
- 書類の有効期限: 証明書類は通常、発行日から3ヶ月以内のものが求められます。
- 翻訳文の添付: 日本語以外の言語で作成された書類には、日本語訳を添付してください。
- ポイントの変動: 申請時と許可時でポイントが変動する可能性がある場合は、その旨を申し出てください。
- 追加資料の準備: 審査過程で追加の資料を求められる可能性があります。迅速に対応できるよう準備しておきましょう。
- 個人情報の保護: 基礎年金番号や健康保険の被保険者番号が記載された書類を提出する際は、これらの番号を黒く塗りつぶすなど、個人情報保護に注意してください。
7. まとめ:専門家のサポートを受けるメリット
高度人材外国人向けの永住許可申請は、一般的な申請と比べて複雑な面があります。以下のような理由から、専門家のサポートを受けることをお勧めします:
- ポイント計算の最適化: 専門家の助言により、自身の強みを最大限に活かしたポイント計算が可能になります。
- 書類準備の効率化: 必要書類の把握と適切な準備を効率的に行えます。
- 申請戦略の立案: あなたの経歴や実績に基づいた最適な申請タイミングや戦略を提案できます。
- 最新の法改正への対応: 入管法や申請要件の変更に迅速に対応できます。
- 個別ケースへの対応: あなたの特殊な状況や実績に合わせた最適なアドバイスが得られます。
- 成功率の向上: 専門家のノウハウにより、申請の成功率を高めることができます。
- 時間の節約: 複雑な手続きを専門家に任せることで、あなたの貴重な時間を節約できます。
高度人材外国人向けの永住許可申請は、あなたの専門性と日本社会への貢献を評価する重要な機会です。慎重に準備を進め、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、スムーズな申請プロセスを実現しましょう。不明な点がある場合や、申請のサポートが必要な場合は、専門家にご相談ください。私どもの行政書士事務所では、永住許可申請に関する総合的なサポートを提供しております。特殊なケースにも精通しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
【2024年改訂版】日本における永住者の在留資格:最新の申請要件と重要ポイントはこちらから↓