日本で会社を作って夢を実現したい!
そんな想いを抱いている外国人の方、こんにちは!
「経営管理ビザ」って聞いたことありますか?
これは、外国人が日本で会社の社長になったり、お店を経営したりするために必要なビザです。
実は、このビザのルールが最近大きく変わったのをご存知ですか?
「昔は500万円でよかったのに…」といった古い情報のままだと、申請はうまくいきません。
「なんだか難しそう…」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。
数多くの在留資格のご相談を受けてきた「やさしい行政書士事務所」が、最新のルールと、ハードルが高くなっても夢を叶えるための「新しい方法」について、できるだけ分かりやすく説明します。
やさしい行政書士事務所 代表行政書士 宮本 雄介が、出入国在留管理庁の「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」(令和8年6月26日更新)、「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」(令和8年6月改訂。掲載されているガイドライン文書の名称は「「経営・管理」の在留資格の明確化等について」)、e-Gov法令検索の上陸基準省令を実際に確認したうえで執筆・監修しました。初出は2025年5月9日、2026年9月4日に一次資料をすべて再確認して更新しています(情報は2026年9月4日時点のものです。手数料の節は2026年10月5日時点)。確認に使った一次資料は、記事末尾にリンクをまとめました。
目次
この記事の結論(先に全体像)
2025年10月16日から、経営・管理ビザの許可基準(上陸基準省令)は一号から五号までの5項目になりました。さらに施行規則で、在留資格を取るときに出す事業計画書には専門家の確認が義務づけられています。よく話題になる「3,000万円」は、そのうちの1項目にすぎません。
- 一号:事業を営むための事業所が日本にあること(自宅との兼用は原則として認められません)
- 二号イ:常勤職員が1人以上いること(就労ビザなど「別表第一」の在留資格の外国人は、この人数に入りません)
- 二号ロ:事業の用に供される財産の総額が3,000万円以上(法人は資本金の額または出資の総額)
- 三号:経営者または常勤職員のいずれかが、日本語でB2相当以上の能力を持つこと
- 四号:申請者が、学位(博士・修士・専門職)を持つか、経営・管理の経験が3年以上あること
- 五号:管理者として申請する場合、日本人が同じ仕事をしたときと同等額以上の報酬を受けること
そして、いま「経営・管理」で日本にいる方には2028年(令和10年)10月16日という期限があります。この日までは新基準を満たさなくても、そのことだけを理由に更新が不許可になることはありません。詳しくは記事の後半でまとめました。
⚠️ 2025年10月16日の「厳格化」(資本金3,000万円・出資+雇用・日本語・専門家確認など)の詳しい内容と、新規申請で今すべき準備は、最新のくわしい解説記事 【2025年10月施行】経営管理ビザが「資本金3,000万円」に厳格化|新規申請の完全ガイド でまとめています。
1. そもそも経営管理ビザって何?
1-1. どんな人が取れるビザなの?
経営管理ビザは、簡単に言うと「日本で事業の社長さんや管理職になるためのビザ」です。
具体的には、こんな人が対象になります:
・株式会社や合同会社の社長・取締役
・お店の店長やオーナー
・工場長や支店長などの管理職
ポイントは、「実際に経営や管理の仕事をする」ってことです。単にお金を出資するだけじゃダメなんですね。
最近は、IT会社、コンサルティング業、飲食店など、いろんな業種の方が経営管理ビザを取得されています。
あなたのビジネスアイデアも、きっと対象になりますよ!
1-2. 他の就労ビザとの違いは?
「技術・人文知識・国際業務」ビザ(通称:技人国ビザ)って聞いたことありませんか?これは会社員として働くためのビザです。
簡単に違いを説明すると:
経営管理ビザ = 社長や管理職(大きな責任と投資が必要)
技人国ビザ = 会社員(投資は不要、でも学歴や職歴が重要)
これまでは「会社員からスタートして、将来独立」という流れが一般的でしたが、今の制度では「最初からしっかり準備して起業」することがより強く求められています。
2. 経営管理ビザの取得条件って?
ここが一番大切な部分です!
以前のルール(資本金500万円など)から大きく変わっています。
驚かれるかもしれませんが、解決策も後で紹介するので、まずは現実を確認しましょう。
まず、2025年10月16日からの新しい基準を1枚にまとめます。根拠は上陸基準省令(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令)の「経営・管理」の項です。
| 根拠 | 要件 | 落とし穴 |
|---|---|---|
| 一号 | 事業所が日本にあること(未開始なら施設が確保されていること) | 自宅との兼用は原則不可。契約の名義と使用目的まで見られます |
| 二号イ | 経営・管理に従事する人のほかに、日本に住む常勤職員がいること | 就労ビザで働く外国人は人数に入りません |
| 二号ロ | 事業の用に供される財産の総額が3,000万円以上 | 資本準備金・剰余金は含まれず、複数の会社の合算もできません |
| 三号 | 経営者または常勤職員(非常勤を除く)のいずれかが日本語B2相当以上 | 2025年10月16日に新設。ここでの常勤職員は二号イと範囲が違い、別表第一の外国人も含みます |
| 四号 | 学位(博士・修士・専門職)または経営・管理の経験3年以上 | 同じく新設。ここで詰まる方が多い項目です |
| 五号 | 管理者として申請する場合、日本人と同等額以上の報酬 | 社長ではなく管理職として申請するときの条件です |
| 施行規則 別表第三 | 在留資格決定時に提出する事業計画書に、経営の専門家の確認を受けること | 専門家は中小企業診断士・公認会計士・税理士。日本の資格に限られます(施行日時点。入管庁は対象者が変わり得るとしています) |
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」/出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」)
2-1. オフィスを用意しよう
オフィスは「自宅兼」が原則NGに。
まず、働く場所(オフィス)です。
以前は「自宅兼事務所」でも認められることがありましたが、最新のルールでは「自宅兼事務所は原則禁止」という運用になっています 。
出入国在留管理庁は、この「自宅兼」について次のように書いています。
改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する必要があることから、自宅を事業所と兼ねることは、原則として認められません。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」申請に関する取扱い2)
では、どんな部屋なら「事業所」として認められるのか。ここは広さの基準が決まっているわけではありません。同庁は「事業所の広さは、どのくらい必要ですか。」という質問に、「一律にお答えすることは困難ですが、改正後の規模等に応じた経営活動を行うために必要かつ十分な広さの事業所を確保する必要があります。」と答えています。つまり、事業の中身に見合っているかどうかで判断されます。
そのうえで、実際に見られている観点は、同庁のガイドライン「「経営・管理」の在留資格の明確化等について」に書かれています。
- 経済活動が、単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること
- 財貨・サービスの生産または提供が、人および設備を有して継続的に行われていること
- 賃貸借契約の使用目的が「事業用」「店舗」「事務所」など事業目的であること
- 賃貸借契約の名義が会社(法人等)で、その法人が使うことが明確であること
- 月単位の短期間賃貸スペースを利用する場合
- 容易に処分可能な屋台などを利用する場合
- 自宅を事業所と兼ねる場合(原則として認められません)
これらを満たさないと、ビザの許可は受けられません。
逆に、シェアオフィスなら一律にダメ、というわけでもありません。同じガイドラインは、インキュベーター(経営アドバイスやビジネスサービスへの橋渡しを行う団体・組織)が支援している場合について、次のように書いています。
申請人から当該事業所に係る使用承諾書等の提出があったときは、(独)日本貿易振興機構(JETRO)対日投資ビジネスサポートセンター(IBSC)その他インキュベーションオフィス等の一時的な住所又は事業所であって、起業支援を目的に一時的に事業用オフィスとして貸与されているものの確保をもって、上陸基準省令にある「事業所の確保(存在)」の要件に適合しているものとして取り扱うこととします。
(出典:出入国在留管理庁「「経営・管理」の在留資格の明確化等について」1 事業所の確保について)
つまり、判断の分かれ目は「シェアオフィスかどうか」ではなく、一区画を占めているか/人と設備があるか/契約の名義と使用目的が事業用か/使用承諾書などで説明できるかです。なお、住所だけを借りるいわゆるバーチャルオフィスについて、ガイドラインに名指しの記載はありませんが、上の2つの条件(一区画を占めていること・人と設備を有していること)を満たすかどうかを個別に説明できるかが問題になります。
物件選びを誤ると申請に大きく影響しますので、契約前のご相談をおすすめします。
2-2. 事業規模(3,000万円以上)と常勤職員の雇用
「3,000万円以上の事業規模」と「常勤職員の雇用」が要件になりました。
ここが最大の変更点です。
・昔のルール:500万円の投資 または 2名の雇用
・今のルール:事業の用に供される財産の総額が3,000万円以上 かつ 常勤職員1人以上の雇用(さらに日本語・経歴・事業計画書の確認が加わります)
「えっ、3,000万円!? そんな大金ないよ!」と思った方、その反応は正常です。
ここで大事なのは、「投資額」ではなく「事業の用に供される財産の総額」という言い方に変わったことです。法人なら払込済資本の額(資本金の額)または出資の総額、個人事業主なら事業所の確保・職員の給与(1年分)・設備投資経費など事業を営むために必要なものとして投下されている総額を指します。同じ「3,000万円」でも、中身の数え方が法人と個人で違います。
そして、数え方には3つの落とし穴があります。いずれも出入国在留管理庁がQ&Aで明言しています。
- 資本準備金・資本剰余金・利益剰余金は含まれません(「資本準備金、資本剰余金、利益剰余金は、「事業の用に供される財産の総額」に含まれません。」)
- 複数の会社の資本金を足すことはできません(「複数の会社のうち、いずれか一つの会社の規模が資本金3,000万円以上である必要があります。」)
- 社長ではなく管理者として申請する場合も、この要件は外れません(「管理者として活動する場合でも資本金等の要件を満たす必要があります。」)
- 有償新株予約権(J-KISS型など)による調達資金も、返済義務のない払込金であって、かつ「新株予約権が権利行使されることで払込資本となる場合及び権利行使されずに失効し利益となる場合のいずれであっても、資本金として計上することとしていること」の両方を満たす部分に限り、3,000万円に計上できます(投資契約書等の提出が必要です)。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」Q&A 問7・問12・問11・問10。有償新株予約権について:出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」5 有償新株予約権の発行により調達した資金について)
雇う人も、誰でも良いわけではありません。ここが、実務でいちばん取り違えられているところです。
上陸基準省令 二号イは、常勤の職員から「法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者」をかっこ書きで除いています。出入国在留管理庁の説明では、対象になるのは日本人、特別永住者、そして法別表第二の在留資格(「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)で在留する外国人に限られ、「技術・人文知識・国際業務」などで働く外国人は、この人数に入りません。
ただし、この「人数に入らない」のは二号イ(人数要件)の話です。この後の「2-4. 日本語能力」で説明する三号(日本語能力)の常勤職員は範囲が異なり、別表第一の在留資格で働く外国人も含みます。
「常勤」の中身にも基準があります。同庁は次の観点で判断するとしています。
- 「労働日数が5日以上、かつ、年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上の者。」
- 入社日から6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した職員に、年次有給休暇が10日以上与えられること
- 雇用保険の被保険者であり、かつ1週間の所定労働時間が30時間以上であること
- 「「在籍出向」、「派遣」及び「請負」の形態で業務に従事している労働者は、業務に従事している事業所の常勤職員と見なすことはできません。」
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」Q&A 問1・問3)
「これじゃ起業なんて無理…」と諦めるのはまだ早いです!
実はこの高いハードルをクリアするための「準備期間」をもらえる制度があるんです。(詳しくは第3章で!)
2-3. しっかりした事業計画を作ろう
事業計画は専門家のチェックが必要
以前は自分で作った事業計画書を提出していましたが、現在は税理士・公認会計士・中小企業診断士のいずれかの専門家に、事業計画の「具体性・合理性・実現可能性」をチェックしてもらうことが必要になりました。
チェックするポイント:
- どんな商品・サービスを、誰に売るのか?
- 競合他社と比べて、何が優れているのか?
- 売上や経費の予測は現実的か?
- 事業を続けていけるだけの資金があるか?
- 申請者に経営能力があるか?
「このビジネスは本当に儲かるの?」「資金計画に無理はない?」といった点を、第三者のプロが厳しく評価します。
「誰に頼めるのか」でつまずく方が多いので、使える人・使えない人を整理しておきます。
- 海外の資格は使えません。「日本の中小企業診断士、公認会計士又は税理士の資格をお持ちの方が該当します。」(米国公認会計士などは対象外)
- 身内は使えませんが、外部の顧問なら使えます。「申請人が経営する会社の役員や従業員の場合は、客観性の確保の観点から評価者として認められません。外部顧問となっている公認会計士や税理士の場合については、評価者として差し支えありません。」
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」Q&A 問17・問18)
「事業計画書なんて作ったことない…」という方も大丈夫!
やさしい行政書士事務所の代表は、以前大手企業で新規事業の立ち上げをサポートしていた経験があります。
その実務経験を活かして、説得力のある事業計画作りをお手伝いします。
2-4. 日本語能力(B2相当以上)— 2025年10月に新設された要件
ここから2つは、2025年10月16日に新しく加わった要件です。古い解説記事にはまず載っていないので、注意してください。
上陸基準省令 三号は、「申請に係る事業の経営を行い、又は当該事業に従事する者(非常勤の者を除く。)のうちいずれかの者が、高度に自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力を有している者であって、かつ、申請人が当該事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する時において、本邦に居住することとしているものであること。」と定めています。
出入国在留管理庁は、これを「「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力」と説明しています。社長本人が満たす必要はなく、常勤職員のどちらかが満たせば足ります。証明の方法は次のいずれかです(日本人・特別永住者はこの証明が不要です)。
- 日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
- BJTビジネス日本語能力テストで400点以上を取得していること
- 中長期在留者として20年以上日本に在留していること
- 日本の大学等高等教育機関を卒業していること(高等専門学校・専門学校も含みますが、これらについては恒常的に外国語による授業を行っている課程又は通信により教育を行っている課程を卒業・修了した場合を除きます)
- 日本の義務教育を修了し、高等学校を卒業していること(中学校から編入した場合は、この要件に当たりません)
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」/出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」3 日本語能力について・Q&A 問13〜問15)
ここで、直前の二号イ(人数要件)との違いに注意してください。二号イの常勤職員には別表第一(技術・人文知識・国際業務等)の外国人は入りませんが、三号(日本語能力)の常勤職員には、別表第一の在留資格で働く外国人も含まれます。出入国在留管理庁は「ここで言う「常勤職員」の対象には、法別表第一の在留資格をもって在留する外国人も含まれます。」と注記しており、範囲が二号イと逆になっている点が実務でいちばん混同されます。
同庁はQ&A問2で、具体例まで示しています。
- 基準を満たす例:日本人または特別永住者を1名以上雇用/法別表第二の外国人(永住者・定住者等)を1名以上、日本語能力の立証ありで雇用/法別表第二の外国人(立証なし)と別表第一の外国人(立証あり)をそれぞれ1名ずつ雇用
- 基準を満たさない例:別表第一の外国人(立証あり)のみを雇用/法別表第二の在留資格の常勤職員のみを雇用しているが、日本語能力の立証がない場合(たとえば定住者を1人雇っただけでは足りません)
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」「3 日本語能力について」注1・Q&A 問2)
2-5. 経歴(学位、または経営・管理の経験3年以上)
もう1つの新設要件が、申請者本人の経歴です。次のどちらかが必要です。
- 経営管理に関する分野、または申請に係る事業の業務に必要な技術・知識に係る分野で、博士・修士・専門職の学位を持っていること(外国で授与された相当の学位を含みます)
- 事業の経営または管理について3年以上の経験があること
この「3年」には、特定活動(起業準備活動)で日本に在留していた期間を通算できます。省令のかっこ書きに、そう書かれています。次章のスタートアップビザは、ここで効いてきます。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」経営・管理の項 四号イ・ロ)
2-6. 管理者として申請する場合は、報酬の条件もあります
社長ではなく、支店長・工場長などの管理者として申請する場合は、上陸基準省令 五号がもう1つの条件を課します。「申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。」です。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」経営・管理の項 五号)
3. いきなり無理!という方のための「スタートアップビザ」
「3,000万円も用意できないし、すぐにオフィスも借りられない…」
そんな外国人起業家のための制度が、「外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)」です(在留資格は「特定活動(44号)」。よく似た名前の「国家戦略特別区域外国人創業活動促進事業」とは別の制度です)。
出入国在留管理庁は、この制度をこう説明しています。「本邦で起業準備活動を行おうとする方については、経済産業省が定める「外国人起業活動促進事業に関する告示」に基づく外国人起業活動促進事業を活用することにより、経済産業大臣から認定を受けた地方公共団体又は民間事業者による管理・支援の下、起業準備活動を行うための在留資格を付与され、最長2年間、起業準備活動を行うことができます。」(出典:出入国在留管理庁「スタートアップ関連施策」)
- 資金やオフィスがまだなくても入国できる:経済産業大臣の認定を受けた地方公共団体または民間事業者の管理・支援のもとで計画が認められれば、最長2年間の在留資格(特定活動44号)で起業準備ができます。
- 日本で準備ができる:日本に住みながら、投資家を探したり、オフィス契約を進めたりできます。
- 自治体のサポートがある:福岡市や東京都など、起業を応援する自治体が相談に乗ってくれます 。
つまり、いきなり経営・管理ビザを目指すのではなく、まずは「スタートアップビザ」で日本に来て、2年かけて準備を整えるというルートがあります。
ただし、ここで必ず知っておいてほしい落とし穴があります。スタートアップビザは、3,000万円などの新基準を免除してくれる制度ではありません。出入国在留管理庁は、確認証明書がいつ交付されたかで扱いを分けています。
外国人起業活動促進事業に関する告示の一部を改正する告示の施行日前に確認証明書が交付されている場合は、「経営・管理」への在留資格変更許可申請の際に、改正前の許可基準を適用します。
改正告示の施行日以降に確認証明書が交付されている場合は、「経営・管理」への在留資格変更許可申請の際に、改正後の許可基準を適用します。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」施行に伴う留意点3。同ページQ&A 問32では、この施行日前を「2025年10月15日以前」と示しています)
これから確認証明書を受ける方は、変更のときに3,000万円などの新基準が求められます。スタートアップビザの2年は「基準を免除される2年」ではなく、「基準を満たすために日本国内で動ける2年」だと考えてください。なお、この2年間は四号の「経営・管理の経験3年以上」に通算できますので、経歴要件の面では意味のある2年になります。
もう1つ、あまり知られていない制度があります。出入国在留管理庁は「地方公共団体が外国人に起業支援を行う場合、在留資格「経営・管理」の事業規模要件に係る取扱いについての特例措置を行っています。」としています。お住まいの・進出予定の自治体に起業支援制度があるかどうかは、確認する価値があります(出典:出入国在留管理庁「スタートアップ関連施策」)。また、優秀な海外大学等を卒業した方には「未来創造人材制度(J-Find)」という別の入口もあります。
4. 申請から許可までの流れ
余裕を持ったスケジュールが必要です。審査にかかる期間は事案によって幅があり、当事務所として一律の日数をお約束できるものではありません。ただし、期間を自分で延ばしてしまう要因は、はっきりしています。
提出書類が揃っていない申請の場合、大幅に審査が遅れる、または不利益処分となり得る可能性があるのでご留意ください。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」」申請に当たっての留意事項)
更新の場合は、いつから出せるかも決まっています。同庁は「在留期限の何か月前から更新許可申請が可能ですか。」という質問に「3か月前から申請が可能です。なお、3か月以内の在留期間をお持ちの方は、その在留期間の2分の1以上経過したときから申請が可能です。」と答えています(出典:出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」Q22)。書類を揃える時間を逆算すると、在留期限の半年前には動き出したいところです。
- 事業計画の作成:ここが一番大事!
- 専門家による事前確認:認定機関にお墨付きをもらいます 。
- スタートアップビザ等の申請:まずは準備のためのビザを取得(※ケースによります)。
- 会社設立・資金調達・採用:猶予期間中に3,000万円の準備や採用活動を行います。
- 経営管理ビザへ変更申請:条件が整ったら、本番の申請です。
- 審査:書類が揃っていないと大幅に遅れます
- 許可!
やさしい行政書士事務所は「申請取次行政書士」なので、お客様の代わりに入管での手続きを全て行います。お客様は忙しい本業に集中してくださいね!
必要な書類って何?
正直、書類はかなりたくさんあります…。でも大丈夫!分類して整理すれば、それほど怖くありません。
主な書類カテゴリー:
- 本人関連: 申請書、写真、パスポート、履歴書、卒業証明書など
- 会社関連: 定款、登記簿、開業届など
- 事業関連: 事業計画書、許認可証(必要な場合)など
- オフィス関連: 賃貸契約書、事務所の写真など
- 資金関連: 通帳コピー、送金記録など
そのうえで、提出書類は「カテゴリー」によって変わります。出入国在留管理庁は所属機関を次の4つに区分しています。カテゴリー1=上場企業、国・地方公共団体、独立行政法人、公益法人などに該当する機関、カテゴリー2=前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人、カテゴリー3=前年分の法定調書合計表を提出した団体・個人(カテゴリー2を除く)、カテゴリー4=左のいずれにも該当しない団体・個人です。カテゴリー1・2は原則としてその他の資料が不要になりますが、設立したばかりの会社は、個人か法人かに関わらず、カテゴリー1〜3のいずれにも当てはまらない結果としてカテゴリー4になることが多くなります。自分がどこに当たるかで、準備の量がまるで違います。
そして、2026年に入ってから書類が1つ増えています。
令和8年4月15日(水)以降の申請から、カテゴリー3又は4に該当する場合は、以下の添付書類を追加で提出いただく必要があります。・所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)(※事業の管理に従事する場合に添付。)
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」」お知らせ)
細かいところでは、「日本で発行される証明書は全て、発行日から3か月以内のものを提出してください。」という決まりもあります。登記事項証明書や納税証明書を早く取りすぎると、揃えた頃には期限切れ、ということが起きます。
やさしい行政書士事務所では、お客様の状況に合わせた「オリジナル書類チェックリスト」を作成しています。「どこで何を取ればいいの?」という疑問も、LINEで気軽に質問できますよ!
5. 専門家に頼むメリットって?
「自分でやれば費用が安く済むのでは?」と思う方もいますよね。でも、ちょっと待ってください!
時間と労力が大幅に削減できる
経営管理ビザの申請は、正直めちゃくちゃ大変です。
- 複雑な書類の作成・収集
- 入管の最新情報のキャッチアップ
- 審査のポイントを押さえた申請書作成
- 入管とのやり取り
これを全部自分でやると、本業がおろそかになっちゃいますよね。
やさしい行政書士事務所にご依頼いただければ、お客様は事業の準備に集中していただけます。在留資格申請の経験を活かしてサポートします。
報酬を得て書類作成を代われるのは、弁護士と行政書士だけです
「コンサル会社にまとめてお願いしたい」というご相談をよくいただきます。ここは制度上、頼める相手が決まっています。出入国在留管理庁が、経営・管理の改正ページにも申請ページにも同じ注意書きを載せています。
なお、弁護士及び行政書士以外の方が、官公署に提出する申請書等の書類の作成を報酬を得て業として行うことは、行政書士法違反に当たるおそれがありますので御留意願います。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」5 事業計画書の取扱いについて)
そのうえで、行政書士に頼む実務上の意味は次のとおりです。許可・不許可を左右するのは要件そのものであり、誰が書類を作っても、要件を満たしていなければ許可は出ません。
- 一号から五号までの要件を、申請前に一つずつ突き合わせられる
- 省令・ガイドライン・Q&Aの改訂を一次資料で追える(このページの内容も2026年6月に更新されています)
- 足りない書類を、申請前の段階で洗い出せる
- 申請取次行政書士として、入管への出頭を代われる
「とりあえず話を聞いてみたい」という段階のご相談も歓迎しています。具体的な相談方法やお問い合わせ先は、記事末尾にまとめています。
すでに「経営・管理」で在留中の方へ — 2028年10月16日という期限
ここまでは、これから取る方の話でした。すでに「経営・管理」で日本にいる方には、別の時計が動いています。
施行後3年が経過するまで(令和10年10月16日まで)の間は、新たな基準を満たさない場合でも、そのことのみをもって在留期間更新許可申請が不許可になることはありません。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」特にお問合せが多い質問 問1)
令和10年10月16日=2028年10月16日です。施行日(2025年10月16日)から3年。また、施行日の前日までに受け付けて審査が続いている申請には、改正前の基準が適用されます。ただし、同庁はこう付け加えています。「ただし、改正前の許可基準の適用により許可処分となった場合であっても、施行日から3年を経過した後は改正後の許可基準を満たす必要がありますので、十分に留意してください。」
(出典:同ページ Q&A 問30)
では、2028年10月16日を過ぎて3,000万円に届かなかったら、その時点で終わりなのか。そうではありません。同庁は、こう書いています。
施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請時において、改正後の許可基準に適合しない場合であっても、経営状況が良好であり、法人税等の納付義務を適切に履行しており、次回更新時までに改正後の許可基準を満たす見込みがあるときは、その他の在留状況を総合的に考慮し、許否判断を行います
(出典:同ページ 特にお問合せが多い質問 問3)
逆に言えば、この3年は「何もしなくていい3年」ではありません。同庁は、経営状況や納税状況に問題がなくても不許可になり得るとして、次のように明言しています。
労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令の遵守状況、社会保険、雇用保険、労災保険等の加入状況や納付状況、事業に必要な許認可の取得状況などについて問題がある場合には、審査において消極的な要素と判断され、更新が認められない事例もありますので御注意ください。
(出典:同ページ 特にお問合せが多い質問 問2)
なお、専門家の確認が義務なのは、在留資格を決定するとき(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請)に提出する事業計画書です。更新のたびに義務づけられているわけではありませんが、同庁は「審査においては、経営に関する専門家の評価を受けた文書を提出いただくことがあります。」としており、この3年の間でも提出を求められることがあります。
3年という猶予は、体制を整えるための時間です。資本金の増資、常勤職員の採用、日本語要件を満たす人材の確保、社会保険の適正化。どれも直前に片付く話ではありません。2028年10月16日から逆算して、いまの決算期のうちに何をするかを決めておきたいところです。
6. ビザ取得後の注意点
更新のときに大切なこと
経営管理ビザには期限があります(1年、3年、5年など)。継続するには更新が必要です。
「赤字だと更新できないって本当?」とよく聞かれますが、赤字=即ダメではありません。出入国在留管理庁のガイドラインには、判断の枠組みがはっきり書かれています。
事業の継続性については、単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから、直近二期の決算状況により次のとおり取り扱うこととします。
(出典:出入国在留管理庁「「経営・管理」の在留資格の明確化等について」3 事業の継続性について)
まず、直近期または直近期前期に売上総利益があるかどうかで大きく分かれます。以下の4つは「売上総利益がある場合」の話です。
- 直近期末に剰余金がある、または剰余金も欠損金もない → 継続性ありと認められます
- 欠損金はあるが債務超過ではない → 今後1年間の事業計画書と予想収益を求められ、原則として継続性が認められます(資料の内容によっては、第三者の評価書面を更に求められることもあります)
- 直近期は債務超過だが、その前期は債務超過ではない → 債務超過が1年以上続いておらず、1年以内に解消する具体的な見通しがあることを前提に、中小企業診断士や公認会計士等による改善見通しの評価書面が求められます
- 直近期・直近期前期とも債務超過 → 原則として継続性は認められません
これとは別に、直近期・直近期前期の両方で売上総利益がない場合も、原則として事業の継続性は認められません。
ただし、この最後の2つのケースにも例外が置かれています。「新興企業(設立5年以内の国内非上場企業をいう。以下同じ。)が独自性のある技術やサービス、新しいビジネスモデル等に基づき事業を成長させようとする場合、設立当初は赤字が続くことも想定されます。」として、専門家の評価書面・資金調達に取り組んでいることを示す書類・製品やサービスの開発や顧客基盤の拡大に取り組んでいることを示す書類を出したうえで、これらの書類の内容から、債務超過(売上総利益がない場合はその状態)に合理的な理由があると判断されれば、柔軟に判断するとしています。スタートアップにとっては、ここが生命線になります。
そのうえで、決算以外に見られるのは次の点です。
大切なのは:
- 赤字の理由がはっきりしていて、改善計画があること
- 公租公課の履行:労働保険(雇用保険の資格取得・保険料納付・労災保険)、社会保険(健康保険・厚生年金の資格取得と保険料納付)、国税・地方税(法人なら源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税、法人住民税、法人事業税)の納付状況
- 事業に必要な許認可を取得していること(在留許可を受けてからでないと取れない場合は、理由を書いた文書を出し、次回更新時に確認されます)
- 日本にいること。同庁は「個々の在留状況に応じて判断することになりますが、一般論としては、決定された在留期間のうち、累計でその過半を超える期間について、再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)をしている場合には、正当な理由があるときを除き、在留期間更新に係る審査において消極的な要素として評価されることになります。」としています
やさしい行政書士事務所では、更新のサポートはもちろん、事業改善のアドバイスも行っています。AIを活用した最新の分析ツールも使って、より精度の高いサポートを心がけています。
家族呼び寄せや永住権への道
経営管理ビザが取れたら、家族も「家族滞在」ビザで日本に来ることができます。
そして、長期間日本で事業を続けていけば、将来的に永住許可を目指すこともできます。ただし、2025年10月16日の改正で、ここに条件が1つ加わりました。
施行日後、改正後の許可基準に適合していない場合は、「経営・管理」、「高度専門職1号ハ」又は「高度専門職2号」(「経営・管理」活動を前提とするもの)からの永住許可及び「高度専門職1号ハ」から「高度専門職2号」への在留資格変更許可は認められません。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」申請に関する取扱い3)
更新のほうには2028年10月16日までの経過措置がありますが、永住許可にはその猶予が及びません。「経過措置で更新しながら、そのうち永住を」と考えている方は、永住を出す時点で新基準を満たしている必要がある、という順番を先に押さえてください。永住許可そのものの条件は、下の記事でまとめています。
永住権の一般的な条件:
- 10年以上日本に滞在(うち5年は就労ビザ)
- 税金をきちんと払っている
- 法律を守っている
- 安定した収入がある
やさしい行政書士事務所では、経営管理ビザから永住権まで、長期的なサポートを行っています。建設業許可や飲食店営業許可など、事業に必要な各種許認可の取得もご相談いただけます。なお、外国人の方の採用・労務面については外国人雇用の解説記事もあわせてご覧ください。
手数料は2026年10月1日に改定されました(基準は「受付した日」)
2026年(令和8年)10月1日に、在留資格の変更・在留期間の更新・永住許可の手数料が改定されました。改定後は、変更・更新について許可される在留期間の区分に応じて額が決まる仕組みです。
実務でいちばん効くのは、どちらの額になるかが、入管が申請を「受付した日」で決まることです。
令和8年9月30日までに受付した申請に対する許可については、当該申請に係る許可が令和8年10月1日以降となっても、改定前の手数料の額を納付することとなりますので御留意ください。
(出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」。2026年10月5日に現在の文言を確認)
納め方も変わりました。オンライン申請では「従来の収入印紙による納付方法から、コンビニ決済又は銀行決済による納付方法に変更となります。」。窓口申請はこれまでどおり収入印紙です。また、生活保護の要保護者に準ずる程度の困窮など、限られた場合の減額制度が設けられましたが、「在留申請オンラインシステムでの申請は、減額措置に対応しておりません。」とされており、減額を受けるには窓口で申請する必要があります(出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」)。
金額そのものは、在留資格の更新手数料 値上げはいつから?いくらになる?でまとめています。
まとめ:あなたの夢を実現させましょう!
いかがでしたか?経営管理ビザについて、少しでも理解が深まったでしょうか。
確かに手続きは複雑ですが、決して不可能ではありません。必要な条件を一つずつ整理し、準備を重ねていくことが大切です。会社をつくるところから始める方は、会社設立の流れもあわせて参考になります。
- しっかりとした事業計画
- 適切な事務所の確保
- 3,000万円以上の事業規模と、常勤職員1人以上の雇用
- 日本語B2相当以上の人材と、学位または3年以上の経営・管理の経験
- 正確な書類作成
そして何より、「日本で事業を成功させたい」という熱い想いです。
やさしい行政書士事務所は、そんなあなたの想いを書類作成・申請取次の面からサポートします。これまでの在留資格申請の経験を活かして、お客様一人ひとりの状況に合わせたご提案を行います。
「こんなビジネスを考えているんだけど…」
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どんな段階でも構いません。まずは気軽にご相談ください!
どんな段階のご相談でも歓迎しています。お問い合わせ先は下記をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 2026年に経営・管理ビザを取るには、結局いくら必要ですか?
A. 上陸基準省令 二号ロが求めるのは、事業の用に供される財産の総額が3,000万円以上であることです。法人なら払込済資本の額(資本金の額)または出資の総額、個人事業主なら事業所の確保・職員の給与(1年分)・設備投資経費など、事業を営むために必要なものとして投下されている総額を指します。資本準備金・資本剰余金・利益剰余金は含まれません。また、複数の会社を経営していても合算はできず、いずれか一つの会社が3,000万円以上である必要があります。
Q. すでに「経営・管理」で在留しています。3,000万円を用意できないと帰国ですか?
A. 出入国在留管理庁は「事実ではありません」と明言しています。施行日から3年が経過するまで(令和10年=2028年10月16日まで)は、新基準を満たさないことのみをもって更新が不許可になることはありません。3年経過後も、経営状況が良好で法人税等の納付義務を適切に履行しており、次回更新時までに新基準を満たす見込みがあるときは、その他の在留状況を総合的に考慮して許否が判断されます。ただし無条件の猶予ではなく、労働関係法令の遵守状況、社会保険・雇用保険・労災保険の加入と納付、許認可の取得状況に問題があれば消極的な要素と判断されます。
Q. 常勤職員は、技術・人文知識・国際業務の外国人でもいいですか?
A. いいえ。上陸基準省令 二号イは、常勤の職員から「法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者」をかっこ書きで除いています。対象になるのは日本人、特別永住者、および法別表第二の在留資格(「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)で在留する外国人です。技術・人文知識・国際業務などの就労ビザで働く外国人は、この人数に入りません。また、在籍出向・派遣・請負の形で働いている人も、その事業所の常勤職員とは見なされません。ただし、これは二号イ(人数要件)の話です。後述する三号(日本語能力要件)の常勤職員には、技術・人文知識・国際業務などの外国人も含まれます。
Q. 日本語能力は、社長本人が満たさないといけませんか?
A. いいえ。上陸基準省令 三号が求めるのは、経営を行う人または事業に従事する人(非常勤を除く)のうち、いずれかの者が日本語教育の参照枠のB2相当以上であることです。社長本人でも、常勤職員でも構いません。なお、ここでいう常勤職員は、二号イ(人数要件)とは範囲が異なり、技術・人文知識・国際業務など別表第一の在留資格で働く外国人も含みます。また、B2相当の能力を持つその方は、申請人が経営・管理に従事する時点で日本に居住することとしている必要があります。証明は、日本語能力試験N2以上、BJT400点以上、中長期在留者として20年以上の在留、日本の大学等高等教育機関の卒業、日本の義務教育修了かつ高等学校卒業のいずれかで行います(日本人・特別永住者は証明が不要です)。
Q. 自宅を事務所にできますか。シェアオフィスはどうですか?
A. 自宅との兼用は、出入国在留管理庁が「原則として認められません」と明記しています。シェアオフィスについては、一律に不可とはされていません。同庁のガイドラインは、事業所として単一の経営主体のもとにおいて一区画を占めていること、人および設備を有して継続的に行われていることを挙げ、月単位の短期間賃貸スペースや容易に処分可能な屋台は要件に適合しないとしています。一方で、インキュベーターが支援している場合は、使用承諾書等の提出があれば一時的に貸与された事業用オフィスの確保をもって要件に適合するものとして取り扱う、としています。賃貸借契約の使用目的が事業目的であること、契約名義が法人等であることも求められます。
Q. 事業計画書の確認は、顧問税理士に頼んでもいいですか?
A. 外部の顧問であれば依頼できます。出入国在留管理庁は「申請人が経営する会社の役員や従業員の場合は、客観性の確保の観点から評価者として認められません。外部顧問となっている公認会計士や税理士の場合については、評価者として差し支えありません。」としています。対象となる資格は中小企業診断士・公認会計士・税理士で、米国公認会計士などの海外資格は対象外です。
Q. 赤字だと更新できませんか?
A. 赤字だから直ちに不許可、という取扱いではありません。出入国在留管理庁のガイドラインは、事業の継続性について「単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断する」とし、直近二期の決算状況で扱いを分けています。まず、直近期または直近期前期に売上総利益があるかどうかで大きく分かれます。売上総利益がある場合は、剰余金がある場合や欠損金があっても債務超過でない場合は原則として継続性が認められ、直近期・前期とも債務超過の場合は原則として認められません。これとは別に、直近期・前期の両方で売上総利益がない場合も、原則として継続性は認められません。ただし、いずれのケースも、設立5年以内の国内非上場企業については、専門家の評価書面や資金調達・事業展開の資料の内容から合理的な理由があると判断されれば、柔軟に判断するとされています。
Q. スタートアップビザを使えば、3,000万円は不要になりますか?
A. いいえ。出入国在留管理庁は、「改正告示の施行日以降に確認証明書が交付されている場合は、「経営・管理」への在留資格変更許可申請の際に、改正後の許可基準を適用します」としています(施行日前=2025年10月15日以前に交付を受けている場合は改正前の基準)。これから確認証明書を受ける方は、変更のときに新基準を満たす必要があります。ただし、この期間は上陸基準省令 四号の「経営・管理の経験3年以上」に通算できるため、経歴要件の面では意味があります。
Q. 手数料はいつから変わりますか?
A. 2026年(令和8年)10月1日からです(改定済み)。どちらの額になるかは入管が申請を受付した日で決まり、出入国在留管理庁は「令和8年9月30日までに受付した申請に対する許可については、当該申請に係る許可が令和8年10月1日以降となっても、改定前の手数料の額を納付することとなりますので御留意ください。」としています。オンライン申請の納付方法は収入印紙からコンビニ決済または銀行決済に変わり、減額措置(生活保護の要保護者に準ずる程度の困窮など、限られた場合)はオンラインシステムでは受けられません。金額は別の記事にまとめています。
出典・参考情報(2026年9月4日時点)
本記事の記載は、次の一次資料を2026年9月4日に直接確認したうえで書いています。要件・様式・手数料・条文は改正されることがあります。申請の前には、下記の一次資料と、所轄の地方出入国在留管理局でご確認ください。
- 出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」(令和8年6月26日更新)https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html(改正5項目・事業計画書の専門家確認・自宅兼事務所・永住許可の取扱い・経過措置・Q&A)
- 出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」」https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html(在留期間・カテゴリー1〜4の提出書類・令和8年4月15日以降の追加書類・申請に当たっての留意事項)
- 出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」(令和8年6月改訂)https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan43.html(事業所の確保の判断枠組み・共同経営・事業の継続性(直近二期)・事業者としての義務の履行)
- 出入国在留管理庁「スタートアップ関連施策」https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/03_00070.html(外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)・J-Find・地方公共団体の起業支援の特例)
- 出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」https://www.moj.go.jp/isa/immigration/faq/kanri_qa.html(更新許可申請は在留期限の3か月前から(Q22))
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」https://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html(改定日・受付日を基準とする経過措置・オンライン申請の納付方法の変更。経過措置の文言は2026年10月5日に再確認)
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日以降における在留許可手数料の減額措置又は免除措置について」https://www.moj.go.jp/isa/10_00273.html(減額・免除の対象/オンラインシステムは減額措置に非対応)
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000010016(「経営・管理」の項 一号(事業所)・二号イロ(常勤職員・三千万円)・三号(日本語)・四号(学位/3年以上の経験)・五号(管理者の報酬))
【免責事項】本記事は2026年9月4日時点の情報にもとづく一般的な解説です。許可基準・様式・手数料・審査の運用は変更されることがあります。実際の手続きにあたっては、必ず出入国在留管理庁の最新の公表内容をご確認いただくか、当事務所にご相談ください。個別の事案についての判断を保証するものではありません。
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代表行政書士 宮本 雄介
所在地: 〒257-0003 神奈川県秦野市南矢名2123-1
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