目次
キャバクラ・スナック・ホストクラブ風営許可(1号営業・社交飲食店営業許可)
⚠️ 重要なお知らせ:2025年6月28日施行の改正風営法により、罰則が大幅に強化されました
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人の欠格要件
営業許可の要件として人の欠格要件があります。
営業者及び管理者、つまりオーナー、店長が以下の場合は許可されません。
①成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない者
②1年以上の懲役もしくは禁錮の刑(無許可風俗営業など一定の罪については1年未満の懲役もしくは罰金の刑)に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
③集団的に、または常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
④アルコール、麻薬、大麻、あへん、または覚せい剤の中毒者
⑤風俗営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者 【改正】取消しを受けた法人の親会社や、処分逃れのために許可証を返納した者なども新たに欠格事由に追加されました
⑥営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
- 管理者(店長)は店舗ごとに必要で、他店舗との兼務は不可
- 名義貸しは違法(後述の罰則を参照)
用途地域の制限
- ・商業地域
- ・近隣商業地域
- ・工業地域
- ・準工業地域
- ・工業専用地域
- ・その他、用途が指定されていない地域
- 50m以内に設置不可: 大学以外の学校(幼稚園、小中高校)、図書館、助産施設除く児童福祉施設
- 20m以内に設置不可: 大学、第一種助産施設を含む病院、8床以上入院設備を有する診療所
- 10m以内に設置不可: 第二種助産施設、8床未満入院設備を有する診療所
店舗内設備の要件
①客室が2室以上ある場合、1室の面積が16.5㎡以上(和室は9.5㎡以上)
②店舗の外側から客室が見えないようになっていること
③客室内に見通しを妨げる物がないこと(高さ1m以上の仕切り、つい立て、カーテン、背の高い椅子など)
④善良の風俗を害するおそれのある写真、ポスター、装飾等がないこと
⑤店舗自体の出入口は除く客室の出入口に施錠設備がないこと
⑥店内の照度が5ルクスを超えていること
⑦ダンスのための構造や設備がないこと
⑧騒音規制の遵守
※例えば東京の商業地域で、
18時から1時まで営業する場合ですと
騒音の数値が50デシベル未満、
振動にかかる数値55デシベル未満であること
となっております。
営業時間について
原則: 午前0時を超えての営業は禁止
例外:
- 都道府県条例により午前1時まで営業可能な地域あり
- 2016年改正により条例でさらなる延長が可能
- 年末年始の特別延長営業(東京:12月10日~翌年1月7日、午前1時まで)
改正法による罰則の大幅強化
⚠️ 2025年6月28日施行:従来の罰則から劇的に強化されました
無許可営業・名義貸しの罰則
対象 | 改正前 | 改正後(2025年6月28日施行) |
---|---|---|
個人 | 2年以下の懲役または200万円以下の罰金 | 5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金 |
法人 | 200万円以下の罰金 | 3億円以下の罰金 |
その他の違反行為と罰則
違反行為 | 刑事罰 | 行政処分 |
---|---|---|
無承認の構造・設備変更 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 営業許可取消しまたは営業停止 |
18歳未満の接待業務従事 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 営業許可取消し |
客引き・つきまとい | 6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 40日以上6ヶ月以下の営業停止 |
従業者名簿の不備 | 100万円以下の罰金 | 40日以上6ヶ月以下の営業停止 |
営業時間制限違反 | – | 20日以上6ヶ月以下の営業停止 |
許可証の不掲示 | 30万円以下の罰金 | 指示処分 |
警察立入調査の妨害 | 100万円以下の罰金 | 40日以上6ヶ月以下の営業停止 |
複合違反のリスク
飲食店営業許可と風俗営業許可の両方とも無許可の状態で営業した場合、改正風営法の罰則(5年/1,000万円/法人3億円)が支配的となり、事業存続に致命的な影響を与えます。
新たな遵守事項・禁止行為
2025年改正で新たに追加された禁止行為:
- 恋愛感情等に付け込んだ要求の禁止
- 顧客の恋愛感情を利用した高額な飲食の要求
- 売掛金の支払いのための性風俗店勤務の斡旋・強要
- 料金に関する虚偽説明の禁止
- 料金システムの不実告知
- 追加料金の隠蔽
- 性風俗店によるスカウトバックの全面禁止
改正法の背景と重要性
今回の改正は「悪質ホストクラブ問題」を受けたものですが、すべての1号営業事業者(キャバクラ、スナック等)が対象です。
法人への3億円という罰金額の意味:
- ・多くの中小企業の純資産を超える金額
- ・支払い命令=即座に倒産リスク
- ・金融機関、不動産所有者、取引先への萎縮効果
- ・事業への投資・取引自体の抑制効果
事業者への緊急提言
1. 即座に実施すべき対応
- 包括的なコンプライアンス監査の実施
- 許可証記載内容と実際の営業実態の完全一致確認
- 賃貸借契約書名義と許可名義の一致確認
2. ゼロ・トレランス体制の構築
- 無許可営業と名義貸しは「事業終焉」を意味する行為
- 経営者・法人の組織変更時は新規許可申請が必要
3. 内部統制の強化
- 顧客・従業員の厳格な年齢確認プロセス
- 従業者名簿の正確かつ遅滞ない管理
- 新遵守事項に関する従業員教育の徹底
4. 専門家との連携
変更前の専門家相談は必須投資となりました。
意図しない違反による破滅的リスクを回避するため、行政書士・弁護士への事前相談を強く推奨します。
まとめ
2025年6月28日施行の改正風営法により、違反に伴うコストは指数関数的に増大しました。従来の「計算可能なリスク」という概念は完全に崩壊し、コンプライアンスを欠く事業者の経済的基盤を根絶することが新たな立法目的となっています。
この新しい高リスク時代を乗り切るためには、完璧なコンプライアンス体制の構築と専門家との連携が不可欠です。
本情報は2025年改正風営法に基づく最新情報です。具体的な申請や対応については、必ず専門家にご相談ください。
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